sweet!!

仔犬

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date!!!

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夜は深くなって料理も進めば先輩達のハッピードリンクも進んでいく。表情も言動も変わらず淡々と飲み続ける先輩達、おそらくかなりのザルなのではないか。
テーブルのドリンクの種類がものすごいことになって、何がなんの飲み物か分からずオレンジジュースっぽいものを選んだ。まあ、不味ければお酒が入っているのですぐわかるはず。うん美味しい。

秋も優もこれはなんだという顔をしながら飲んでいるが、たまに間違えてハッピードリンクを選んでいるらしく先輩たちに取り替えられている。よく見た目だけで分かるな。

そんな中で話題は昔の話に移って、秋が思い出したように氷怜先輩に聞き始める。


「氷怜先輩に話ましたっけ、出会った頃唯今より女の子みたいだったの」

「ん?今でもわりと……」


ちょうどオレンジを飲みきって、コーラにドリンクを切り替えた時に氷怜先輩の目線がこちらにきた。
確かに未だに間違われる事多いけど、先輩達からしてみれば秋も優も可愛いものではないだろうか。
暮刃先輩も瑠衣先輩もそれぞれなんとも言えない笑顔で同意した。

すると足を組み直した暮刃先輩が思い出したように笑い出した。


「ねぇ、唯はどうして頭にボンボンつけてたの?」

「ボンボン?」

「何ボンボンって」

瑠衣先輩もなんの話だと目をおれに向けるも、おれもわからず首を傾げれば優が転校してきた日のことを話したと教えてくれた。


「ああ!2人がおれのこと女の子だと思ってた時!」


思い返すと今でも笑えちゃう。あの時の2人まだツッコミとか入れてきたりなんかしないから、目が飛び出そうなほど驚いて固まってるんだもん。

でもなんでボンボンを付けてたか思い返せばそんな深い意味などなかった。

「女の子の練習台になったんですよね確か。それでせっかく結んでもらったからって言ってその日は一日付けてた気がする……スカート履いてたらふたり三ヶ月くらい騙せたかなぁ。惜しいことしたぜ」

「いや流石に気づくわ」

秋の鋭いツッコミが入りました。
その横で自分の昔も思い出したのか、瑠衣先輩が中学とかあんま記憶ないなーと呟くと割と質問が大好きな優が話し出す。

「先輩達チーム作ったの一年の時ですよね?」

「ソウネー、でも作る気無かったよねーひさとは」

「ああ、もともと人脈作るのに色々やってただけだしな」

「人脈?」

優の質問に答えた氷怜先輩におれも秋も優も首を傾げた。人脈を作ろうと生きてきた事がないからだ。赤の液体が入ったグラスを煽ると氷怜先輩が夜景を一瞬だけ目に入れた。

「俺の家系が人脈とか知識で成り立ってきた家だからな。そこは耳が痛くなるくらい言われてきたんだよ。面白いからって暮刃も瑠衣もついてきて……」

「……ほお?」

とりあえず返事だけしているが、いまいち想像はつかない。それでも話は進んでいく。


「それで人脈広げて色々動いてたるうちにまあ汚ねぇ社会もあってな、たまに乗り込んだり潰し…………あーー……まあ、そのうちサクラと出会って規模も大きくなって今って感じだな」

「サクラ姉さん!!」


氷怜先輩が不穏な言葉をつぶやいた気がしたが、それよりも知っている名前に思わず反応した。綺麗で可愛いサクラ姉さんは最高だ。名前を聞くだけで幸せになるね。

おれには聞こえないボリュームで暮刃先輩に優がその耳元で話した。

「サクラ姉さんの名前だして色々流しましたよね……何流したんです?」

「優もそういうのは流すものだよ」

優は何かに引っかかったのか不満げな顔をしたが、暮刃先輩はにこにこと笑って優のその口にデザートのゼリーを入れた。お口にチャックだそうで。
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