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everyday!
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しおりを挟む「桃花!今日は俺と勝負してもらうからな」
おれが意を決して名前を呼ぼうとした時ドアが勢いよく開けられた。式だ。今日は無礼講だからなのか人がなんの躊躇もなくはいってくる。
「あ」
「……なんだその顔?」
誠司さんが萎縮した。というか式は早速敬語なんて使っていない。優と秋がおれの脇腹をつついておれが平和の象徴なのだから仲をとり持てと言いたげだ。
「桃花がこの前の事謝りたいって、式」
「この前?」
何のことだとでも言いたげだ。やっぱり、桃花の気にしすぎだし。
「気にしてないみたいだよ?」
「でも投げ飛ばして壁に」
「ああ!つうかそれをまず教えてくれ」
「え?」
すたすたとおれたちを挟んで式が桃花に話しかける。下から式の動きを見ているとこの前投げ飛ばされた動きを再現しているようだ。申し訳なさなのか桃花の視線が下がる。下を向いてるのを良いことにアニマルセラピーの真似をして桃花の膝に手と顎を置いた。
「桃花、何も心配ないよ」
にっこり笑うと少しだけ目を見開いた。驚いた声を上げたのは式だった。
「なんだ唯……お前ついに犬でも始めたのか」
「式くんや、ついにって何だい?」
優も秋も茶化し始めた。
「唯使って稼げるかな唯セラピー」
「なんかそれ狂気じみてない……?」
「ピピー!そこ儲け話をおれでしない!」
「ふっ……あはは。ありがとう、ちょっと落ち着きました」
小さく吹き出した桃花は困ったように笑いながらも式に説明を始めた。
「……あれは体格差も必要だし、勢いをつけて来る相手にしか使えない。君たちの勢いを活かしてしてそのまま投げ飛ばしてるだけだから」
「まった、それって意外と筋肉いるよな」
「筋肉つけすぎても早く動けないから見た目でわかるような筋肉は付いてないけど……」
「な……」
おれの目の前で服が捲られて桃花のお腹が露わになった。式が悔しいのか眉をひそめる。理想的なシックスパック。桃花さんバッキバキです。
「え、えええ、やばい何これ。ひぇ~」
「俺もここまでいけるかな……」
「いや、これは……」
「ヤダ……綺麗な筋肉」
「あ、サクラ姉さん」
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