撫子の華が咲く

茉莉花 香乃

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華綻ぶは撫子

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再び、指を入れて解していく。ばらばらと二本の指を動かしていると撫子の身体を動くわたしの手を掴んできた。

「…主上…手を…」

握りしめ指を絡めて甲に口付ける。口に含み指先を甘噛みし、隅々まで舐めてゆく。

普段誰も触れない場所にわたしの指が入っているからだんだん力が入ってしまうのか、縋る様にわたしの身体をあちこち触れてくる。

充分に解れたところで指を抜くと「はぁぁ…」と力が抜けた声がした。

「撫子、良い?」
「…はい…」

恥ずかしそうに頷くとわたしの頬を持って顔を近づけ口付けてくれた。
最初のころは自分から口付けることなどしなかったのに一度、『撫子からして?』とお願いすると、『良いの?』と返事があった。『良いに決まっている』と云うと嬉しそうに口付けてくれた。
それからだ、撫子から口付けたり、ねだったり……ますます撫子に夢中になる。

秘部にわたしのものを当てがいゆっくりと入ってゆく。

こうして何度か交わるようになっても中はきつくわたしを拒んでいるようで、少し寂しい。

……けれど「…主上…愛して、ます…んっ…。主上…だ、け…っんん…」と必死に縋り付く姿は健気で、柔らかく微笑む姿は惚けた妖艶なもので、いつもの凜とした姿ではなくわたしにだけ見せる痴態だと思うと、征服欲が満たされる。

撫子の手を握りしめ、猛ったものをぐっと中に挿れる。

「…あぁぁ…っん…」

何度かゆっくりと挿出を繰り返していると、撫子の声が苦しげなものから、少し甘くなってゆく。

「…入ったよ」
「あっぁ…し、あわせです…」
「ああ、わたしも幸せだよ」

まだ痛いのか、苦しいのか耐えるような声に優しくしてあげたいけれど、誘うようにうごめく撫子の中は気持ち良くて我慢が出来ない。

ゆっくりと動き出すと、撫子のまなじりにうっすらと涙が滲んだ。それを吸い取るように口付け、片足を持ち上げて胸に着くように横に倒す。
良いところに当たると喘ぐ声が甘くなる。

「んっ…はっ…あぁ…」

ゆっくりと挿出を繰り返す。

「撫子…気持ち、良い?」
「あっ…っは、い……、っん、っん…」

訳がわからなくなっているのかわたしに手を差し出してしがみついて来たので、脚を戻して抱きしめた。

「愛してるよ」

わたしが他の女御について、嘘をついていると思ってる。なので、言葉にして伝えてあげたい。

「わたしも…あっぁ…あ、いしております…あぁ…」

そのまま顔を見ながら最奥を突いていくと、ぐちゅじゅぶと響く淫猥な音に煽られる。お互いの息遣いがだんだんと荒くなってゆく。
同時に撫子のを擦っていると、
「あっ…だめ…もう…」
「良いよ。わたしも一緒に…」
「あぁ……んっ…」

ほぼ同時に果てた。
優しく抱きしめる。

「…主上…」
…口付けを…。

こうして素直に甘えてくれることが、わたしの全てを受け入れてくれることが嬉しい。
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