9 / 13
9.喜びは共有した方が楽しい
しおりを挟む
あまりにも夜間飛行が楽しくて延長を申し出たらしっぽを大きく振ってOKをくれるスター。こいつドラゴンで優しい上に可愛いとか本当にキュン。
「ところで何で今まで話さなかったの」
風強い中で声量はいつもと変わらないボリュームで話すけどスターは聞き逃さない。ドラゴンは耳がいいのかも。
「……最初に僕を見た時びっくりしてたから」
そりゃ初見は誰だって驚くよな。でも驚いたってのは怖いわけじゃない。
「空想上の生物が目の前で飛んでるわ、あんぐり。の驚きだよそれは」
「怖くない?」
「うん」
今更何を。
じゃなきゃ撫でたりしないのに。
たまにしか近づいてこなかったり、近づく時も暴風を起こさなかったり、たまに来てもしつこくしなかったりしたのはそのせいなのだろうか。
夜でも鱗の白さはよくわかる。広い背中をペシペシと叩くとグルルと喉を鳴らした。
「本当にドラゴン?かわいい性格してるよなぁ」
「……ツバサは人間にしては適当だよね。さっきだってこんな寒い日にあそこで寝ようとしてるし、風邪ひいちゃうじゃないか」
褒めたのにまさかの不貞腐れたような注意のような口振り。ドラゴンにまでそんなことを言われるとは、オレってどんだけ頼りなく見えるんだろう。
「そういえばオレの名前知ってるのな」
「呼んでるのを聞いた……特にアイツが……」
アイツと聞いて思い浮かんだのはレイガしかいなかった。オレの周りで一番登場回数が多いからだ。
「レイガの事?」
まさかのここで無視。
だけど代わりに喉がまたグルルとなった。何だろう、この返事もしたくないほどレイガの話題に触れるなと言うこの感じ。そういえばレイガといる時は特にスターに見られていた気がした。
嫌ってる?
とは言ってもレイガはこいつのこと見えないし。でもこんなに可愛いやつをどうせなら紹介したいものだ。
「レイガもスターの事見えたら良いのに」
小さくつぶやいた。返事も期待してないし、そもそも見える事も期待してない。ドラゴンはオレにしか見えな……。
「……見えるよ」
「え?」
心底嫌そうな顔で、って言っても目が細められた程度だけど。何よりも不満そうな口調で、それでもオレが言うから答えているみたい。いや、どんだけ嫌いなのレイガの事。
「そもそも、アイツは僕の事見えてるから」
「なんだ見えてんの?じゃあ呼ぼう、今」
「え?」
「え?」
2人で聞き合って沈黙。
風の音だけが耳を騒がしくしている。オレは首をかしげた。
「だめ?」
「微塵も会いたくな……じゃなくて!」
いきなりぐいっと振り向くから身体ごとこてんと倒れたオレにスターがあ、ごめんと焦ったように謝る。相変わらず優しいなこいつ。
てか微塵も会いたくないって言ってなかったか今。そりゃまたレイガのやつ豪快な嫌われっぷりで。
そうじゃなくてとまた驚くドラゴン。
「見えてるって信じるの?!」
「え、見えてないの?」
「み、見えてるけど……」
「じゃあ、やっぱり呼ぼう」
「あ、会いたくない……」
また沈黙。
何だこの会話。まとめよう。
「まずスターの言う事は信じる。そんで、オレはオマエのことをレイガに紹介したい。だってオマエ可愛いし、良いやつだし、今も最高の気分で背中の上は気持ちいーからそれ自慢したい。でもスターはレイガに会いたくないと……じゃあ、やめよう」
「え、本当にいいの?!」
だからさっきから何で全部疑うんだスターよ。
こくんと頷くと信じられないと言う目で見てきた。大丈夫か?スターを初めて見たオレより驚いてるけど。
「……てっきり、レイガの方を信じるかと」
「んー?でもオレも見える事隠してたし、見えるって言われたらそうなのかーって感じ」
「……君って本当」
本当、何?と聞こうと思ったら突然高度が落ちてきた。風が強くなって首に掴まっていると、どうやらビルに向かっているらしい。この辺でも特に高そうなビルの屋上は四隅のライトだけが光っていた。
スピードを緩やかに落としてビルの屋上に降り立った。羽をぶわりと広げてから畳む姿は何度見ても見惚れちゃう。
