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甘くて酸っぱい苺のような恋愛
K君
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「ここ…」
手を繋いだ二人が立ち止まったのは海斗のお気に入りのお店
「海斗のお気に入りのお店だったな。」
「うん…」
「海斗と連絡してる?」
「ううん。連絡先知らないし…」
「もうあれから三ヶ月か…」
あれから三ヶ月
ものすごく素敵な人を傷つけて三ヶ月
幸せになってと背中を押してくれた海斗君――
「翔君…」
「うん?」
「聞きたいことがあるんだけど…」
「うん。」
「今日遅れてきたのは松阪さんと一緒にいたから…なの?」
「あ…」
「さっきうやむやになっちゃったから…別に松阪さんと一緒にいたならそれはそれで…同じ部署だし大学時代の後輩だし…でもどうして隠すの?」
「ごめん…松阪さんを家まで送っていって遅くなって…」
「送ったって…」
私が待っていたのに?
元カノだから大切なの?
…嫉妬や不安で頭が回らない
「花音?」
繋いでいた手を花音から離した。
「今日は…家に泊まりにいけない。ごめんなさい。」
「花音!?」
嫉妬でぐちゃぐちゃだよ…
初めての恋愛だから
どうすればいいのかわからないよ…
「キャッ…」
ヒールの靴で走ったため足首をひねってしまった。
「痛ッ…」
大人なのに
いや大人だからこそ
恋愛したらドロドロな感情もあるのかも――
「翔と喧嘩でもした?」
「え…?」
“フワッ――”
座っていた花音を軽々と持ち上げてくれる男性
「久しぶり花音。あれ?軽くなった?ちゃんと食べてるの?」
「海斗君…」
海斗の顔をみたら安心して涙が出そうになる
「…久しぶりに会うのにどうして顔隠すんだよ~」
「だって…」
私には海斗君の前で翔君のことで泣く資格なんてない――
「ほら、顔みせて。」
海斗に言われゆっくりと手を顔から離して、久しぶりに海斗の顔を見る。
海斗君こそ少し痩せた気がする
海斗はそのまま花音をガードレールに座らせて脱げてしまった靴を拾ってくれた。
「あ~折れちゃったね。」
「…海斗君、どうしてここに?仕事?」
「仕事もあるんだけどちょっと野暮用でね…さっき帰ってきたんだ。一時帰国だからまた帰るけどさ。そしたらあのお店に久しぶりに食べに行きたくて。」
海斗のそばには大きなトランクが置いてある。
「あッ…」
「どうした?」
「翔君に荷物預けたままだ…」
メイク道具や着替えが入ったバッグを忘れていた
「近くに翔いるの?」
「海斗君が好きだったお店から走ってきたから…」
「じゃあ俺が翔を呼んできてあげるよ。」
「それはいい…一人で帰るから。」
「わかった…じゃあここで待ってて。」
「え?うん…」
手を繋いだ二人が立ち止まったのは海斗のお気に入りのお店
「海斗のお気に入りのお店だったな。」
「うん…」
「海斗と連絡してる?」
「ううん。連絡先知らないし…」
「もうあれから三ヶ月か…」
あれから三ヶ月
ものすごく素敵な人を傷つけて三ヶ月
幸せになってと背中を押してくれた海斗君――
「翔君…」
「うん?」
「聞きたいことがあるんだけど…」
「うん。」
「今日遅れてきたのは松阪さんと一緒にいたから…なの?」
「あ…」
「さっきうやむやになっちゃったから…別に松阪さんと一緒にいたならそれはそれで…同じ部署だし大学時代の後輩だし…でもどうして隠すの?」
「ごめん…松阪さんを家まで送っていって遅くなって…」
「送ったって…」
私が待っていたのに?
元カノだから大切なの?
…嫉妬や不安で頭が回らない
「花音?」
繋いでいた手を花音から離した。
「今日は…家に泊まりにいけない。ごめんなさい。」
「花音!?」
嫉妬でぐちゃぐちゃだよ…
初めての恋愛だから
どうすればいいのかわからないよ…
「キャッ…」
ヒールの靴で走ったため足首をひねってしまった。
「痛ッ…」
大人なのに
いや大人だからこそ
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「翔と喧嘩でもした?」
「え…?」
“フワッ――”
座っていた花音を軽々と持ち上げてくれる男性
「久しぶり花音。あれ?軽くなった?ちゃんと食べてるの?」
「海斗君…」
海斗の顔をみたら安心して涙が出そうになる
「…久しぶりに会うのにどうして顔隠すんだよ~」
「だって…」
私には海斗君の前で翔君のことで泣く資格なんてない――
「ほら、顔みせて。」
海斗に言われゆっくりと手を顔から離して、久しぶりに海斗の顔を見る。
海斗君こそ少し痩せた気がする
海斗はそのまま花音をガードレールに座らせて脱げてしまった靴を拾ってくれた。
「あ~折れちゃったね。」
「…海斗君、どうしてここに?仕事?」
「仕事もあるんだけどちょっと野暮用でね…さっき帰ってきたんだ。一時帰国だからまた帰るけどさ。そしたらあのお店に久しぶりに食べに行きたくて。」
海斗のそばには大きなトランクが置いてある。
「あッ…」
「どうした?」
「翔君に荷物預けたままだ…」
メイク道具や着替えが入ったバッグを忘れていた
「近くに翔いるの?」
「海斗君が好きだったお店から走ってきたから…」
「じゃあ俺が翔を呼んできてあげるよ。」
「それはいい…一人で帰るから。」
「わかった…じゃあここで待ってて。」
「え?うん…」
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