【R18】秘密。

かのん

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ゲームオーバー

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「んッ――はぁッ―」



長い、長いキスを終えて息がやっとできる



拓也先生のベッドと本しかない部屋――



この部屋でまた拓也先生と言葉も交わさず愛し合う



あまりにも拓也先生が長く深いキスをしてくるから酸欠になって意識が遠のきそう…



「……ハァッ…ッ…」



だけどさっきのフェンス越しみたいな



触れるか触れないかのもどかしいキスよりは



いっそのこのキスで酸欠になったほうがいい――



“シュルシュルシュル…”



汚れてしまった着物を手際よく脱がされていく



この前は恥ずかしさがあったのに



今は恥ずかしさより



早く抱いてほしくて…



ただただギュッと強く抱きしめてほしい――



「アッ…あぁん……」



細くて長く綺麗な指で



胸も下も卑猥な音を出しながらじっくりと弄られる



「ンッ――」



今日は満月



カーテンの隙間から見える月明かりに照らされて見える愛しい人




ずっと、もう二度と離れたくないから



キチンと伝えたことがない自分の気持ちを伝えたい――



「ダメッ――もう…あッ……」



今日こそは…



与えられる快感に負けずに自分の気持ちを伝えたい



「ねぇ…ッ…」



話しかけても指の動きは止めてくれない



私はたった一言がいいたいのに…



どうして言わせてくれないの…?



あなたの指で快感に溺れて自分の気持ちをいえないなんてもう嫌だ――



「好きなの…あなたのことがッ――」



和也は急に指の動きを止め、荒々しく指を抜いたから痛みが走った。



「イタッ…」
















「ゲームオーバー。」


















もう本当にこれで拓也なんて演じれない



琴音の一言で目が覚めた



愛しているなんて言葉琴音の口から聞きたくなかった…



琴音のことが本当に愛しているのなら



俺がすることはただひとつ――



拓也とずっと、ずっと一緒にいさせてあげること




「え…拓也…先生?」



そんなこと言われて泣きたいのは私の方なのに



カーテンの隙間から降り注ぐ月明かりで見えるあなたの瞳にはなぜ涙が溜まってるの?



左の頬から額へと手を伸ばして



今にもこぼれそうな涙をすくって――



「…?」



ホクロが左…?



右じゃないの…?



「もしかして、あなた――」



そんなはずない



人間は一人しかいない――



だけど…よく考えたら…



















「あなた…拓也先生じゃ…ない?」





























“ギシッ…”



和也はベッドから降りて琴音に背を向ける。



「あなた誰…?」



琴音もベッドから降りて和也のほうへシーツを巻きつけながら近づく。



“ドサドサドサッ――”



「あ…ごめんなさい。」



積み上げられた本がシーツに巻き込まれて倒れてしまう。



慌てて本を拾うと本に挟まれた一枚の紙を見つけて琴音は驚く。







「この字…私…?」







383ページ
「かずや君って…私が入院していたときの…あの時の双子…?」



少しづつ遠い記憶を辿りながら和也に話しかけるが



和也は一度もこちらを見ようとしない



「あなた和也君なの…?」



背中にそっと手をあてると和也の体が小刻みに震えているのが伝わってくる。



「…ねぇ、何か言ってよッ――」
















         ありがとう。





          ごめんね。





          さよなら。













その言葉を耳元で囁かれながら強く抱きしめられて



「愛している」その言葉が聞こえたか聞こえないぐらいで――



そこから先の記憶がない・・・



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