屋上には何もなくて人の出入りも少なそうだ。少しくらい居ても平気だろう。オレはドラゴンの足元までいき、スターを見上げる。目が確かに星みたいに輝いていて名は体を表すとはまさしくこれだろう。
「こんなとこ来てどしたの」
「君が会いたいって言うから、僕はちっとも会いたくないけど叶えてあげるよ」
ちっとも会いたくないのに叶えてくれるの。
ドラゴンってこんなに人間らしい感情持ってるんだなぁ。可愛さと優しさで嬉しくなって思わず笑ってしまう。
「ありがと」
「……どういたしまして」
とは言ってもレイガとここが全く結びつかない。アイツの家がここから見えるかもしれないくらいだ。
「あ、電話する?」
「でんわ?ああ、耳に当てて遠くの人間と話すやつか。ううん、使わない」
「電話は知らないのな」
使わないものは頭に入らないなんてまた人間らしい答えをくれるスター。でもじゃあどうやって呼ぶんだろう。スターとばっちり目があった。
「ツバサ、僕の羽の中に入って。それで耳を塞いで、しっかりね」
「え、あ、はい」
大きな羽はすっぽりどころかひと部屋分の余裕はある。それでも羽の下に入ってしまうと覆われてる感。ちょっとあったかい。
「入ったよ」
「ちゃんとね。耳塞げてない、それじゃあ隙間がある」
羽と身体の間に挟まるオレを心配そうに覗くスター。本当に甲斐甲斐しいドラゴンだ。
そんなことをぼんやり考えているうちにスターのお腹が膨れ上がった。息をあり得ないほど吸い込んで限界まで行くと今まで聞いたことのない鳴き声が夜空に響いた。
耳を手で覆ってても全部何もかも聞こえるくらいの鳴き声はまさしくドラゴンの太くて低くてカッコいい声。普通に話してる時は可愛さすら感じる高めの声なのにこのギャップよ。
一回だけだったその声はすごく長く感じた。きっとこんなにすごいのに他の人には聞こえないのだろう。オレ特等席で聞いてしまった。ちょっと嬉しい。
「すごー……」
ちんけな感想しか出ないけど、感動してるので許して欲しい。羽が持ち上がって少し隙間が開くとスターが覗き込んでいるので鼻のあたりにダイブした。
「今日マジでさいこう……」
「良かった」
スターまで嬉しそうにクスリと笑っている。表情はそんなに変わらないけど声がそんな感じだ。すると突然青い目が輝き始めた。宝石よりも眩しい光、その視線の先をオレも振り返る。
屋上の縁に誰か立っている。
そんなところ危ないのに、片足に重心を乗せて平然と。
「随分、仲良くなったんだな」
その声を知っていた。
スターと同じ青い目を持つ、オレの幼馴染だ。
「ところで何で今まで話さなかったの」
風強い中で声量はいつもと変わらないボリュームで話すけどスターは聞き逃さない。ドラゴンは耳がいいのかも。
「……最初に僕を見た時びっくりしてたから」
そりゃ初見は誰だって驚くよな。でも驚いたってのは怖いわけじゃない。
「空想上の生物が目の前で飛んでるわ、あんぐり。の驚きだよそれは」
「怖くない?」
「うん」
今更何を。
じゃなきゃ撫でたりしないのに。
たまにしか近づいてこなかったり、近づく時も暴風を起こさなかったり、たまに来てもしつこくしなかったりしたのはそのせいなのだろうか。
夜でも鱗の白さはよくわかる。広い背中をペシペシと叩くとグルルと喉を鳴らした。
「本当にドラゴン?かわいい性格してるよなぁ」
「……ツバサは人間にしては適当だよね。さっきだってこんな寒い日にあそこで寝ようとしてるし、風邪ひいちゃうじゃないか」
褒めたのにまさかの不貞腐れたような注意のような口振り。ドラゴンにまでそんなことを言われるとは、オレってどんだけ頼りなく見えるんだろう。
「そういえばオレの名前知ってるのな」
「呼んでるのを聞いた……特にアイツが……」
アイツと聞いて思い浮かんだのはレイガしかいなかった。オレの周りで一番登場回数が多いからだ。
「レイガの事?」
まさかのここで無視。
だけど代わりに喉がまたグルルとなった。何だろう、この返事もしたくないほどレイガの話題に触れるなと言うこの感じ。そういえばレイガといる時は特にスターに見られていた気がした。
嫌ってる?
