100 / 379
date!!!
9
しおりを挟む
夜は深くなって料理も進めば先輩達のハッピードリンクも進んでいく。表情も言動も変わらず淡々と飲み続ける先輩達、おそらくかなりのザルなのではないか。
テーブルのドリンクの種類がものすごいことになって、何がなんの飲み物か分からずオレンジジュースっぽいものを選んだ。まあ、不味ければお酒が入っているのですぐわかるはず。うん美味しい。
秋も優もこれはなんだという顔をしながら飲んでいるが、たまに間違えてハッピードリンクを選んでいるらしく先輩たちに取り替えられている。よく見た目だけで分かるな。
そんな中で話題は昔の話に移って、秋が思い出したように氷怜先輩に聞き始める。
「氷怜先輩に話ましたっけ、出会った頃唯今より女の子みたいだったの」
「ん?今でもわりと……」
ちょうどオレンジを飲みきって、コーラにドリンクを切り替えた時に氷怜先輩の目線がこちらにきた。
確かに未だに間違われる事多いけど、先輩達からしてみれば秋も優も可愛いものではないだろうか。
暮刃先輩も瑠衣先輩もそれぞれなんとも言えない笑顔で同意した。
すると足を組み直した暮刃先輩が思い出したように笑い出した。
「ねぇ、唯はどうして頭にボンボンつけてたの?」
「ボンボン?」
「何ボンボンって」
瑠衣先輩もなんの話だと目をおれに向けるも、おれもわからず首を傾げれば優が転校してきた日のことを話したと教えてくれた。
「ああ!2人がおれのこと女の子だと思ってた時!」
思い返すと今でも笑えちゃう。あの時の2人まだツッコミとか入れてきたりなんかしないから、目が飛び出そうなほど驚いて固まってるんだもん。
でもなんでボンボンを付けてたか思い返せばそんな深い意味などなかった。
「女の子の練習台になったんですよね確か。それでせっかく結んでもらったからって言ってその日は一日付けてた気がする……スカート履いてたらふたり三ヶ月くらい騙せたかなぁ。惜しいことしたぜ」
「いや流石に気づくわ」
秋の鋭いツッコミが入りました。
その横で自分の昔も思い出したのか、瑠衣先輩が中学とかあんま記憶ないなーと呟くと割と質問が大好きな優が話し出す。
「先輩達チーム作ったの一年の時ですよね?」
「ソウネー、でも作る気無かったよねーひさとは」
「ああ、もともと人脈作るのに色々やってただけだしな」
「人脈?」
優の質問に答えた氷怜先輩におれも秋も優も首を傾げた。人脈を作ろうと生きてきた事がないからだ。赤の液体が入ったグラスを煽ると氷怜先輩が夜景を一瞬だけ目に入れた。
「俺の家系が人脈とか知識で成り立ってきた家だからな。そこは耳が痛くなるくらい言われてきたんだよ。面白いからって暮刃も瑠衣もついてきて……」
「……ほお?」
とりあえず返事だけしているが、いまいち想像はつかない。それでも話は進んでいく。
「それで人脈広げて色々動いてたるうちにまあ汚ねぇ社会もあってな、たまに乗り込んだり潰し…………あーー……まあ、そのうちサクラと出会って規模も大きくなって今って感じだな」
「サクラ姉さん!!」
氷怜先輩が不穏な言葉をつぶやいた気がしたが、それよりも知っている名前に思わず反応した。綺麗で可愛いサクラ姉さんは最高だ。名前を聞くだけで幸せになるね。
おれには聞こえないボリュームで暮刃先輩に優がその耳元で話した。
「サクラ姉さんの名前だして色々流しましたよね……何流したんです?」
「優もそういうのは流すものだよ」
優は何かに引っかかったのか不満げな顔をしたが、暮刃先輩はにこにこと笑って優のその口にデザートのゼリーを入れた。お口にチャックだそうで。
テーブルのドリンクの種類がものすごいことになって、何がなんの飲み物か分からずオレンジジュースっぽいものを選んだ。まあ、不味ければお酒が入っているのですぐわかるはず。うん美味しい。
秋も優もこれはなんだという顔をしながら飲んでいるが、たまに間違えてハッピードリンクを選んでいるらしく先輩たちに取り替えられている。よく見た目だけで分かるな。
そんな中で話題は昔の話に移って、秋が思い出したように氷怜先輩に聞き始める。
「氷怜先輩に話ましたっけ、出会った頃唯今より女の子みたいだったの」
「ん?今でもわりと……」
ちょうどオレンジを飲みきって、コーラにドリンクを切り替えた時に氷怜先輩の目線がこちらにきた。
確かに未だに間違われる事多いけど、先輩達からしてみれば秋も優も可愛いものではないだろうか。
