天使のローブ

茉莉花 香乃

文字の大きさ
上 下
18 / 173
第三章

ーーー

しおりを挟む
☆ .。. 男子寮の一室にて.。.☆


「あいつに本当のことを言ったのですか?」
「何を知っているんだ?」
「全て、全て知っています。あなたは聞いているんでしょ?」
「俺は、嫡男としてあいつに告げられた時に聞いた。お前は…何故、知ってる?成人するまでは発表されない筈なのに…」
「わからないですか?」
「もしかして、お前は…」
「そうです。で、話したのですか?」
「いや…普通は本人に伝えるのは成人の時らしいんだ。でも、あいつの力は強い。だから、学園に上がる前に知らせておいた方が良いだろうと国王陛下からお達しがあったそうなんだ。父上が陛下から賜った名前を告げた時に、魔力が溢れたと仰っていた。その魔力は大き過ぎて自分で制御できない。あの名を聞いた途端溢れる魔力に父上が驚かれて、入学式に出席する前に忘却の魔法をかけたそうだ。
だから、父上から真実を伝えるのは…覚醒させるのはまだ早いと言われているし、成人の十五歳になってからと上からも…」
「ダメです。力が溢れてきている。そろそろ自分の意思でコントロールさせないと」
「言うのか?」
「様子を見てですね」
「後の二人は?知っているのか?」
「ああ、わかります」
「それは…」
「そうです。あいつの事も誰かに聞いた訳じゃない」
「本当だったんだな」
「何が?」
「いや、初代さまと同じ御力…いやそれ以上と聞いている。あいつも力が溢れていた。でもそれは癒しの力だけだった。あいつ自身が病むことがないし、周りに悪い影響がないならそれで良いと思っていたが…」
「そうですね…。俺の場合はちょっと違うけど…」
「えっ?」
「いや…。ここで知識を得て、人の気を感じて魔力も成長した。放っておけない」
「では、ジュリアンのことは任せる。陛下の許可は?」
「大丈夫です」
「よろしく頼む、アシュリー」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

泣くなといい聞かせて

mahiro
BL
付き合っている人と今日別れようと思っている。 それがきっとお前のためだと信じて。 ※完結いたしました。 閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。

目撃者、モブ

みけねこ
BL
平凡で生きてきた一般人主人公、ところがある日学園の催し物で事件が起き……⁈

婚約者に会いに行ったらば

龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。 そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。 ショックでその場を逃げ出したミシェルは―― 何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。 そこには何やら事件も絡んできて? 傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

幸せの温度

本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。 まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。 俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。 陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。 俺にあんまり触らないで。 俺の気持ちに気付かないで。 ……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。 俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。 家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。 そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

処理中です...