とは言ってもレイガはこいつのこと見えないし。でもこんなに可愛いやつをどうせなら紹介したいものだ。
「レイガもスターの事見えたら良いのに」
小さくつぶやいた。返事も期待してないし、そもそも見える事も期待してない。ドラゴンはオレにしか見えな……。
「……見えるよ」
「え?」
心底嫌そうな顔で、って言っても目が細められた程度だけど。何よりも不満そうな口調で、それでもオレが言うから答えているみたい。いや、どんだけ嫌いなのレイガの事。
「そもそも、アイツは僕の事見えてるから」
「なんだ見えてんの?じゃあ呼ぼう、今」
「え?」
「え?」
2人で聞き合って沈黙。
風の音だけが耳を騒がしくしている。オレは首をかしげた。
「だめ?」
「微塵も会いたくな……じゃなくて!」
いきなりぐいっと振り向くから身体ごとこてんと倒れたオレにスターがあ、ごめんと焦ったように謝る。相変わらず優しいなこいつ。
てか微塵も会いたくないって言ってなかったか今。そりゃまたレイガのやつ豪快な嫌われっぷりで。
そうじゃなくてとまた驚くドラゴン。
「見えてるって信じるの?!」
「え、見えてないの?」
「み、見えてるけど……」
「じゃあ、やっぱり呼ぼう」
「あ、会いたくない……」
また沈黙。
何だこの会話。まとめよう。
「まずスターの言う事は信じる。そんで、オレはオマエのことをレイガに紹介したい。だってオマエ可愛いし、良いやつだし、今も最高の気分で背中の上は気持ちいーからそれ自慢したい。でもスターはレイガに会いたくないと……じゃあ、やめよう」
「え、本当にいいの?!」
だからさっきから何で全部疑うんだスターよ。
こくんと頷くと信じられないと言う目で見てきた。大丈夫か?スターを初めて見たオレより驚いてるけど。
「……てっきり、レイガの方を信じるかと」
「んー?でもオレも見える事隠してたし、見えるって言われたらそうなのかーって感じ」
「……君って本当」
本当、何?と聞こうと思ったら突然高度が落ちてきた。風が強くなって首に掴まっていると、どうやらビルに向かっているらしい。この辺でも特に高そうなビルの屋上は四隅のライトだけが光っていた。
スピードを緩やかに落としてビルの屋上に降り立った。羽をぶわりと広げてから畳む姿は何度見ても見惚れちゃう。
屋上には何もなくて人の出入りも少なそうだ。少しくらい居ても平気だろう。オレはドラゴンの足元までいき、スターを見上げる。目が確かに星みたいに輝いていて名は体を表すとはまさしくこれだろう。
「こんなとこ来てどしたの」
「君が会いたいって言うから、僕はちっとも会いたくないけど叶えてあげるよ」
ちっとも会いたくないのに叶えてくれるの。
ドラゴンってこんなに人間らしい感情持ってるんだなぁ。可愛さと優しさで嬉しくなって思わず笑ってしまう。
「ありがと」
「……どういたしまして」
とは言ってもレイガとここが全く結びつかない。アイツの家がここから見えるかもしれないくらいだ。
「あ、電話する?」
「でんわ?ああ、耳に当てて遠くの人間と話すやつか。ううん、使わない」
「電話は知らないのな」
使わないものは頭に入らないなんてまた人間らしい答えをくれるスター。でもじゃあどうやって呼ぶんだろう。スターとばっちり目があった。
「ツバサ、僕の羽の中に入って。それで耳を塞いで、しっかりね」
「え、あ、はい」
大きな羽はすっぽりどころかひと部屋分の余裕はある。それでも羽の下に入ってしまうと覆われてる感。ちょっとあったかい。
「入ったよ」
「ちゃんとね。耳塞げてない、それじゃあ隙間がある」
羽と身体の間に挟まるオレを心配そうに覗くスター。本当に甲斐甲斐しいドラゴンだ。
そんなことをぼんやり考えているうちにスターのお腹が膨れ上がった。息をあり得ないほど吸い込んで限界まで行くと今まで聞いたことのない鳴き声が夜空に響いた。
耳を手で覆ってても全部何もかも聞こえるくらいの鳴き声はまさしくドラゴンの太くて低くてカッコいい声。普通に話してる時は可愛さすら感じる高めの声なのにこのギャップよ。
一回だけだったその声はすごく長く感じた。きっとこんなにすごいのに他の人には聞こえないのだろう。オレ特等席で聞いてしまった。ちょっと嬉しい。
「すごー……」
ちんけな感想しか出ないけど、感動してるので許して欲しい。羽が持ち上がって少し隙間が開くとスターが覗き込んでいるので鼻のあたりにダイブした。
「今日マジでさいこう……」
「良かった」
スターまで嬉しそうにクスリと笑っている。表情はそんなに変わらないけど声がそんな感じだ。すると突然青い目が輝き始めた。宝石よりも眩しい光、その視線の先をオレも振り返る。
屋上の縁に誰か立っている。
そんなところ危ないのに、片足に重心を乗せて平然と。
「随分、仲良くなったんだな」
その声を知っていた。
スターと同じ青い目を持つ、オレの幼馴染だ。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

愛人をつくればと夫に言われたので。
まめまめ
恋愛
"氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。
初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。
仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。
傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。
「君も愛人をつくればいい。」
…ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!
あなたのことなんてちっとも愛しておりません!
横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。
※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…

どうやら貴方の隣は私の場所でなくなってしまったようなので、夜逃げします
皇 翼
恋愛
侯爵令嬢という何でも買ってもらえてどんな教育でも施してもらえる恵まれた立場、王太子という立場に恥じない、童話の王子様のように顔の整った婚約者。そして自分自身は最高の教育を施され、侯爵令嬢としてどこに出されても恥ずかしくない教養を身につけていて、顔が綺麗な両親に似たのだろう容姿は綺麗な方だと思う。
完璧……そう、完璧だと思っていた。自身の婚約者が、中庭で公爵令嬢とキスをしているのを見てしまうまでは――。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる