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翔と海斗…パート2
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“ピリリリリリッ…”
「あ、すいません、ちょっと…」
「どうぞどうぞ。」
電話にでるとディスプレイには【海斗】と書かれていた。
「もしもし…」
「あ、翔?今前行った会社の近くの居酒屋にいるんだけど来れない?話したいことがあるんだ。」
「…わかった。俺も話たいことがあるから。」
今度こそ
もう手遅れかもしれないけど
花音にちゃんと自分の気持ちを伝えるんだ――
「お、こっちこっち!」
「遅くなってごめん…」
「ビールでいい?」
「あぁ…」
「おばちゃん生ひとつお願い!」
「海斗俺さ…」
「翔、俺から言ってもいい?」
「あ…うん。」
「はい、生どうぞ。」
「サンキュー…」
「俺、海外に行くんだ。」
「え…?」
「海外に事業を広げるんだ。」
「花音は…?」
「花音も連れて行く。もちろんだよ。」
「…連れて行くなよ。」
「え?」
「花音は連れて行くなよ!」
運ばれてきたまだ口をつけていないビールが少しテーブルにこぼれた。
「…何で振ったか知らないけど、自分の気持ちには気づいているんだろ?」
「海斗…」
「ちゃんと自分の気持ちを花音に伝えないと後悔するよ?」
「もう遅いかもしれないけど、今度こそは自分の正直な気持ちを伝えようと思う。」
「そうじゃなくちゃ…」
海斗は翔がこぼしたビールを布巾でふく。
「あ、ごめん。つい…」
「これぐらい別にいいよ。それにさ、俺はお前がちゃんと花音と向き合ってくれて嬉しいよ。」
「え…?」
「みんながさ…本気でぶつからないと絶対後悔するからさ。」
「今週の花音の誕生日、俺はかけてみるよ。」
「わかった。」
「俺のところに来るか、翔のところにくるか…花音次第だけど、もし、お前のところに行ったら…」
「その時は幸せにしてあげてほしい。」
「…それは俺も同じだよ。」
「ハハ、普通ライバルってもっとバチバチしない!?」
「…お前がもっと嫌な奴だったらよかったよ。そしたら無理やりでも奪っていくのに。」
「それは俺も…乾杯しよ。これが最後の乾杯。泣いても笑ってもお互い後悔しない人生を送れよ!」
「海斗も海外でもがんばれよ。」
「「乾杯!!」」
花音がどっちを選んでも後悔しない――
この男なら大丈夫
きっと花音をずっと笑顔に
大事にしてくれるから…
そういう相手がライバルで本当によかった
「あ、すいません、ちょっと…」
「どうぞどうぞ。」
電話にでるとディスプレイには【海斗】と書かれていた。
「もしもし…」
「あ、翔?今前行った会社の近くの居酒屋にいるんだけど来れない?話したいことがあるんだ。」
「…わかった。俺も話たいことがあるから。」
今度こそ
もう手遅れかもしれないけど
花音にちゃんと自分の気持ちを伝えるんだ――
「お、こっちこっち!」
「遅くなってごめん…」
「ビールでいい?」
「あぁ…」
「おばちゃん生ひとつお願い!」
「海斗俺さ…」
「翔、俺から言ってもいい?」
「あ…うん。」
「はい、生どうぞ。」
「サンキュー…」
「俺、海外に行くんだ。」
「え…?」
「海外に事業を広げるんだ。」
「花音は…?」
「花音も連れて行く。もちろんだよ。」
「…連れて行くなよ。」
「え?」
「花音は連れて行くなよ!」
運ばれてきたまだ口をつけていないビールが少しテーブルにこぼれた。
「…何で振ったか知らないけど、自分の気持ちには気づいているんだろ?」
「海斗…」
「ちゃんと自分の気持ちを花音に伝えないと後悔するよ?」
「もう遅いかもしれないけど、今度こそは自分の正直な気持ちを伝えようと思う。」
「そうじゃなくちゃ…」
海斗は翔がこぼしたビールを布巾でふく。
「あ、ごめん。つい…」
「これぐらい別にいいよ。それにさ、俺はお前がちゃんと花音と向き合ってくれて嬉しいよ。」
「え…?」
「みんながさ…本気でぶつからないと絶対後悔するからさ。」
「今週の花音の誕生日、俺はかけてみるよ。」
「わかった。」
「俺のところに来るか、翔のところにくるか…花音次第だけど、もし、お前のところに行ったら…」
「その時は幸せにしてあげてほしい。」
「…それは俺も同じだよ。」
「ハハ、普通ライバルってもっとバチバチしない!?」
「…お前がもっと嫌な奴だったらよかったよ。そしたら無理やりでも奪っていくのに。」
「それは俺も…乾杯しよ。これが最後の乾杯。泣いても笑ってもお互い後悔しない人生を送れよ!」
「海斗も海外でもがんばれよ。」
「「乾杯!!」」
花音がどっちを選んでも後悔しない――
この男なら大丈夫
きっと花音をずっと笑顔に
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