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第一章

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恐る恐る、トイレから出たら、

「わっ…」
「おおっと…大丈夫か?」
「あっ、ごめんなさい。大丈夫です」

わっ、かっこいい人だな。
少し茶色の髪は染めていないのかサラサラしていてとても綺麗だ。
同じ一年生だよね。背高いよね。うっ…羨ましい…。

早く教室行こう。和希、きっと心配してるよ。
………どっちに行けば良いのだろうか…分からない…確かこっちの方だと思うんだけど…。

どうしようかと思っていたら、

「どうした?」

後ろからさっきぶつかったイケメンさんが、声を掛けてきた。

やっぱりかっこいい。
声も低くてかっこいい。
僕の声はどちらかと言えば高いと思う。
声変わりはしてるけれど……。

「あの…教室の場所が分からなくて…」
「え?あっ、そうなの?何組?」
「三組です」
「ああ、誠と同じか。一緒に行ってやるよ。どうせ通り道だしな」
「えっ…あ、ありがとうございます」

誠って誰だろう?この人の友達なんだろうけど…。
優しい人だな…。
僕の事馬鹿にしなかった。
時々「そんな事もわかんね~の?」って、嘲る様に言われる事があって、中学に入学して、校舎内に慣れるまで結構辛かったのを覚えている。

あ~あ、和希怒ってるだろうなと考えながらイケメンさんの後を付いて行く。

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