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第4章 依頼:最近遺跡に出没する謎の人影を調査してほしい
4-1 ゼログ編 最強勇者の前にはクラーケンもただのイカです
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ワンドたちが砂漠の街につく少し前、ゼログ達は音速を誇る龍『ソニック・ドラゴン』を使役し、雲海の上を飛んでいた。
雲の上を風を切って走るドラゴンの姿は、まさにファンタジーの名にふさわしい幻想的な美しさといえた。
「目的の遺跡まで、あとどれくらいで着きそうだ?」
ゼログは同行者であるリズリーの兄、シスクに尋ねる。
「……今、海峡の上くらいだから……6時間と言ったところか」
「そうか、まだ結構かかるな」
だが、そう言ったゼログに対して驚愕の表情で答える。
「結構!? 何言ってるんだ! 船旅だったら2週間はかかるんだぞ? お前は少し、自分が凄いことをしているのを自覚したらどうだ!」
「凄いのはソニック・ドラゴンと、それを使役したあなただ。私じゃない」
ゼログは決して自身の能力の高さを誇示しない。
そのことは、短い旅の中でもシスクは理解していた。
「……ったく……そうだ、果物でもどうだ?」
シスクはそう言うと、砂漠で手に入れた果物を渡してきた。
奇しくもそれは、ワンドたちが少女……に扮した魔族から受け取ったものと同じ果物だった。
「いいのか? ありがとう」
「フン……」
そういいながらもシスクは、その秀麗な笑顔を見て、思わずプイと目を背けた。
この男「ゼログ」のことをシスクはいまだにつかみかねていた。
恐ろしいほどの卓越した剣の速さに、サイクロプスの頭目すら圧倒する膂力。
金や女に全く興味を示さない無欲さを持つ一方、俗世に興味が無いわけではない。それどころか他者とのつながりを好み、また社交性も高い。
そして何より『ワンド』の名を名乗りながらその富と功績を惜しみなく彼に与えつつ、ある程度話が通じる魔族に対しては時折『ゼログ』の名を用いている。そんな彼の行動の動機が理解できない。
さらに、ゼログが自分の目的である『リズリーの身体から魔王の魂を分離する』という計画に協力してくれる理由も不明だ。
魔王の魂を自分が取り込み、もっと強くなりたいから?
いや、彼を見る限り、リズリーから分離させた『魔王の魂』を必要とするほど、力に飢えている様子もない。
寧ろ、下手に相手の能力を取り込むことは、デメリットにすらなりうる。
たとえば、ヴァンパイアを取り込んだアルラウネなどは、不死の能力だけでなく、日光に弱くなるという能力まで取り込んでしまう。そのような個体は、光合成が出来なくなり命を落としてしまう。
人類の歴史は魔族との戦いの歴史だ。シスク自身も『魔族特効』の魔法をいくつも覚えている。
そのため、現時点で天下無双の力を持つゼログには、魔王の力は足かせにすらなると言えるだろう。
「どうしたんだ、シスク殿?」
「あ、いや……ところでその果物の味はどうだ?」
「ああ、美味しいな。……海の上で食べると格別だ」
だがシスクは、彼のことは一人の人間としては嫌いではなかった。
そう考えていると、ゼログはぽつりとつぶやいた。
「今ごろ、ワンドとトーニャは、どうしているかな……」
「またその二人か? 本当にゼログは二人のこと、気に入ってるんだな」
「ああ。……最近、ヴァンパイアをあの二人が倒したと聞いてな。私も二人が元気そうで安心したところだよ」
「そういや、サイクロプスの街でそんな話があったな。……リズリーも元気そうでよかったよ」
二人はソニック・ドラゴンで海峡を渡る前に街に戻り、水と食料を補充していた。
その際に勇者ワンドとトーニャ、そしてリズリーの話を聴いていた。
ゼログはこの二人の話になると、饒舌になることが多い。
「話を聴くと、ワンドは愛するトーニャの渾身の魔法をその剣に宿し、ヴァンパイアの心臓を貫いたという話だったな。その時の言葉が『お願い、ワンド! 私の想いを……あなたの力に変えて!』だったらしい。他には……」
「それも凄いけどさ! リズリーが炎の力で奴を足止めしたとも言っていてさ! しかもその炎の姿は、太古の昔に封印された『破邪の紋章』と同じ形だったらしいな。あとは……」
……やはり噂は尾ひれがつくものなのだろう。
