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第三章

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「俺が好き?俺の身体が好き?」
「豊が好きなの!誰でもよくって身体だけが好きならこの年まで、経験ないはずないだろ?勘違いしないで!豊の身体だからだよ!」

思わず大きな声で言ってしまった。
でも、勘違いしないで欲しいんだ。こんなに好きなのに。最初に『僕も好き』って言ったのは豊が好きって言ってくれたからじゃない。例え嫌われたって好きなんだから。

「あはっ…嬉し」

豊は一度シャワーを止めて、手には泡がいっぱい付いたスポンジがある。僕の身体を隅々まで洗っている豊の顔はにやけているように見える。

「な、何?」
「凄い告白されて嬉しくないわけないだろ。早くベッド行きたい。もうこんなだよ」

後ろから腕を前に回して抱きしめられると僕の背中が豊の胸に触れて、お尻に硬いものが当たる。

「あ、あの…」
「何?」
「当たってる」
「うん。これ以上は我慢できなくなるから……」
「触っていい?」

返事がある前に手を伸ばした。

「んっ…我慢できないよ?…隆、俺も…」

豊の手が僕のものに触れる。向かい合ってお互いのものを擦る。ボディーソープの泡が昨日より滑りをよくして更に追い詰めるから直ぐに根を上げそうになる。

「だ、だめ…」

元々泡まみれだった豊の手は滑らかに滑って、僕のお尻もさわさわと触りだした。思わず腕を持ったから「止める?」と聞いてくれる。

「い、や…」
「任せてくれるんだろう?」
「んっ…」
「ここ、足、上げて」

右足を浴槽の淵に上げて、さっき身体を洗ってたスポンジから泡を取り、お尻に触れる。

「い、や…ここで?」
「ん?準備だよ。俺に任せてくれるんだろ?いっぱい触らせて」
「う、んっ…」
「隆」

名前を呼ばれて顔を上げると、一旦離れていた唇が再び触れてちょっと乱暴なくらい激しくキスをされ、豊ものを上手に扱いてあげられない。

豊の手の動きは滑らかで窄まった後孔の襞を丁寧に撫でていく。
ピクピクと身体が跳ねてしまいそうになり、もう僕の手は豊のものから離れてしまい…ただ縋り付いた。ツプリと指が中に入り、更に身体が跳ねる。

「ほんとに始めてなんだな」
「う、嘘なんか、言わないよ」

ここはもしかしたら経験がある方が良かったのかもしれないけど、嘘を吐いてもバレてしまうから仕方なくほんとのことを言う。
すると「嬉しい」と呟く声が聞こえてびっくりした。

「うれ、しいの?…重いとか邪魔くさい奴とか思わないの?」
「嬉しいに決まってるだろ。好きになった人の初めてだよ?」

本当に嬉しそうだからこっちまで嬉しくなる。
良かった。変な見栄張らずに。

女の処女なら喜ぶ奴もいるだろうけど…そこんところは僕はよくわからないけどね…男なら邪魔くさいって、思われるかなって思ってた。
だけど、豊は違うみたいだ。

もう一度ボデーソープを手に取って、指が二本に増えた。違和感が半端なく、キスしてくれるから、だだ豊の身体に縋り付いて甘えた。

もう大丈夫そうと呟く声がして、指が僕の中から出てゆく。どんな動きだって、それを快感に変えてしまう手は、今は僕を支えている。

「歩ける?そこまで出たら連れてってあげるから」
「う、うん…」
「ベッドに行こ…」

泡をシャワーで綺麗に流したら腕を持ってくれる。大丈夫なんだ…歩くくらいは…。でも、連れてってくれるなら甘えちゃおう。
豊の表情からは、いくら連れてってやるって言っても本気にするなよ、なんて嫌な感じは微塵もない。僕のことを大事に扱ってくれる。キツくないかって、心配そうな顔に優しさだけが見えた。

豊のベッドに降ろされて上から見下ろされると、豊の髪はまだ濡れている。僕の身体は丁寧に拭いてくれたけど、自分は適当な感じで拭いてた。

「髪の毛…」
「ん?」
「髪の毛、濡れてる…」
「気になる?」
「僕はいいよ。豊が気になるんじゃないの?」
「全然…」

あれ?あの時は『早く拭け』ってすごく怒られたけど…。

いろいろなことを考えてるとその思考はキスによって彼方へと行ってしまった。どうでもいい。

キス、気持ち良い。
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