しゃぼん玉。

かのん

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大人たちの計画①

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「芽衣先輩、今日も可愛いよね~あんな風に私もなりたいな~」



可愛いのはメイクが上手だから



だって小学生の頃から練習しまくったんだから!



「芽衣先輩みたいにスタイルよくなりたい!」



だって週末は寝てばっかりでご飯食べないんだもん。



ご飯もお菓子も食べること自体面倒くさい。



「あんなにモテるのに女友達を大事にしているところがまたカッコいいよね!」



いやいやいや、男と付き合うほうが面倒だもん!



それに付き合うなら馬鹿にされようが白馬の王子様みたいに目がブルーで金髪で肌白くて白馬が似合う…そんなイケメンがいい!



だから日本にまず私の王子様はいない!




「芽衣おはよう♪」



「純ちゃんおはよう!」



純ちゃんとは幼馴染でしっかりものの委員長タイプ



私が高校デビューなのも知っている人



「今日から新しい先生来るんだって!」



「え!?こんな時期に!?」



「ほら、産休に入る先生がいるじゃん。その先生の代わりだってさ~イケメンって噂だよ!めっちゃ楽しみ♪」



「産休なら一年ぐらいしたらまたいなくなるんじゃない?」



「それでもイケメンのほうが目の保養になるじゃん!芽衣だってイケメン好きでしょ?」



「そうだけどさ~でも日本には私が思うイケメンはいないよ~」



「そりゃ外見が…目がブルーって時点で外国人だよね。」



「だから私は留学するって決めているんだもん!」



「たしかに英語だけは成績いいもんね。」



「そう…英語だけ…数学が本当にやばい。」



「でも今度のイケメン先生も数学だよ!教えてもらったらいいじゃん♪」



「うーん。。。」



「本当日本人には期待してないよね、芽衣って。あ、今日数学小テストだ!」



「え!?嘘!全然勉強してないー!しかも1限!?」



「早く勉強しよう!」



「うん!」



いつも数学は赤点で小テストさえできない



それぐらい苦手だった。



やばいやばい。。。勉強してもしても頭に入らない…



“ガラガラガラッ・・・”



本当にヤバイ!また再テストかも!



「芽衣!イケメン先生来るよ!」



「純ちゃん、いまそれどころじゃないから…」



「はい、みんな席について。今日は来週から先生が産休に入る間入ってもらう先生を連れてきましたので紹介します。」



“ザワザワザワッ・・・”



「もう煩くて全然頭に入らないよ。どれだけイケメンッ…」



「え…?」



周りのみんなもざわつくだけのほどはある。



だってあれだけイケメンがくるって言っていたのに、目の前にいるのはもじゃもじゃの髪の毛、曲がった眼鏡、袖や襟がよれているシャツを着ている男の人が立っている。



「純ちゃん…」



後ろに座っている純ちゃんを振り返って切ると落ち込んでいる。



まぁ…期待していただけショックだよね。



「先生から自己紹介したいただきます。じゃあ先生お願いします。」



「時田健太です。以前はR高校で教えていました。」



時田…健太…?



え…おばあちゃんの…あのお見合いって…!



「えぇぇぇ!?」



「峰岸さん!?どうしたの?何か質問でも?」



「え……あ、あの…平気です。」



待って、確かにあの時はイケメンだったよ。



だけどこんなにも違うじゃない…



同姓同名かも!



いやでもR高校で教えていたって・・・



「はぁ~」



「芽衣、ため息大きすぎ~芽衣もなんだかんだいってイケメンに期待していたんでしょう?」



「違うよ~今日再テスト…」



「芽衣は何でそんなに苦手かな~だって小テストの再テストなんて芽衣ぐらいだよ?」



「何言ってるの純ちゃん。数学の再テストはいつも小太郎も一緒だよ♪いっつも教えてもらってラッキー♪」



「でも小太郎君は……」



「ん?何?」



「何何、俺の話?」



「小太郎、今日の数学の小テストどうだった?」



「部活で 疲れて寝ちゃって勉強してなくて再テスト~芽衣もどうせ再テスト なんだろ?」



「どうせって何よ、どうせって。」



「しょうがねぇから今日も教えてやるよ。」



「ありがとうございます~」


小太郎は中学からの仲だけど同じクラスになったのは高校に入ってからで、バスケの腕前と見た目でモテていたから名前を知っていたぐらい。



「何で……」



再テストはいつも教室で行われていて、先生は忙しいからと教室にはいなくて小太郎に教えてもらったあと職員室に持って行ってたのに……



「時田先生だっけ?何でいるんすか?」



「監視だ。峯岸さんがカンニングしないように。」



「な……」



やっぱりバレてた!?



「再テストが終わったら部活に行っていいぞ。レギュラーを決める大事な時期なんだろ?」



「グッ……芽衣ごめん。」



「え……?」



小太郎はサラサラと問題を解いて時田先生に渡して部活へと走って行ってしまった。



「え……小太郎数学できるの?」



「彼は数学も含めて学年で5番以内だよ。」



「え……じゃあ何でいつも数学再テストなの?」



「それは俺じゃなくて彼に聞くといい。問題が終わったら声をかけて。」



「……はい。」



小太郎もいない。先生の監視付きーー



全然シャーペンが動かない。



「……わからないのか?」



「はい……」



「峯岸は本当な数学が苦手なんだな。」



時田先生は前の席の椅子にまたがって長くてゴツい指でテスト用紙に書かれた文字をなぞる。



小太郎も手は大きいけどゴツさが違う



大人の男の指ーー
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