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東雲
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(ファーストキスがディープキスって…僕、僕、どうしたら良いの?)
考えてもわからないので、尊は親彬の背中に腕を回し、全てを任せることにした。キスも、全てが初めてだと打ち明けてある。邪魔臭い奴だと思われたって、今更現代に戻って経験してくることもできない。
実際経験しておけと云われても、尊にはどうすることもできなかっただろう。尊は納得する。だから手紙には書いてなかったのだと。どうすることもできないし、この時代に来ることを、躊躇ってしまっただろう。
「ち、親…」
「ん?どうした?」
さっきまで、自分の唇に触れていた形の良い唇を直視できない。唾液で濡れたそれを見ないように目をそらした。でも、覗き込まれて、再び顔を見る。尊の顔は真っ赤だ。
「あの…よ、よろしくお願いします」
「……尊、優しくするから」
「うん…お願い…。あの…ありがと、親」
「何が?」
「安倍さまから助けてくれて。僕、初めてが親で、嬉しい」
「……っ…」
貪るようなキスが降る。尊は親彬を煽っているとは思っていない。男心を弄ぶ、小悪魔のようだ。
顔中にキスをされ、それだけで尊の許容範囲を超える。その唇が首筋に辿り着き、鎖骨に痕を残すようにしゃぶり付かれる頃には、尊の着ていたものは器用に脱がされていた。二の腕を持ち、丁寧に着物から抜かれ、筋肉のない柔らかな内側にチリっとした痛みが走る。
「ひゃっ…ゃっ…」
親彬の手が素肌を撫でるだけで、ピクリと身体が跳ね、心臓がドキドキとうるさく鳴る。胸の突起を指先で弾かれ、更に反応する。
「ここ、気持ちいい?」
「わ、わかんない。でも、くすぐったいかな…」
「そっか、じゃあ、直に良くなる」
「えっ?」
今度は指ではなく、粘膜の滑りを感じる。
「親…」
「ん?俺に任せてくれるんだろう?」
こくりと頷き、親彬の単衣の袖を掴んだ。ネットリと周りを舐られ、カリッと先端に歯を当てられると身を捻り、逃げようとする。
でもそれは、胸を逸らしてもっとと強請っているようだった。
(やだ…これって気持ち良い?男なのにこんなとこ、気持ち良いって、僕、変なの?)
考えてもわからないので、尊は親彬の背中に腕を回し、全てを任せることにした。キスも、全てが初めてだと打ち明けてある。邪魔臭い奴だと思われたって、今更現代に戻って経験してくることもできない。
実際経験しておけと云われても、尊にはどうすることもできなかっただろう。尊は納得する。だから手紙には書いてなかったのだと。どうすることもできないし、この時代に来ることを、躊躇ってしまっただろう。
「ち、親…」
「ん?どうした?」
さっきまで、自分の唇に触れていた形の良い唇を直視できない。唾液で濡れたそれを見ないように目をそらした。でも、覗き込まれて、再び顔を見る。尊の顔は真っ赤だ。
「あの…よ、よろしくお願いします」
「……尊、優しくするから」
「うん…お願い…。あの…ありがと、親」
「何が?」
「安倍さまから助けてくれて。僕、初めてが親で、嬉しい」
「……っ…」
貪るようなキスが降る。尊は親彬を煽っているとは思っていない。男心を弄ぶ、小悪魔のようだ。
顔中にキスをされ、それだけで尊の許容範囲を超える。その唇が首筋に辿り着き、鎖骨に痕を残すようにしゃぶり付かれる頃には、尊の着ていたものは器用に脱がされていた。二の腕を持ち、丁寧に着物から抜かれ、筋肉のない柔らかな内側にチリっとした痛みが走る。
「ひゃっ…ゃっ…」
親彬の手が素肌を撫でるだけで、ピクリと身体が跳ね、心臓がドキドキとうるさく鳴る。胸の突起を指先で弾かれ、更に反応する。
「ここ、気持ちいい?」
「わ、わかんない。でも、くすぐったいかな…」
「そっか、じゃあ、直に良くなる」
「えっ?」
今度は指ではなく、粘膜の滑りを感じる。
「親…」
「ん?俺に任せてくれるんだろう?」
こくりと頷き、親彬の単衣の袖を掴んだ。ネットリと周りを舐られ、カリッと先端に歯を当てられると身を捻り、逃げようとする。
でもそれは、胸を逸らしてもっとと強請っているようだった。
(やだ…これって気持ち良い?男なのにこんなとこ、気持ち良いって、僕、変なの?)
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