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幻妖
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「あぁぁっ!ど、うして?…こんな…あっ、やっ…」
島田実視は今の自分の状況が、上手く理解できないでいた。
男の剛直に貫かれ、善がっていることに。
「はぁぁっ、んっ、んっ、やっ…」
腰を打ち付けられるたびに、自分の口から出ているとは思いたくない甘い声が漏れる。痺れるような感覚が四肢に伝い、まるで自分の身体ではないようだと思う冷静さは微かに残っていた。ただ、絶望的な快楽が脳天から爪先までを襲う。
「ぁっ、き、もちぃ」
実視は己の口から漏れ出た言葉に驚愕する。
(気持ち、良い?気持ち良いだと?そんな!そんな馬鹿な!)
心と身体がバラバラになる。
確かに、今まで女を抱いてきた時より興奮している。先程から触ってもいないのに痛いくらいに張り詰める自分のものは、ダラダラと雫を垂れ流している。
実視は自分を後ろから甚振る男を首をひねり見る。
見ようとするが灯台の灯りは部屋の隅で弱々しく瞬いているだけで、顔ははっきりとは見えなかった。
ここは都の外れの尼寺の一室。
(こんな寺、来るんじゃなかった)
後悔しても遅いし、拒むこともできはしない。実視が仕える三条の太政大臣藤原兼通の使いで来たのだ。主人に文句など言えるはずもない。滅多に客人が…いや、若い男が来ない尼寺は居心地が悪い。早々に文を預け、帰ろうとするのを引き止められた。やれこれを食べろ、やれ酒を飲めと勧められ、遅くなっては物騒だからと泊まることになった。
どうしてだか眠れない。女の所にでも行けば良かった。そんなことを思いながもやはり寝られず、亥二つを超え、今から従者を起こすのも可哀想かと思ったのだ。うつらうつらと睡魔がやって来て、ああ、やっと寝られると思ったらいきなり襲われた。
「やめっ!そんな、とこ、触るな!ひゃぁ、あっ…」
男は実視に覆い被さり、女のように胸を鷲掴みにする。勿論、膨らみのない胸は掴むものはない。飾りのように付いている乳首を指の先で挟まれた。
「痛っ!」
クニクニと捏ねくり回され、痛さと気持ち悪さが混ざる。
島田実視は今の自分の状況が、上手く理解できないでいた。
男の剛直に貫かれ、善がっていることに。
「はぁぁっ、んっ、んっ、やっ…」
腰を打ち付けられるたびに、自分の口から出ているとは思いたくない甘い声が漏れる。痺れるような感覚が四肢に伝い、まるで自分の身体ではないようだと思う冷静さは微かに残っていた。ただ、絶望的な快楽が脳天から爪先までを襲う。
「ぁっ、き、もちぃ」
実視は己の口から漏れ出た言葉に驚愕する。
(気持ち、良い?気持ち良いだと?そんな!そんな馬鹿な!)
心と身体がバラバラになる。
確かに、今まで女を抱いてきた時より興奮している。先程から触ってもいないのに痛いくらいに張り詰める自分のものは、ダラダラと雫を垂れ流している。
実視は自分を後ろから甚振る男を首をひねり見る。
見ようとするが灯台の灯りは部屋の隅で弱々しく瞬いているだけで、顔ははっきりとは見えなかった。
ここは都の外れの尼寺の一室。
(こんな寺、来るんじゃなかった)
後悔しても遅いし、拒むこともできはしない。実視が仕える三条の太政大臣藤原兼通の使いで来たのだ。主人に文句など言えるはずもない。滅多に客人が…いや、若い男が来ない尼寺は居心地が悪い。早々に文を預け、帰ろうとするのを引き止められた。やれこれを食べろ、やれ酒を飲めと勧められ、遅くなっては物騒だからと泊まることになった。
どうしてだか眠れない。女の所にでも行けば良かった。そんなことを思いながもやはり寝られず、亥二つを超え、今から従者を起こすのも可哀想かと思ったのだ。うつらうつらと睡魔がやって来て、ああ、やっと寝られると思ったらいきなり襲われた。
「やめっ!そんな、とこ、触るな!ひゃぁ、あっ…」
男は実視に覆い被さり、女のように胸を鷲掴みにする。勿論、膨らみのない胸は掴むものはない。飾りのように付いている乳首を指の先で挟まれた。
「痛っ!」
クニクニと捏ねくり回され、痛さと気持ち悪さが混ざる。
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