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side和ー5
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そんなことより…、
「ちよっとだけ…」
翔悟さんの首に腕を回して抱きついた。
同じシャンプーの匂いがする髪に触れる。このシャンプーは…俺の身体を動き回ったあの指がまとっていたものだ。思い出すとずくんと下半身が、翔悟さんの指が触れたところ全てが痺れた。
「ありがとう…ここで待ってる。おじさんと続き飲んできて」
「…一人で 平気なのか?」
「うん。下にいる時は一人になるのが不安だったけど、ここは翔の匂いがするから落ち着くんだ。だから…」
「オレがダメだな…和を一人にしたくない。和、和、愛してるよ」
「うん、嬉しい。俺も…愛してる」
その夜、翔悟さんの腕の中で安心して眠ることができた。
規則正しく刻む心音が、かかる吐息が、回される腕が全部心地よくて満たされた穏やかな時間だった。
翌日目覚めたら、翔悟さんの腕に閉じ込められていた。正確に言えば、俺がその胸に、腕に擦り寄って寝ているのを翔悟さんの腕が包んでいてくれているのだけど。
その優しく包む腕からそっと出て、おばさんが用意してくれた布団を敷いて少しだけ乱して…再び冷えた体で翔悟さんの腕の中に戻り胸に顔を擦り付けた。
「和、おはよ…何してきたの?」
「えっ…起きてたの」
「そんなの気にしなくていいのに」
恥ずかし…。
「寒かっただろ?暖めてあげる」
冷えてしまった俺の身体を熱のこもった布団と翔悟さんの体温が心地良く包む。
「和…」
呼ばれて、抱き付いていた腕を少し離して顔を見れば触れるだけのキスが降ってくる。
「ああ、やっと戻ってきた」
「?…」
どう言うことなのだろう?
「やっと実感が湧いてきた」
「ちよっとだけ…」
翔悟さんの首に腕を回して抱きついた。
同じシャンプーの匂いがする髪に触れる。このシャンプーは…俺の身体を動き回ったあの指がまとっていたものだ。思い出すとずくんと下半身が、翔悟さんの指が触れたところ全てが痺れた。
「ありがとう…ここで待ってる。おじさんと続き飲んできて」
「…一人で 平気なのか?」
「うん。下にいる時は一人になるのが不安だったけど、ここは翔の匂いがするから落ち着くんだ。だから…」
「オレがダメだな…和を一人にしたくない。和、和、愛してるよ」
「うん、嬉しい。俺も…愛してる」
その夜、翔悟さんの腕の中で安心して眠ることができた。
規則正しく刻む心音が、かかる吐息が、回される腕が全部心地よくて満たされた穏やかな時間だった。
翌日目覚めたら、翔悟さんの腕に閉じ込められていた。正確に言えば、俺がその胸に、腕に擦り寄って寝ているのを翔悟さんの腕が包んでいてくれているのだけど。
その優しく包む腕からそっと出て、おばさんが用意してくれた布団を敷いて少しだけ乱して…再び冷えた体で翔悟さんの腕の中に戻り胸に顔を擦り付けた。
「和、おはよ…何してきたの?」
「えっ…起きてたの」
「そんなの気にしなくていいのに」
恥ずかし…。
「寒かっただろ?暖めてあげる」
冷えてしまった俺の身体を熱のこもった布団と翔悟さんの体温が心地良く包む。
「和…」
呼ばれて、抱き付いていた腕を少し離して顔を見れば触れるだけのキスが降ってくる。
「ああ、やっと戻ってきた」
「?…」
どう言うことなのだろう?
「やっと実感が湧いてきた」
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