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Peace!
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しおりを挟む「お待たせ~」
公園の入り口で秋がブンブン手を振っているので同じように返した。優も顔の横で手を振って式は何故か険しい顔で、その視線は桃花のまっくろな犬耳に向いていた。
「なんだそれ……桃花お前まで犬になったのか」
「え?」
「ほらーやっぱり!式は嫌がると思ったからデートのお土産お菓子です残念でした!」
桃花はもはや犬耳を忘れていたらしく、言われて恥ずかしそうに外していた。もちろんちゃんと写メに収めたから大丈夫だ。
わんこの絵が描かれたお菓子を受け取ると式は神妙な顔をした。
「だって絶対写真撮るだろお前ら……」
さすが式、おれの行動は読みきっている。お菓子はあとで食うわと鞄にしまっていた。
「それにしても、デートねぇ」
「なあに?」
「どうせあの人たちかき回してきたんだろ」
「え、ひど!式ひどい!」
おれがショックを受けたのにも関わらず秋も優も味方になってくれなかった。
「いつも以上に酷かったよ」
「うんうん」
「俺からしたらみんなですけど……」
桃花まで参戦なんてひどい。
思わずテーブルに両手をついて抗議をする。
「酔っ払ったのはごめんなさいだけどさ!あれは不可抗力!」
「いやそれよりも……」
「え、違うの?」
秋と優の冷たい視線ったらない。
反抗期だ、ママは悲しいよ。
式はもう聞くのもめんどくさいのか、行くぞとベンチから離れていく。
あとを追って車じゃないんだねと言えば、あんなにひょいひょい先輩達の車のってんのお前らくらいだと式に遠い目をされた。
まってなにそれ初耳。おれもっと歩こう。
今日はちょっとあったかくて、学校終わりにしてはまだ明るかった。そろそろ12月に入る。
式がマフラーに顔を埋めて目だけを動かした。
「にしてもお前らがゆっくりしてんの珍しいな。学校終わったら速攻バイトで消えるし、クラスの奴ら寂しがっててちょっとひいたわ」
「式さらっとひどいこと言ったよ。あとそう言うのは唯のせいだから」
優がすぐに突っ込みを入れ、しかも当たり前のようにおれのせいですよ。ぶすくれたおれの頰をケラケラ笑いながら秋がつついた。
「クラスでもみなさんそんな感じなんですね」
くすくすと笑う桃花は違う学校なのでおれたちの学校生活を知らないので、新鮮なのかも。
バイトをはじめてからというもの確かにクラスの人と遊ぶ時間格段に減ったんだよなぁ。この休みが決まっているうちに誘おう。だって、どうしたって春さんのいるあそこも好きなのだ。
秋が頭の後ろに手を置いて楽しそうに話す。
「あそこで働くの好きなんだよなぁ」
「そうなんだよ、バイトが楽しすぎる……」
「……お前らが言うと真面目なのにバカに聞こえんだよな」
式が呆れ顔で言う式に桃花は困った顔でフォローしてくれた。
「それが唯斗さん達の良いところですよ」
それ、フォロー?
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