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side和ー4
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当初の予定通り、お盆まででバイトは辞めた。
裕樹が「一緒にゲームしよ。家、おいでよ」と誘ってきた。
平日の昼間に翔悟さんはいないので、遠慮なく行くことにした。
「月島は?」
「彰はマスターのお手伝いだって」
「そうなんだ」
「うん」
裕樹の家には翔悟さんはいなかったけど、沙耶さんがいた。俺は沙耶さんが嫌いではないけど…苦手だ。
沙耶さんは裕樹の大学生のお姉さんで、大学の近くで下宿しているけど今は夏休みで帰って来ている。
「和希君いらっしゃい。相変わらず、可愛いわね」
沙耶さんは俺の事を弟のように可愛がってくれるけど、祐樹に対する奈津美さんのようなどこか…愛玩動物を可愛がるような……いや、言い過ぎか…取り敢えず無条件で優しくされて擽ったいように感じる。
「何?二人でゲームするの?私も混ぜなさいよ。それより、どっか行こ?」
「え~嫌だよ。沙あちゃん。あっち行って」
「裕樹。冷たいわね」
裕樹の頭をグリグリして、二人でじゃれ合ってる。仲良しなんだよこの姉弟は。
「じゃあ、三人で出来るゲームしよ」
格闘ゲームやレースを三人でしたり、二人でしたり楽しく時間が過ぎて行く。しばらく遊んでいるとおばさんが帰って来た。
「あら、いらっしゃい。
和希君、晩御飯食べていってね。最近来てくれないから、心配してたのよ」
「えっ、いえ。帰ります…」
「良いじゃない。お母さんは和希君の分も作りたいのよ」
と、沙耶さんは決めつけてしまった。
翔悟さんは早く帰らないだろう。遅くなる前に帰れば良いかと、ありがたくご馳走になる事にした。
久し振りの裕樹の家で食べる晩御飯は楽しくて、ついつい会話が弾んでしまった。今日はおじさんが早く帰っていて、父親のいない俺は本当の父親のように慕っていたので、余計時間を忘れてしまっていた。
裕樹が「一緒にゲームしよ。家、おいでよ」と誘ってきた。
平日の昼間に翔悟さんはいないので、遠慮なく行くことにした。
「月島は?」
「彰はマスターのお手伝いだって」
「そうなんだ」
「うん」
裕樹の家には翔悟さんはいなかったけど、沙耶さんがいた。俺は沙耶さんが嫌いではないけど…苦手だ。
沙耶さんは裕樹の大学生のお姉さんで、大学の近くで下宿しているけど今は夏休みで帰って来ている。
「和希君いらっしゃい。相変わらず、可愛いわね」
沙耶さんは俺の事を弟のように可愛がってくれるけど、祐樹に対する奈津美さんのようなどこか…愛玩動物を可愛がるような……いや、言い過ぎか…取り敢えず無条件で優しくされて擽ったいように感じる。
「何?二人でゲームするの?私も混ぜなさいよ。それより、どっか行こ?」
「え~嫌だよ。沙あちゃん。あっち行って」
「裕樹。冷たいわね」
裕樹の頭をグリグリして、二人でじゃれ合ってる。仲良しなんだよこの姉弟は。
「じゃあ、三人で出来るゲームしよ」
格闘ゲームやレースを三人でしたり、二人でしたり楽しく時間が過ぎて行く。しばらく遊んでいるとおばさんが帰って来た。
「あら、いらっしゃい。
和希君、晩御飯食べていってね。最近来てくれないから、心配してたのよ」
「えっ、いえ。帰ります…」
「良いじゃない。お母さんは和希君の分も作りたいのよ」
と、沙耶さんは決めつけてしまった。
翔悟さんは早く帰らないだろう。遅くなる前に帰れば良いかと、ありがたくご馳走になる事にした。
久し振りの裕樹の家で食べる晩御飯は楽しくて、ついつい会話が弾んでしまった。今日はおじさんが早く帰っていて、父親のいない俺は本当の父親のように慕っていたので、余計時間を忘れてしまっていた。
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