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デート⑤
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「会社の先輩なんです」と言ってもおかしいし
「友達なんです」というのも変だ。
だけど、このまま何も知らない人に、愛梨さんが不倫する女というふうに見られるのも、どこか悲しい……
「本田君、これなんてどうかな?」
「ピンク?」
「薄いピンクだからスーツに合うかなって。本田君若いし、ピンクも似合うよ」
悪気がないのは分かっているけど
愛莉さんに若いと言われると何だか傷つく。
愛莉さんの旦那さんと比べたら頼りない男だろう。
「ね?似合っているよ」
若いって言われるのは尺に触るけど
愛莉さんに似合うと言われると
やっぱり嬉しくて……
「愛莉さんがそこまで言うなら」
なんて可愛げない言葉を言って
このシャツに決めた。
あ~あ…買い物終わっちゃった。
目的が終わったら、やっぱり帰っちゃうのかな。
いや、ここは弱気にならずにいこう!
「あのさ」
「あのね」
同時に話して驚いたけどちょっと嬉しかった。
考えていることが同じ感じがして……
「時間があるなら……ご飯食べない?」
「じゃあ……俺が知っているお店でもいい?」
「うん!」
なんかデートっぽくない?
待ち合わせ11時にしておいてよかった~
シャツ選んだらご飯の流れになるかなって思っていたから。
だから、お店も実はリサーチしておいたところだから大丈夫だ。
「ここ?」
「あ~うん……ここなんだけど」
昼時ってことを忘れてた!
しかも人気店だから人もそれなりに多いし!
ここら辺の近くは定食系しかなくて
このお店ぐらいなんだよな~オシャレなお店って。
「すごい!人気なお店なんだね!本田君こういうお店たくさん知っていそう」
「でも、このお店だいぶ待つかも……」
「このお店で大丈夫。最近色んなことがあったから……この日当たりと風が気持ちがいい」
普通なら日焼けしたくないとか
待ちたくないとか言うだろうに……
これが大人の女性の余裕なのだろうか
それとも愛莉さんの性格なのだろうか。
「本田君、これよかったら……」
渡された袋には
さっきワイシャツを買ったお店の名前が書いてあった。
中にはネクタイが入っていた、いつの間に……
「あのシャツに似合うかなって。これはこの間のお礼。今日は車も出してくれたし」
「ありがとう……」
「今度そのシャツとネクタイつけて会社に来てね、見てみたいから、わっ!」
急に強い風が吹いて、愛莉さんの長い髪の毛がなびいた。
綺麗なうなじを見ていたら……
「痛っ!」
「え!?」
「髪の毛が絡んじゃって……」
着ていた服のボタンに髪の毛が絡まって
愛莉さんが引き寄せられるように
自分の胸元に近づいてくる。
「ごめん、とるから待ってて」
色々と触っているようだけど
なかなか取れず
「貸して!俺がやるから!」
こんな近くに寄られたら
またドキドキが止まらなくなるし
あのホテルでの出来事を思い出してしまう。
しかも風が強いから髪の毛から愛莉さんのいい香りがしてくるから
余計にもやもやする。
「お店ではさみ貸してもらって切ろうか?」
「え!?だめだめ、もう少しでとれそうだから……」
気持ちの焦りもあって
なかなか髪の毛がとれなかったけど
やっと髪の毛がボタンからとれた時
上目づかいで
「ありがとう、崇君!」
今のこのシチュエーションで
下の名前を呼んじゃうの!?
心臓が破裂しそうになった瞬間
今度は心臓が止まりそうになった。
「愛莉?」
「友達なんです」というのも変だ。
だけど、このまま何も知らない人に、愛梨さんが不倫する女というふうに見られるのも、どこか悲しい……
「本田君、これなんてどうかな?」
「ピンク?」
「薄いピンクだからスーツに合うかなって。本田君若いし、ピンクも似合うよ」
悪気がないのは分かっているけど
愛莉さんに若いと言われると何だか傷つく。
愛莉さんの旦那さんと比べたら頼りない男だろう。
「ね?似合っているよ」
若いって言われるのは尺に触るけど
愛莉さんに似合うと言われると
やっぱり嬉しくて……
「愛莉さんがそこまで言うなら」
なんて可愛げない言葉を言って
このシャツに決めた。
あ~あ…買い物終わっちゃった。
目的が終わったら、やっぱり帰っちゃうのかな。
いや、ここは弱気にならずにいこう!
「あのさ」
「あのね」
同時に話して驚いたけどちょっと嬉しかった。
考えていることが同じ感じがして……
「時間があるなら……ご飯食べない?」
「じゃあ……俺が知っているお店でもいい?」
「うん!」
なんかデートっぽくない?
待ち合わせ11時にしておいてよかった~
シャツ選んだらご飯の流れになるかなって思っていたから。
だから、お店も実はリサーチしておいたところだから大丈夫だ。
「ここ?」
「あ~うん……ここなんだけど」
昼時ってことを忘れてた!
しかも人気店だから人もそれなりに多いし!
ここら辺の近くは定食系しかなくて
このお店ぐらいなんだよな~オシャレなお店って。
「すごい!人気なお店なんだね!本田君こういうお店たくさん知っていそう」
「でも、このお店だいぶ待つかも……」
「このお店で大丈夫。最近色んなことがあったから……この日当たりと風が気持ちがいい」
普通なら日焼けしたくないとか
待ちたくないとか言うだろうに……
これが大人の女性の余裕なのだろうか
それとも愛莉さんの性格なのだろうか。
「本田君、これよかったら……」
渡された袋には
さっきワイシャツを買ったお店の名前が書いてあった。
中にはネクタイが入っていた、いつの間に……
「あのシャツに似合うかなって。これはこの間のお礼。今日は車も出してくれたし」
「ありがとう……」
「今度そのシャツとネクタイつけて会社に来てね、見てみたいから、わっ!」
急に強い風が吹いて、愛莉さんの長い髪の毛がなびいた。
綺麗なうなじを見ていたら……
「痛っ!」
「え!?」
「髪の毛が絡んじゃって……」
着ていた服のボタンに髪の毛が絡まって
愛莉さんが引き寄せられるように
自分の胸元に近づいてくる。
「ごめん、とるから待ってて」
色々と触っているようだけど
なかなか取れず
「貸して!俺がやるから!」
こんな近くに寄られたら
またドキドキが止まらなくなるし
あのホテルでの出来事を思い出してしまう。
しかも風が強いから髪の毛から愛莉さんのいい香りがしてくるから
余計にもやもやする。
「お店ではさみ貸してもらって切ろうか?」
「え!?だめだめ、もう少しでとれそうだから……」
気持ちの焦りもあって
なかなか髪の毛がとれなかったけど
やっと髪の毛がボタンからとれた時
上目づかいで
「ありがとう、崇君!」
今のこのシチュエーションで
下の名前を呼んじゃうの!?
心臓が破裂しそうになった瞬間
今度は心臓が止まりそうになった。
「愛莉?」
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