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care!!
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しおりを挟むひざ掛けにくるまってたけど寒さで思わずくしゃみ連発。
「へっくちん!!」
「あーあー風邪引くなよ」
秋が風よけとばかりにおれの横にくっつくとそれだけであったかい。流石に屋上の季節は終わりなのかもしれない。
桃花が立ち上がり自分に着けていたマフラーをおれの首に巻いた。めちゃくちゃ良い匂いするけど香水じゃない桃花の匂いだ。
「休み時間終わるし一旦戻りますか……氷怜さん達は帰られますか?」
「ああ」
「うえ?」
帰るの?と首を傾げたおれ達に大きな手が乗せられた。
「今日はちょっと用があるからな」
忙しいのか、今日もしかしておれたちが集まるから来てくれてのかも知れない。
「ていうか……先輩たちほとんど来てないですよね。なんでそれで進級いけるんですか……しかもテストもほぼ一位だし」
赤羽さんも氷怜先輩も暮刃先輩も瑠衣先輩までも必ずトップ5に名を連ねている。
優がお弁当を片しながら不審な目で暮刃先輩を見上げる。暮刃先輩がその視線に笑顔を崩すことは無く、冷たくなった優の頰を撫でる。
「内緒」
「うわでた、内緒」
「優たん眉間にシワ!ま~ちゃんと賢いのは確かダヨ。アッキーより」
「いやいや、俺引き合いに出されても……」
優の険しい表情に笑ったブイっとピースの瑠衣先輩がそう言う嘘をついたことはない。いや、そうなんでしょうけども。
「頭使わないとこの世界やっていけないですからね」
さらりと答えた赤羽さんの説得力はさすがだが、どの世界のどんな事に使っているのかは怖くて聞けない。
秋がテストかーと呟いたが、テストと聞いて、そんなものがあったなと思い出す。まってテスト……?冬休み前のテスト?
「式、テスト…………っていつだっけ?」
「何言ってんだよ来週の月曜からだろ」
すっかり、うっかり、すっぽり忘れていた。いや授業は聞いていたし、それなりだとは思う。でも暗記とか数学なんてものはまた話が別だ。ただ、おれはまだ良い、なぜなら腕のおかげで今バイトが休みだから。
暮刃先輩がおれの考えに気付いたのか、首を傾げた。
「君たちもテスト前までバイト入れてるんだから余裕なんでしょ?」
「そうですよ唯斗さん達こんな感じですけど学年で必ず10位以内に入ってるじゃないですか」
「え、まじかお前ら」
「唯斗さん……」
赤羽さんなぜおれたちの順位知ってるんですか。張り出される順位は3年の先輩達だけなのに。しかもこんな感じって何ですか。
式は驚きすぎだし桃花のその勉強出来たんだ……的な顔は何ですか?
ただその順位はおれたち3人でちゃんと準備してこなしてきた勉強のおかげだ。
予想通り、秋と優が固まった。
「……あれ、俺ら」
「…………秋、次のバイト何連勤だっけ」
「5連勤……」
今週末の土日はもちろん2人はバイトだ。本来ならばおれもその予定だったから。そして今日は月曜日。
秋が呟く。
「今日と明日しか、勉強する日なくね……?」
「お前ら……あほだろ」
式の呆れ顔はあと何度見るのだろう。
2人が呆然と立ち尽くすその姿は背中に木枯らしが吹いていたが、先輩達は肩を震わせて笑っている。
あまりにも茫然としているので2人に声をかけた。
「ユイノセイ……?」
「今日だけはそう言う事にさせて……」
頭を抱えた2人がちょっと可哀想だったので、今日はそう言う事にしておいてあげよう。
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