逢魔刻に氷菓を手折り

茉莉花 香乃

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朝朗

07

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触らないでと云ったのに願いは叶えられず、図らずも親彬はーー本人でさえも気付いていないーー尊の本心を忠実に叶える。小さくて存在感のなかったそれは、赤くぷくりと立って親彬に舌先で転がされるのを待っている。そうしながらも、後孔の中をうごめく指は止まらない。

「も、いいからぁ…」
「痛くないか?」

尊はカクカクと首を縦に振った。

「良かった…尊、尊…俺の尊…可愛い人…どこが気持ち良いか教えて?ねぇ、ここ?それともここ?」
「ひゃぁ…ち、かぁ…」
「本当に、可愛い、俺だけの尊」
「…は、ぁ……」
「尊…綺麗だよ」

(優しくしてとは云ったけど、なんか焦らしてる?)

『欲しい』と言葉にするのは恥ずかしくてできない。その代わりに、抱き付いて額を胸に擦り付ける。指が抜かれ、正面から抱きしめられた。お互いの熱が触れて、親彬の漏らす吐息も艶を帯びる。思わせぶりに腰を動かし、その刺激と、その動きだけでイッてしまいそうになる。

(なんて色っぽいの!)

足を曲げられ、股を大きく広げられる。熱くて硬い親彬の屹立が後孔にあてがわれると、期待と緊張でブルリと粟立つ。

「あぁ、…ぁっ…ぁ、ぁ」

ゆっくりと、しかし確実に尊の中に挿入ってくる。苦しいけれど、親彬のもので中が満たされているその事実だけで、嬉しくて快感になる。

「あぁ…んっ…んっ」
「尊…」

耳元で、低く、少し掠れた声で囁かれると、尊は泣きたくなるほど幸せだった。幸せからくる涙なのか、苦しさからくる涙なのか、快感からくる涙なのか……尊の目尻にはポロポロと光るものが落ちる。制御できない自分の身体が怖かった。
親彬の動きは次第に激しさを増し、余裕なさげな仕草にキュンと心臓が跳ねる。涙の膜の中から見ていると、親彬の唇が全ての膜を取り去ってくれた。

「んっ…、ぁっ…親、親ぁ…好き…」

唇にもキスをされ、それを合図のように、ぐるりと中をかき回すように腰をグラインドさせる。敏感な場所を掠め、奥を突く。ゆっくりな動きなのに、感じ過ぎているのかビクビク震え、尊の屹立からは絶えずポタポタと漏れている。少し中を擦られるだけで、親彬のモノを締め付ける。

「やばい、尊…凄い」
「あぁっ……」

リズムに合わせて揺さぶられ、親彬の太い熱を咥えこんだ尊は震えた。

穏やかな快感が身体を包み、更なる高みへと導かれた。
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