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東雲
04
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親彬は眩暈を覚えた。
(なんだ、この可愛さは!何て破壊力なんだ!こんなに可愛いいのに、今までよく無事だったな。いくら上司だって、あんな少年趣味のエロじじいに渡したら尊が泣くだろ。それなら、俺が…)
そこまで考えて、我にかえる。今まで男を抱きたいなど思ったことはない。自分から誘わなくても、秋波を送られる親彬は女に困ったことはない。決まった恋人を持ったことはない。キャリアウーマンの女房だけでなく、深層の姫君に手を出したこともある。専門外だが人妻だって何人かはつまみ食いしたこともある。噂を頼りに文を出し、駆け引きするのはなかなかに楽しかった。
しかし、あの時に咄嗟に名乗りを上げたのは、初めて出会った時から、黒曜石の瞳に惹かれていたからだ。男だから対象外だと決めつけただけで、こんなことなら最初から…と色男の親彬は思うのだった。
部屋の隅の灯台の灯が尊の綺麗な顔を照らし、百戦錬磨の親彬をどきりとさせる。自分の部屋に尊がいることに不思議な気持ちになった。火桶が冷えた部屋を温めているが、先程から気持ちが昂り親彬は寒さを感じない。
(明日、この屋敷に引っ越しさせよう。土御門の宮と尊が二人でいると、まだまだ二人とも子どものようで見ていて可愛いけれど、いつ宮に狙われるかわからないよな。どうして、あの時、宮は尊を屋敷に招いたのだろう?もしかして?いや…わからんな。それに、そもそも翁から側におけって云われてたんだ)
唇に口付けをすると、ピクリと肩が震えた。
「尊、可愛い」
触れるだけの口付けを何度も繰り返す。どんな姫よりも優しくしたい。こんなに口付けをすることが幸せなんて思ったことはない。大切にしたい。
今回エロ上司が役に立ったのは、香油を渡してくれたことだった。懐から取り出し、きつく目を瞑る尊に気づかれぬように側に置いた。
「ふっ…ふぁっ」
尊が漏らす吐息が可愛い。その空いた唇にすかさず舌を入れ、口付けを深くした。
「あっ…」
初々しい反応に下半身を刺激される。びっくりした隙に、更に舌を口内に入れ、舌と舌を絡めた。
(なんだ、この可愛さは!何て破壊力なんだ!こんなに可愛いいのに、今までよく無事だったな。いくら上司だって、あんな少年趣味のエロじじいに渡したら尊が泣くだろ。それなら、俺が…)
そこまで考えて、我にかえる。今まで男を抱きたいなど思ったことはない。自分から誘わなくても、秋波を送られる親彬は女に困ったことはない。決まった恋人を持ったことはない。キャリアウーマンの女房だけでなく、深層の姫君に手を出したこともある。専門外だが人妻だって何人かはつまみ食いしたこともある。噂を頼りに文を出し、駆け引きするのはなかなかに楽しかった。
しかし、あの時に咄嗟に名乗りを上げたのは、初めて出会った時から、黒曜石の瞳に惹かれていたからだ。男だから対象外だと決めつけただけで、こんなことなら最初から…と色男の親彬は思うのだった。
部屋の隅の灯台の灯が尊の綺麗な顔を照らし、百戦錬磨の親彬をどきりとさせる。自分の部屋に尊がいることに不思議な気持ちになった。火桶が冷えた部屋を温めているが、先程から気持ちが昂り親彬は寒さを感じない。
(明日、この屋敷に引っ越しさせよう。土御門の宮と尊が二人でいると、まだまだ二人とも子どものようで見ていて可愛いけれど、いつ宮に狙われるかわからないよな。どうして、あの時、宮は尊を屋敷に招いたのだろう?もしかして?いや…わからんな。それに、そもそも翁から側におけって云われてたんだ)
唇に口付けをすると、ピクリと肩が震えた。
「尊、可愛い」
触れるだけの口付けを何度も繰り返す。どんな姫よりも優しくしたい。こんなに口付けをすることが幸せなんて思ったことはない。大切にしたい。
今回エロ上司が役に立ったのは、香油を渡してくれたことだった。懐から取り出し、きつく目を瞑る尊に気づかれぬように側に置いた。
「ふっ…ふぁっ」
尊が漏らす吐息が可愛い。その空いた唇にすかさず舌を入れ、口付けを深くした。
「あっ…」
初々しい反応に下半身を刺激される。びっくりした隙に、更に舌を口内に入れ、舌と舌を絡めた。
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