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side和ー5
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俺が大声を出したからか、
「テメェ大人しくしやがれ!おい、口押さえとけって」
と今度は両腕で頭を強く叩きつけるように殴られて…そこで、意識が途切れた。
裕樹の事だけが心配だった。
俺は良いんだ。俺なんか……。
◇◇◇◇◇
「…和希、和希!」
…何?
「気が付いた?」
「…ここ何処?」
喋り辛い。
口の中が切れて、顔も腫れているみたいだ。
「病院だよ。わかる?」
「翔…?」
「そうだよ…良かった。心配したよ」
「…裕樹…裕樹は?」
「裕樹は大丈夫だ。月島君が付いてる」
「………翔悟さんも裕樹の所に行って下さい…」
「…嫌だ。和の側に居させて。もう離したくないんだ…とにかく、先生に言ってくる。裕樹も心配してるから。ちょっと待ってて」
嫌だ、行かないで…。
自分で裕樹の所へ行けと言っておきながら思わず、翔悟さんの腕を掴んでしまった。
「あっ、ごめ、んなさい」
「いや、嬉しいよ」
えっ…嬉しいって…。
「ちょっと、何二人で仲良く喋ってるの?オレも居るんだけど」
「将太さん…何で?」
「エスポワールの近くだったろ」
ああ、そうだったな。
エスポワールからの帰りだった。
「帰ってくれって言ったのに、帰らないんだ。和希が無事目覚めたんだ。もう帰れ」
翔悟さんが将太さんを押して部屋から出そうとする。
「また、来るよ」
と将太さんが部屋から出て行った。
「もう、来なくて良いから」
「翔?」
「いや…」
と言って翔悟さんも出て行った。
「テメェ大人しくしやがれ!おい、口押さえとけって」
と今度は両腕で頭を強く叩きつけるように殴られて…そこで、意識が途切れた。
裕樹の事だけが心配だった。
俺は良いんだ。俺なんか……。
◇◇◇◇◇
「…和希、和希!」
…何?
「気が付いた?」
「…ここ何処?」
喋り辛い。
口の中が切れて、顔も腫れているみたいだ。
「病院だよ。わかる?」
「翔…?」
「そうだよ…良かった。心配したよ」
「…裕樹…裕樹は?」
「裕樹は大丈夫だ。月島君が付いてる」
「………翔悟さんも裕樹の所に行って下さい…」
「…嫌だ。和の側に居させて。もう離したくないんだ…とにかく、先生に言ってくる。裕樹も心配してるから。ちょっと待ってて」
嫌だ、行かないで…。
自分で裕樹の所へ行けと言っておきながら思わず、翔悟さんの腕を掴んでしまった。
「あっ、ごめ、んなさい」
「いや、嬉しいよ」
えっ…嬉しいって…。
「ちょっと、何二人で仲良く喋ってるの?オレも居るんだけど」
「将太さん…何で?」
「エスポワールの近くだったろ」
ああ、そうだったな。
エスポワールからの帰りだった。
「帰ってくれって言ったのに、帰らないんだ。和希が無事目覚めたんだ。もう帰れ」
翔悟さんが将太さんを押して部屋から出そうとする。
「また、来るよ」
と将太さんが部屋から出て行った。
「もう、来なくて良いから」
「翔?」
「いや…」
と言って翔悟さんも出て行った。
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