妻×恋

かのん

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愛されたい②

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「どっちから告白したの?」


「雅人から……あまり話したことなかったのに突然言われて驚いて……」


「へ~それからずっと付き合って結婚したの?」


「ううん……一度別れているんだ。大学3年の時に」


「どうして別れちゃったの…?」


「分かんない。あの時は級の雅人から別れを切り出されて……」


「あの時は相当飲んで荒れていたな、愛莉は」


「そうだったね……だけど、あの別れのおかげで今の会社に就職できたんだ」


「え?どういうこと?」


「私の魅力がなかったから別れを切り出されたのかもしれない。だから下着の勉強をしたいっていって……」


「なるほどね~で、就職してから再会したんだ」


「会社の近くで偶然……ご飯食べたりして、そこから付き合って、結婚って感じ」


「再会してから聞かなかったの?何で別れたのって」


「怖くて聞き出せなかった。こういうところがダメなところだよね、私の」


「愛莉が自分で悪いところだと思ったら悪いところだけど、良いところだと思えば良いところに変わるよ」


「幸……ありがとう、そう言ってくれて」


「愛莉の結婚式行ければ、旦那さんの顔拝めたのにな~」


「出産と重なったもんね」


「イケメンなんだろうな、きっと」


イケメン……と言われればイケメンだと思う
サラサラの髪の毛は清潔感があって
身長も高い。
サッカーをやっていたというのもあって
細身だけど筋肉がほどよくついていている。
細長の瞳は、意志が強くて男らしくもある。


「あ~否定しないし~惚気だな~」


「惚気だなんて……」


「で、結婚生活はどうなの…?」


「……」


「言いたくないなら無理して言わなくていいんだよ」


「幸……」


「ん?」



「私ね、結婚して5年目なんだけどね……セックスレス歴5年なの」


「……え?ちょっと待って……5年って……それって…」


「あはは、おかしいよね。結婚してから1度もないの」


「何で……相談してくれなかったの……相談しにくかったと思うけどさ」


「ごめん……」


「愛莉、ごめん……責めたいわけじゃないの。ただ……辛かっただろうなって思うと……力になってあげれなくてごめん」


「そんなことないよ。会社で幸と仕事したら楽しい気持ちになって、暗い顔せずに家に帰ることができたし」


「愛莉……でも、なんで……付き合っている頃から淡泊だったの?って亮二君の前でこんな話していいの?」


「亮二には……全部話してて……」


「愛莉は俺のこと兄貴みたいに思っているだけなんで。俺のことは気にせず話し続けてください」


「付き合っている頃は普通だったと思う」


「じゃあ……EDとか?」


「それは……ないと思う。ごみ箱にひとりでしていたのがあったりするから……身体の問題じゃなくて、心の問題だと思う」


「心……?」


「家族になってしまったんだと思う。私に触れもしないから……」


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