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第五章
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「遠藤とは大学の四年間一度も連絡取ってないから今の事は何も知らない。朝、豊の話す同期の遠藤ってのが僕の知ってるあいつだとは思ってなかったんだ」
「ああ、驚いてたもんな」
「うん…遠藤は僕の従兄弟と高三の時付き合ってて…それで…」
「それで?」
「あの…」
言いたくない。なんて、心が狭いんだなんて思われるかな…。
「あのさ…これ聞いた後も僕のこと嫌いにならないで…」
「何だよ?言ってみ?」
「その従兄弟…僕とよく似てるんだ…遠藤が千明…従兄弟だけど、千明を連れて来たら嫌だなって…」
「それのどこに嫌いになる要素があるんだ?」
「だって会わせたくないんだ!豊を千明に取られたくない!豊の気持ちが千明に行ってしまうかもしれないだろ?同じ顔なら女の方がいいだろう…?」
声が尻すぼみに小さくなってゆく。
「そんな心配しなくてもいいのに…」
「い、痛い」
さっきより強く抱きしめるから思わず口から漏れた。
「ああ、ごめん」
謝ってくれたから手の拘束も取って、服も着せてくれるかと思ったけど、豊は自分の服を脱いでいく。
「これで痛くないだろ?」
「えっ?これ、取ってくれないの?」
さっきまでの怒った顔じゃないから怖くないけど、今度は何かを企んでるってか、ニヤニヤって表現がぴったりの笑顔で違う怖さがある。
「だってなんか、可愛いから!」
「どこが?酔ってるの?」
「酔ってなんかないさ。遠藤追いかけてるの見て酔えるわけないだろ?何で追いかけてたの?なんか隆が必死でさ…声かけられなかった。直ぐに帰りたかったけど、もう一軒行くぞって先輩に言われて移動してるとこだったから、追いかけられなかったんだ」
「どこで見たの?」
「駅の近く。なんで、追いかけてたか教えて?」
「奢るって言って、お金受け取ってくれないから、無理やりお金を押し付けた」
「二人でどんな話した?」
「豊のことばっかり。また食事にって誘われたけど、豊と一緒ならって言っといたから」
「ふうん…じゃあ、遠藤に会いたくなかったのは、別に遠藤に会いたくないって訳じゃなくて、その従兄弟に俺を会わせたくなかったの?」
「うん…やっぱり、嫌いになる?心、狭いよね…ごめんね」
目尻に涙が溜まる。
でも手が下げられないから拭うこともできない。
「遠藤って元彼?」
ポロリと涙がこぼれた。
「違、う…そんなこ…あっ…んっ…」
ペロリと胸の突起を舐められて言葉が続かない。
「だって、その従兄弟に会わせたくないんだろ?そして遠藤と従兄弟は付き合ってた。遠藤を取られたから、俺も取られるんじゃないかと思った…違う…?」
ああ、そこは誤魔化したかったな…。
取られた訳じゃない。ただ、先に好きになっただけ。遠藤くんが僕のことを好きだと言ったことはないし、ありえない。だから、元彼であるはずない。完全な被害妄想だ。
「ち、違うん…あっん…」
反対の敏感なところをクリクリと指先で弄び、胸の周りや鎖骨にキスマークを残すようにきつくキスをされて上手く言葉が続かない。
「や…ゆ、た…し、しゃべ…ない…よ」
「頑張れ」
そう言って、更に舌と指先を僕の身体に這わす。
「ひゃぁ…んっ…付き、あっ…ない」
「何?」
「な、ないから…ぁぁっ…」
「感じるの?で?遠藤に会えて嬉しかった?二人で食事して楽しかった?遠藤と二人でまた会いたい?」
否定したいのに口からは喘ぎ声しか出てこない。
「い、や…あぁぁぁ…」
執拗に舌を這わせ時々強く吸ったり、甘噛みされてもう何を言いたかったのかもわからなくなってくる。
「あっ…ゆ、た…あ、あい…して、あぁぁ…ゆ、たか…だ、け、はぁっ…」
豊の手は臍を撫でてその下へと伸びて僕の立ち上がった欲望をを掴む。いつも抱きついてその快感に耐えているのに、今は縋るものがない。
「いや、…こ、れ…外して…あぁぁ…お、ねが…」
どうしていいかわからないから頭を振る。流れる涙と拭えない唾液でぐちゃぐちゃの顔を見られたくないから身体を捻るようにするけど、直ぐに戻されてしまう。
先走りでヌルヌルになっているものに触れてくれるけど、それは下着の上からで直接は触ってくれない。それに撫でるようにしているだけで遊ばれているみたいだ。
胸への愛撫はずっと続いている。もう止めて欲しいのか、もっと触れて欲しいのか自分でもわからなくなってくる。
「ゆ、た…嫌、さ、わっ…お、願い…」
フッと笑った豊が両頬を持って、優しいキスをくれる。
「隆、可愛い!もっと触って欲しいの?」
「えっ?あっ…」
思ってることをそのまま口にしてしまっていた。
「ああ、驚いてたもんな」
「うん…遠藤は僕の従兄弟と高三の時付き合ってて…それで…」
「それで?」
「あの…」
言いたくない。なんて、心が狭いんだなんて思われるかな…。
「あのさ…これ聞いた後も僕のこと嫌いにならないで…」
「何だよ?言ってみ?」
「その従兄弟…僕とよく似てるんだ…遠藤が千明…従兄弟だけど、千明を連れて来たら嫌だなって…」
「それのどこに嫌いになる要素があるんだ?」
「だって会わせたくないんだ!豊を千明に取られたくない!豊の気持ちが千明に行ってしまうかもしれないだろ?同じ顔なら女の方がいいだろう…?」
声が尻すぼみに小さくなってゆく。
「そんな心配しなくてもいいのに…」
「い、痛い」
さっきより強く抱きしめるから思わず口から漏れた。
「ああ、ごめん」
謝ってくれたから手の拘束も取って、服も着せてくれるかと思ったけど、豊は自分の服を脱いでいく。
「これで痛くないだろ?」
「えっ?これ、取ってくれないの?」
さっきまでの怒った顔じゃないから怖くないけど、今度は何かを企んでるってか、ニヤニヤって表現がぴったりの笑顔で違う怖さがある。
「だってなんか、可愛いから!」
「どこが?酔ってるの?」
「酔ってなんかないさ。遠藤追いかけてるの見て酔えるわけないだろ?何で追いかけてたの?なんか隆が必死でさ…声かけられなかった。直ぐに帰りたかったけど、もう一軒行くぞって先輩に言われて移動してるとこだったから、追いかけられなかったんだ」
「どこで見たの?」
「駅の近く。なんで、追いかけてたか教えて?」
「奢るって言って、お金受け取ってくれないから、無理やりお金を押し付けた」
「二人でどんな話した?」
「豊のことばっかり。また食事にって誘われたけど、豊と一緒ならって言っといたから」
「ふうん…じゃあ、遠藤に会いたくなかったのは、別に遠藤に会いたくないって訳じゃなくて、その従兄弟に俺を会わせたくなかったの?」
「うん…やっぱり、嫌いになる?心、狭いよね…ごめんね」
目尻に涙が溜まる。
でも手が下げられないから拭うこともできない。
「遠藤って元彼?」
ポロリと涙がこぼれた。
「違、う…そんなこ…あっ…んっ…」
ペロリと胸の突起を舐められて言葉が続かない。
「だって、その従兄弟に会わせたくないんだろ?そして遠藤と従兄弟は付き合ってた。遠藤を取られたから、俺も取られるんじゃないかと思った…違う…?」
ああ、そこは誤魔化したかったな…。
取られた訳じゃない。ただ、先に好きになっただけ。遠藤くんが僕のことを好きだと言ったことはないし、ありえない。だから、元彼であるはずない。完全な被害妄想だ。
「ち、違うん…あっん…」
反対の敏感なところをクリクリと指先で弄び、胸の周りや鎖骨にキスマークを残すようにきつくキスをされて上手く言葉が続かない。
「や…ゆ、た…し、しゃべ…ない…よ」
「頑張れ」
そう言って、更に舌と指先を僕の身体に這わす。
「ひゃぁ…んっ…付き、あっ…ない」
「何?」
「な、ないから…ぁぁっ…」
「感じるの?で?遠藤に会えて嬉しかった?二人で食事して楽しかった?遠藤と二人でまた会いたい?」
否定したいのに口からは喘ぎ声しか出てこない。
「い、や…あぁぁぁ…」
執拗に舌を這わせ時々強く吸ったり、甘噛みされてもう何を言いたかったのかもわからなくなってくる。
「あっ…ゆ、た…あ、あい…して、あぁぁ…ゆ、たか…だ、け、はぁっ…」
豊の手は臍を撫でてその下へと伸びて僕の立ち上がった欲望をを掴む。いつも抱きついてその快感に耐えているのに、今は縋るものがない。
「いや、…こ、れ…外して…あぁぁ…お、ねが…」
どうしていいかわからないから頭を振る。流れる涙と拭えない唾液でぐちゃぐちゃの顔を見られたくないから身体を捻るようにするけど、直ぐに戻されてしまう。
先走りでヌルヌルになっているものに触れてくれるけど、それは下着の上からで直接は触ってくれない。それに撫でるようにしているだけで遊ばれているみたいだ。
胸への愛撫はずっと続いている。もう止めて欲しいのか、もっと触れて欲しいのか自分でもわからなくなってくる。
「ゆ、た…嫌、さ、わっ…お、願い…」
フッと笑った豊が両頬を持って、優しいキスをくれる。
「隆、可愛い!もっと触って欲しいの?」
「えっ?あっ…」
思ってることをそのまま口にしてしまっていた。
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