暮刃先輩も瑠衣先輩もそれぞれなんとも言えない笑顔で同意した。
すると足を組み直した暮刃先輩が思い出したように笑い出した。
「ねぇ、唯はどうして頭にボンボンつけてたの?」
「ボンボン?」
「何ボンボンって」
瑠衣先輩もなんの話だと目をおれに向けるも、おれもわからず首を傾げれば優が転校してきた日のことを話したと教えてくれた。
「ああ!2人がおれのこと女の子だと思ってた時!」
思い返すと今でも笑えちゃう。あの時の2人まだツッコミとか入れてきたりなんかしないから、目が飛び出そうなほど驚いて固まってるんだもん。
でもなんでボンボンを付けてたか思い返せばそんな深い意味などなかった。
「女の子の練習台になったんですよね確か。それでせっかく結んでもらったからって言ってその日は一日付けてた気がする……スカート履いてたらふたり三ヶ月くらい騙せたかなぁ。惜しいことしたぜ」
「いや流石に気づくわ」
秋の鋭いツッコミが入りました。
その横で自分の昔も思い出したのか、瑠衣先輩が中学とかあんま記憶ないなーと呟くと割と質問が大好きな優が話し出す。
「先輩達チーム作ったの一年の時ですよね?」
「ソウネー、でも作る気無かったよねーひさとは」
「ああ、もともと人脈作るのに色々やってただけだしな」
「人脈?」
優の質問に答えた氷怜先輩におれも秋も優も首を傾げた。人脈を作ろうと生きてきた事がないからだ。赤の液体が入ったグラスを煽ると氷怜先輩が夜景を一瞬だけ目に入れた。
「俺の家系が人脈とか知識で成り立ってきた家だからな。そこは耳が痛くなるくらい言われてきたんだよ。面白いからって暮刃も瑠衣もついてきて……」
「……ほお?」
とりあえず返事だけしているが、いまいち想像はつかない。それでも話は進んでいく。
「それで人脈広げて色々動いてたるうちにまあ汚ねぇ社会もあってな、たまに乗り込んだり潰し…………あーー……まあ、そのうちサクラと出会って規模も大きくなって今って感じだな」
「サクラ姉さん!!」
氷怜先輩が不穏な言葉をつぶやいた気がしたが、それよりも知っている名前に思わず反応した。綺麗で可愛いサクラ姉さんは最高だ。名前を聞くだけで幸せになるね。
おれには聞こえないボリュームで暮刃先輩に優がその耳元で話した。
「サクラ姉さんの名前だして色々流しましたよね……何流したんです?」
「優もそういうのは流すものだよ」
優は何かに引っかかったのか不満げな顔をしたが、暮刃先輩はにこにこと笑って優のその口にデザートのゼリーを入れた。お口にチャックだそうで。
55
お気に入りに追加
1,388
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!?
※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。
いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。
しかしまだ問題が残っていた。
その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。
果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか?
また、恋の行方は如何に。
俺は魔法使いの息子らしい。
高穂もか
BL
吉村時生、高校一年生。
ある日、自分の父親と親友の父親のキスシーンを見てしまい、平穏な日常が瓦解する。
「時生くん、君は本当はぼくと勇二さんの子供なんだ」
と、親友の父から衝撃の告白。
なんと、二人は魔法使いでカップルで、魔法で子供(俺)を作ったらしい。
母ちゃん同士もカップルで、親父と母ちゃんは偽装結婚だったとか。
「でさ、魔法で生まれた子供は、絶対に魔法使いになるんだよ」
と、のほほんと言う父親。しかも、魔法の存在を知ったが最後、魔法の修業が義務付けられるらしい。
でも、魔法学園つったって、俺は魔法なんて使えたことないわけで。
同じ境遇の親友のイノリと、時生は「全寮制魔法学園」に転校することとなる。
「まー、俺はぁ。トキちゃんと一緒ならなんでもいいかなぁ」
「そおかあ? お前ってマジ呑気だよなあ」
腹黒美形×強気平凡の幼馴染BLです♡
※とても素敵な表紙は、小槻みしろさんに頂きました(*^^*)
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる