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battle!
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しおりを挟む用意された部屋までは赤羽さんが案内してくれた。緊張や切迫した様子もなく爽やかな笑顔に白い歯が今日も健在である。
「何かあったらスマホに連絡下さい」
「はーい!」
「あと、試合のルール説明しておきますね」
赤羽さんの説明はこうだった。
最初はお互いのチームがトーナメント形式でネロのトップ3人と氷怜先輩達3人を除いて試合が行われるという。
トーナメントは4つの群に分かれ、最終的に4人が
勝ち上がるのだ。
最後に勝ち残った4人が先輩達と共に戦うのだが勝ち残ったのがどちらのチームになるのかで敵味方の人数が変わるのだ。
つまり4つの群が全てネロのチームの人が勝ち残ってしまえば氷怜先輩達が3人で、向こうは7人で戦うのだ。
勝敗の決め手は30秒立ち上がれなくなった方が負けとシンプルなものだった。
「と、まあこんな感じですかね」
「赤羽さんは出るの?」
「俺は裏方なので。戦うのも良いですが頭を使う方が好みですね」
赤羽さんらしい返答だった。
では、ごゆっくりと言われドアが閉まる。ガチャリと音がしたので鍵を閉められたのだろう。
すこしざわめく声がして窓に駆け寄った。
部屋には大きな窓が付いていてそこからフロア全体の様子が見える。感覚的にはアリーナ席だ。
テレビをつければズームやアップ、四つの軍同時に視聴可能だったりとかなりのハイテク。
写っている映像は第1戦が始まっている。
「何というか、本格的だね」
「そうだな」
細かいルールは聞いていないが、もちろん武器は使っている人はいない。それだけは確認して安心した。
「あ、先輩のチームの人勝った」
「え、はや!」
画面の右下の1人が倒れている。気絶して倒れているようだ。その横で立っている人はこの前先輩達に紹介された1人だった。がたいがいい彼はかなり期待の星なのかもしれない。
「うん、幸先いいね」
窓から見える位置に氷怜先輩が見えた。フロアの真ん中に降りた大きな階段に座って試合の行方を見つめている。
その目線の先には試合場を挟んでネロのトップ三人とあの誠司さんがいた。
椅子に座った三人から一歩下り静かに立っている。彼は最初と同じ顔で、自分のチームが負けても微動だにしなかった。
「あの誠司さんって人大丈夫かな」
「いやいや唯敵チーム心配してどうすんの」
秋の言い分はもっともだが、あの白い顔が、あの目がどうにも落ち着かない。
「でも確かにね。チームの行方も関わっているのに、関心すら無さそうだし、無気力というか……」
優も気になっていたのか、おれ隣で誠司さんを見つけていた。
「うーん、でもなぁ今のところなにも分からなければ、おれ達ここから出れないし」
秋がソファにボスんと音を立てて座った。手にはオレンジジュース。
「とりあえず先輩全力で応援しよ?」
ほら座る!とソファをポンポンされたので着席。秋の言う通り、やる事は応援しかない。優は窓から見るようで立ったままりんごジュースを選んだ。おれもウーロン茶を持って気合を入れて、とりあえずみんなで乾杯。
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