妻×恋

かのん

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愛されたい④

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メイクを落として、シャワーを浴びて……
ベッドに横たわると、いつも隣にいた雅人がいない。
セックスできなくても
温もりはいつも感じることができた。
だけど今は、それさえ感じることができない。


ひとつ屋根の下にいるのに
別々の場所で寝る私たち……


この突き付けられた状況に
涙が止まらない。


私たちはもう戻ることはできないんだ。


「うぅ……うっ………痛っ」


涙を拭おうとした時
左手の結婚指輪が目に当たって痛みが走った。



結婚する時
この指輪を……
大好きな雅人とお揃いの指輪をすることが
嬉しくてたまらなかった。


指輪なんてただの物じゃんという人もいるけど
その意味が今なら分かる。


思いがなかったら
指輪はただの指輪。
好きって気持ちがあるから
ただの指輪が結婚指輪になるんだ。


この人とずっと一緒にいたい。
お互いに思いが同じだっていう証なのに……


指輪を外したら
少しは気持ちが晴れるかと思って指輪を外してみた。


「何で……っ」


指輪を外したって気持ちは全く晴れなかった。
だって、指輪の跡が……
5年間一緒に過ごしたという証が残っていた。


「はぁっ……」


まだ気持ちを簡単に切り替えることは
私にはできない
付き合って12年、結婚して5年
一緒には暮らしてくれる。
私がこれ以上望まなければ
この指輪をつけたまま死ぬのだろう。



ただただ愛されたい。


付き合っていた時は
愛を感じてた。


だけど今は感じない。


虚しい。
寂しい。


もう、どうすればいいのかわからない。

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