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父親VS和也。
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こんなのって可笑しいかな?
琴音にかまれてできた指の傷を見るたびに
この傷が治らなきゃいいのにと願ってしまう
琴音と愛し合ったという事実を実感させてくれる傷…
傷を治すのが医者なのに
自分の傷は治したくない
ずっとこのままがいい
今はこの傷の痛みが俺を生かしてくれている
「拓也。」
「…院長。何ですか?」
今までは病院の廊下ですれ違っても俺が拓也のフリをしている時はあまり話しかけてこなかったのに…
話しかけてくるときは大体怒られる時
だから俺があまり話したくないんだ
「その傷はどうした?」
父親は琴音に噛まれてできた指の傷を指摘してくる。
「別に…」
「指を怪我をするなんて…外科医としての自覚はあるのか!?」
また説教か…
「見せてみろ。どんな傷だ。」
父親が和也の手首を引っ張り和也の傷を見ようとする。
「何すんだよ!」
父親に手首を握られるなんて思ってもいなかった。
「…しっかり消毒しときなさい。」
“カツンカツン…”
和也に背を向けていこうとした父親にまたこっちを振り向いてほしくて、わざと父親が振り向く台詞をいっている。
「消毒はしないよ。この傷治らなくていいし。」
「…どういう意味だ?」
父親のこと嫌いで憎んで話せばイライラするのに
どうして子供みたいに父親にかまってほしくなるんだろう――
それはきっと父親のこと
やっぱり好きなんだろうな…
「琴音がつけた傷だから。」
「なッ――」
顔を真っ赤にしながら父親は睨んでくる。
もうその顔も見慣れたよ
「お前はどれだけ兄さんを傷つけるつもりだ!?」
「どれだけって…自分が傷つけられた分傷つけてるだけだよ!自分がしてることが俺のことも傷つけてるって気づけよ!!」
「待ちなさい!」
“バサッ…”
白衣を父親に投げ捨てた
白衣と一緒に拓也の仮面も一緒にーー
「もうウンザリなんだよ!!」
早く琴音にあって和也だって言って楽になりたい…
もうこのまま琴音と一緒に地獄に堕ちよう
何もかも捨てて――
琴音にかまれてできた指の傷を見るたびに
この傷が治らなきゃいいのにと願ってしまう
琴音と愛し合ったという事実を実感させてくれる傷…
傷を治すのが医者なのに
自分の傷は治したくない
ずっとこのままがいい
今はこの傷の痛みが俺を生かしてくれている
「拓也。」
「…院長。何ですか?」
今までは病院の廊下ですれ違っても俺が拓也のフリをしている時はあまり話しかけてこなかったのに…
話しかけてくるときは大体怒られる時
だから俺があまり話したくないんだ
「その傷はどうした?」
父親は琴音に噛まれてできた指の傷を指摘してくる。
「別に…」
「指を怪我をするなんて…外科医としての自覚はあるのか!?」
また説教か…
「見せてみろ。どんな傷だ。」
父親が和也の手首を引っ張り和也の傷を見ようとする。
「何すんだよ!」
父親に手首を握られるなんて思ってもいなかった。
「…しっかり消毒しときなさい。」
“カツンカツン…”
和也に背を向けていこうとした父親にまたこっちを振り向いてほしくて、わざと父親が振り向く台詞をいっている。
「消毒はしないよ。この傷治らなくていいし。」
「…どういう意味だ?」
父親のこと嫌いで憎んで話せばイライラするのに
どうして子供みたいに父親にかまってほしくなるんだろう――
それはきっと父親のこと
やっぱり好きなんだろうな…
「琴音がつけた傷だから。」
「なッ――」
顔を真っ赤にしながら父親は睨んでくる。
もうその顔も見慣れたよ
「お前はどれだけ兄さんを傷つけるつもりだ!?」
「どれだけって…自分が傷つけられた分傷つけてるだけだよ!自分がしてることが俺のことも傷つけてるって気づけよ!!」
「待ちなさい!」
“バサッ…”
白衣を父親に投げ捨てた
白衣と一緒に拓也の仮面も一緒にーー
「もうウンザリなんだよ!!」
早く琴音にあって和也だって言って楽になりたい…
もうこのまま琴音と一緒に地獄に堕ちよう
何もかも捨てて――
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