天使のローブ

茉莉花 香乃

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第五章

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「ア、アシュ……はぁっ…」
「凄く、気持ち良さそう…足触ってるだけなのに…。他に触って欲しいとこない?」
…言って?

…ダメだよ。
…そう耳元で囁く声すら感じてしまうから。

直ぐそこにあるアシュリーの熱を感じる。フリルで隠れているけど抑えることのないドレスの中で、その可愛らしいフリルを淫らに濡らしているだろう僕のおちんちんは「ここ」って言って欲しそうに揺れている。
でも、それをアシュリーに伝える僕の口はそんなことは言えない。

「キス、キスして?」
「ここでいいの?」

焦らすように、唇に触れるだけのキスは直ぐに離れた。

「もっと…」
「ジュリからして?」

唇をチュッチュと触れさせる可愛いキス。キスの間も太ももを撫でる手は止まらない。時々付け根の方まで上がってくるけど、知らんぷりで膝まで戻る。

触って欲しい…。

そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、悪戯なアシュリーの口は僕の耳の側で色っぽい声を出す。

「ほ、ら…」

アシュリーの頬を持って唇を合わせる。今度は自分ができる精一杯のキス。いやらしく舌で唇をなぞり、口内に侵入して舌を絡めた。
アシュリーが我慢できなくなるように…。もっと、触りたいって思うように。クチュっと淫らな音を立てて舌に吸い付きアシュリーの唾液を、喉が渇いてるみたいに欲してしまう。

「ジュリ…いつもより積極的…。俺、壊してしまいそうで抑えてるのに我慢できないよ」
「んっ…我慢なんかしないで…もっと欲しがって」

アシュリーの首にキスをすると、剣の稽古から帰ってきたばかりだから汗の匂いがする。他の誰かの汗なんて臭いさえ嗅ぎたくないけれど、アシュリーの汗なら全然平気。舌を這わせ首から鎖骨と舐めていく。

「あっ、待って。汗臭いだろ?」

そう言って浄化の魔法をかけてしまった。

「ううん…良かったのに…アシュの汗だもん」
「ほんと、今日のジュリアンは…。俺がドレスのジュリを襲うはずなのに、ジュリに食われそう…」

アシュリーの左腕が僕の腰に回り、右手で僕のウイッグを梳く。

「ウイッグ、取る?」
「ジュリが邪魔だって思うなら取っていいよ…でも、そうじゃないならこのままで」
「んっ…後でいっぱい撫でてくれるなら…今はアシュの好きにしていい…」
「好きに…して良いの?」

熱に浮かされたように囁かれる言葉はもう、痺れている思考を更に痺れさせる。顎をクイっと持ち上げられて露わになった首にしゃぶり付かれた。

「あんっ…ぼ、僕も汗、汗かいてるよ?」
「ん?平気、ジュリの汗は甘いから」

そんなわけないじゃないか。きつく吸われてチリっと痛みが走る。

「あっん…っ」

舌が宥めるようにねっとりと動き、その動きに神経を集中させていたのに胸を鷲掴みにされた。

「ひゃん…ぁっ」

でも、もどかしい。直接触って欲しい。
ドレスが邪魔。魔法の補正で今、僕の胸は少し膨らみが見える。
アシュリーも「これ、邪魔」ってぼやいてる。

「ぬ、脱ごうか?」
「ダメ…まだ、このまま…ここは後でゆっくりしてあげるから」

…待っててね。好きでしょ?ここ…って意地悪なアシュリーが囁いた。

「もうこんななってる…。隠れてるけど、凄い濡れてる。ドレスに染み付いてるよ?」

僕の両方の足首を持って膝を立たせ、お尻をサワサワと触る。

「…!…っ…ジュリ!下着履いてないの?」
「あっ…う、うん…」

だって…だって…。

「僕だって…男の子だから、その…アシュと、あの…こんなふうに、ほら…こんなふうに…」
「ああ、もう!可愛い!」

だから…恥ずかしかったから…着替えようとしたのに…。

アシュリーの舌が僕の口内を犯す。何かのスイッチが入ったように急に激しく動く舌に力が抜けていく。
強く絡めていた舌を解放して今度は上顎の粘膜を、舌先で触れるか触れないくらいで動くから堪らない。

「あぁっ、あっ、はぁ…」

身体をしならせ、どうして良いかわからないもどかしい快感を逃がそうとするけど、更に強く抱きしめられて叶わない。キスの間もずっとお尻を撫でていたけど、いつの間にかあの花の香りが部屋に満ちる。

ツゥっと窄まりに触れる指に、期待で何かが溢れる。

「ひゃん…あっ、んっ…ア、アシュ…好、き……はっ…ほし、」
「ジュリ…早く、欲しいの?」

抑えた声が鼓膜を震わせ、そのまま耳朶を甘噛みされて、痛いのか、感じてるのかわからない痺れが背中に走った。
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