水没廃墟の海鮮娘が魚介の異能で百合色ディストピアを死守する話

 繁栄とともに理不尽な犠牲を量産してきた人類の文明は、ついにカミサマの怒りに触れ、人々もろとも海の底へ沈められた。
 不思議なことに、生存を許されたのは引きこもり少女たちのみ。
 水没世界において、彼女たちは海陸両生の『海鮮娘』として転生させられ、シャチ、ウナギ、クラゲなど、各々の海棲生物の能力をも付与されていた。
 世界崩壊から数年。海鮮娘たちは、男女の営みと企業の支配により肥大してきた滅亡前の世界を『旧人類の悪しき文明』などと軽蔑、彼女ら独自のディストピアを築き上げていた。
 だが一人のシャチ娘は知ることになる……生き残った男たちが性欲モンスター化し、少女たちを弄んでいる現実を。
 さらに旧人類の生き残りたちは、かつての悪しき文明を奪還することをも目論んでいるという。
 シャチ娘は、ヤツメウナギの特性を持ったギャルや、クラゲの能力を有するメンヘラ少女を仲間に、旧人類との戦いを開始。
 三人の仲が百合色の三角関係へと発展するなか、彼女たちの戦いは、カミサマの真意をも探る冒険と化してゆく。
 なぜ、引きこもり少女たちだけが生き残ったのか。
 なぜ、世界を滅ぼすことが決定されたのか。
 戦いの終わりに彼女たちが掘り当てたのは、残酷極まりない真実だった。
 カミサマは云う。「私、気づいちゃったんだ。『みんなが傷つかない社会』なんて、『みんなが自殺する世界』への第一歩なんだって。だから滅んでもらうことにしたの」

──Information──
▲序盤は世界観設定の説明だらけなので、まず6番目の部分『ヤらせてくれるなら、一緒に戦ってやってもいいよ』からお読みいただいても構いません。その辺りから小説の基本的なノリが確立され、物語が動き出しますゆえ。
▲他掲載サイト様:ノクターンノベルズ&ハーメルン
▲この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
▲『_』『ヤツメ穴』『.』など、何曲かの“界隈曲”に対するリスペクトが含まれますが、特定の曲の世界を舞台にした物語ではなく、世界観やキャラクターにオマージュ要素が含まれるだけなので、オリジナル作品としています(というかこの▲を黄色に染めて中にビックリマーク書きたい)。
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