ねぇ、先生。【R18】

かのん

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セクハラ

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北海道に来て一週間が過ぎた。



部屋は塾側が手配してくれて、ウィークリーマンションの手続きをしてくれたので、すぐ引越しができた。



北海道は奈々にとって初めてだが、こんなにも寒くて雪が降るなんて想像していなかった。



北海道の塾は生徒の人数の関係もあって6人しかいなかった。




全員男性で女性は私だけだった。



「奈々ちゃん~今日も寒いね~」



他の先生方は優しくて気が利くが、この塾長だけがいやだった。



「塾長、おはようございます。」



「手と頬が真っ赤だよ~温めてあげようか?」



そう言いながら50代、既婚の手が伸びてくる。



「結構です。」



そう言いながらすっと塾長の手をよけた。



前の先生も女性で塾長のセクハラが原因で辞めたと他の先生から聞いた。



「まぁとにかく今日も頑張ってよ。」



「キャッ…!」



そう言いながらお尻を触ってきた。



「肩を叩こうと思ったんだよ。だけど手が滑っちゃってさ~ガハハ!」



そう言いながらそそくさと逃げていった。



他の先生方は見てみぬのフリ



教えてくれたりして優しいけど誰も塾長に抗議する人はいなかった。



「早瀬先生大丈夫?」



誰も知らない土地で、セクハラ受けてまで頑張れるのは可愛い生徒たちがこうやって心配してくれるからだった。



「ありがとう。大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」



北海道の子達は、目がキラキラしていて可愛らしい生徒たちだった。



「お疲れ様でした。」



塾が終わると塾長のセクハラから逃げたくて急いで帰るのが習慣だった。



「奈々ちゃん、送るよ。」



「え?」



「まだ雪道慣れてないでしょ。こけたら痛いし暗いし危ないよ~」



あんたが一番危ないんだよ!と心の中で呟いた。



「近いしだいぶ慣れたんで…それに塾長はまだ仕事があるんじゃないですか?」



「奈々ちゃんと帰るためにそんなのもう終わったよ~」



(キモい!とにかくキモい!)



「お気遣いだけで、では。」



そういってこの日はもうダッシュで帰った。



だけど次の日は後をつけられた。



怖くて家に帰りたくなくて、ファミレスに入って何時間も過ごしたら帰った。



それから家に帰る生活をして、心身ともに疲れ果てていた。



本社にセクハラのことを言おうか迷った。



だけど先生にセクハラされているとバレるのがいやだった。



「え?飲み会?」



「うん、急なんだけど今日早瀬先生の歓迎会をしようって塾長が…ほら、明日休みだしさ。」



「皆さん忙しいと思うんで、歓迎会はいいです。」(少しでも塾長と同じ空気吸いたくない)



「何言ってんだよ~奈々ちゃんの歓迎会なんだから、主役がこないなんてな~」



塾長が話しに入ってきた。



「…じゃあ。」



お酒を飲まなければいい、そう思っていた。























だけど、その考えが間違っていた――










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