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第七章
7ー01
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「裕樹、帰したく無い」
「僕も帰りたく無い」
「……でも航さんに言われたから…」
「マスター、何て?」
「『大事なら焦るな』って。裕樹大切なんだ。四月からずっと探してた。やっと腕の中に抱けるようになったのに……送るよ」
◇◇◇◇◇
次の日、日曜日。
約束通り映画を観に行った。
彰君は昨日の帰り「大丈夫だよ?」って言うのに家まで送ってくれた。
もう表札を見られても問題は無いので、彰君が安心ならと送って貰った。
夜には、やっと知る事が出来たのでメールした。電話でも良かったんだけど、いつまでも話してしまいそうでメールにしたんだけど……結局メールもなかなか終わる事が出来なかった。
最後に『明日も眼鏡で来いよ。前髪も俺が止めてやるから下ろして来て。おやすみ』とメールが来て、もし「嫌だ」って言ったら迎えに来るとか言いそうだったので『わかった。眼鏡で行くね。おやすみ』と返してベッドに入った。
朝、起きると和希から、
『おはよう。昨日どうだった?』
と、心配するメールが入っていたので電話した。
話し終わって、
『良かったじゃない』
「うん、ありがと」
『今日も会うの?』
「うん、映画観て、一緒に勉強するんだ」
『月島んちで?』
「ううん、エスポワールって喫茶店」
『へ~』
「彰君の叔父さんがマスターなんだ」
『そなんだ。もしかしてずっとそこで会ってたの?』
「うん、待ち合わせ場所。…ねえ、エスポワールに一度来て欲しいんだ」
『え~、嫌だよ』
「だって、和希にちゃんと紹介したい。バイト今日あるの?何時に終わる?」
和希はちょっと嫌がってたけど、来てくれる事になった。だって仲良くして欲しい。
僕の大切な人なんだ。
午前中に映画を観て、ファストフードで昼食を食べてエスポワールへ帰る。
彰君に和希に会って欲しいって言ったら、「良いよ。俺も話したかった」と言ってくれた。
セミダブルのベットとタンス一竿、椅子一脚の殺風景な部屋で僕はベットに座っている。
僕が遊びに来るようになったので椅子を一脚と、勉強用に小さなテーブルをもう直ぐ置いて貰えるらしい。
彰君が下からコーヒーをマグカップに入れて持って来てくれた。
まだテーブルは無いけど、勉強しようとエスポワールの二階へ上がって来たんだ。
「僕も帰りたく無い」
「……でも航さんに言われたから…」
「マスター、何て?」
「『大事なら焦るな』って。裕樹大切なんだ。四月からずっと探してた。やっと腕の中に抱けるようになったのに……送るよ」
◇◇◇◇◇
次の日、日曜日。
約束通り映画を観に行った。
彰君は昨日の帰り「大丈夫だよ?」って言うのに家まで送ってくれた。
もう表札を見られても問題は無いので、彰君が安心ならと送って貰った。
夜には、やっと知る事が出来たのでメールした。電話でも良かったんだけど、いつまでも話してしまいそうでメールにしたんだけど……結局メールもなかなか終わる事が出来なかった。
最後に『明日も眼鏡で来いよ。前髪も俺が止めてやるから下ろして来て。おやすみ』とメールが来て、もし「嫌だ」って言ったら迎えに来るとか言いそうだったので『わかった。眼鏡で行くね。おやすみ』と返してベッドに入った。
朝、起きると和希から、
『おはよう。昨日どうだった?』
と、心配するメールが入っていたので電話した。
話し終わって、
『良かったじゃない』
「うん、ありがと」
『今日も会うの?』
「うん、映画観て、一緒に勉強するんだ」
『月島んちで?』
「ううん、エスポワールって喫茶店」
『へ~』
「彰君の叔父さんがマスターなんだ」
『そなんだ。もしかしてずっとそこで会ってたの?』
「うん、待ち合わせ場所。…ねえ、エスポワールに一度来て欲しいんだ」
『え~、嫌だよ』
「だって、和希にちゃんと紹介したい。バイト今日あるの?何時に終わる?」
和希はちょっと嫌がってたけど、来てくれる事になった。だって仲良くして欲しい。
僕の大切な人なんだ。
午前中に映画を観て、ファストフードで昼食を食べてエスポワールへ帰る。
彰君に和希に会って欲しいって言ったら、「良いよ。俺も話したかった」と言ってくれた。
セミダブルのベットとタンス一竿、椅子一脚の殺風景な部屋で僕はベットに座っている。
僕が遊びに来るようになったので椅子を一脚と、勉強用に小さなテーブルをもう直ぐ置いて貰えるらしい。
彰君が下からコーヒーをマグカップに入れて持って来てくれた。
まだテーブルは無いけど、勉強しようとエスポワールの二階へ上がって来たんだ。
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