相当に誇張された会話になっていたが、二人はそれを分かったうえで、楽しくその話を互いにして笑いあった。
ゼログにとってはワンドとトーニャ、シスクにとってはリズリーが最大の関心ごとである。その為、彼らの話は二人の共通の話題だからだ。
そしてしばらくその話題について笑いあっていると、突然ゼログはピクリ、と耳を澄ませた。
「……おい、聞こえるか?」
「なにをだ?」
「人々の悲鳴が聞こえる……この下だ!」
「え? あ、おい、何やってんだ!」
そう言うなりゼログは突然ソニック・ドラゴンから飛び降りた。
雲海に飛び込みあっという間に見えなくなったゼログを見てシスクは、少し呆れながらもソニック・ドラゴンに高度を落とす命令を出した。
「この距離から平然と飛び降りれるあいつは、化け物だよな、ほんとに……」
当然だが、遥か上空から雲海の下にいる人々の声など聞こえるわけがない。
ゼログはおそらく、彼らが用いた救難用に使われる魔道具から発された乗客の声を感じ取ったのだ。
ある程度高度を落とした時、ようやくシスクにも、その魔力に乗って飛ばされた『声』を感じ取れた。
「……あそこか……。ゼログの奴、なんて感知能力だよ、ったく……。それに、急ぎの旅だと言ってるのに、困った奴がいるとわかると放っておけないんだな、あいつは……」
迷惑そうにソニック・ドラゴンを急降下させながらも、シスクはゼログを少し憎めなく思い苦笑した。
ゼログが飛び降りたそのはるか下には大海原が広がっていた。
その大海原でぽつんと頼りなく浮かぶ帆船。その帆船はいくつもの触手に捕まれていた。
「ひ、ひいい……!」
「なんでこんな時期に……くそ!」
「きゅ、救命ボートは?」
「ダメ、この嵐じゃ……」
雲の上を悠々と飛んでいたゼログ達と異なり、海の上では大嵐が巻き起こっていた。
そんな中で彼らの船は、魔物のクラーケンに捕まっていた。
全長にして少なくとも40mはある大イカの前で、彼らは無力に叫んでいた。
「な、なに、あれ……」
だが、そんな中一人の少年が、空から降りてきた一筋の光に気が付き、指さした。
その光をみて他の乗客たちも口々にその姿を見て驚きの声を上げる。
「え? ……嘘だろ、こっちに来る……!」
そう思った瞬間、どずうううううん……と凄まじい衝撃が船内に走る。
「な、なにがあったの……」
その答えはすぐに分かった。
「グウウウウウウ……」
そんな、海に響くようなうめき声と共に、船に巻き付いていた触手がほどかれていく。
そして、水面にわずかに顔を出していたクラーケンが、全身を露わにし、海面に横たわった。……ゼログがこの怪物を退治したのだ。
降下の最中に着替えたのだろう(ゼログはワンドの服を下に着こんでいる)。
当ゼログは、ワンドと同じ服装をして顔が分かりにくいように船から顔を少し背けている。
そしてゼログは叫んだ。
「私の名はワンド! あなた方を苦しめる怪物は、我が恋人トーニャの告げにより参った、このワンドが討ち取った!」
雲の上を風を切って走るドラゴンの姿は、まさにファンタジーの名にふさわしい幻想的な美しさといえた。
「目的の遺跡まで、あとどれくらいで着きそうだ?」
ゼログは同行者であるリズリーの兄、シスクに尋ねる。
「……今、海峡の上くらいだから……6時間と言ったところか」
「そうか、まだ結構かかるな」
だが、そう言ったゼログに対して驚愕の表情で答える。
「結構!? 何言ってるんだ! 船旅だったら2週間はかかるんだぞ? お前は少し、自分が凄いことをしているのを自覚したらどうだ!」
「凄いのはソニック・ドラゴンと、それを使役したあなただ。私じゃない」
ゼログは決して自身の能力の高さを誇示しない。
そのことは、短い旅の中でもシスクは理解していた。
「……ったく……そうだ、果物でもどうだ?」
シスクはそう言うと、砂漠で手に入れた果物を渡してきた。
奇しくもそれは、ワンドたちが少女……に扮した魔族から受け取ったものと同じ果物だった。
「いいのか? ありがとう」
「フン……」
そういいながらもシスクは、その秀麗な笑顔を見て、思わずプイと目を背けた。
この男「ゼログ」のことをシスクはいまだにつかみかねていた。
恐ろしいほどの卓越した剣の速さに、サイクロプスの頭目すら圧倒する膂力。
金や女に全く興味を示さない無欲さを持つ一方、俗世に興味が無いわけではない。それどころか他者とのつながりを好み、また社交性も高い。
そして何より『ワンド』の名を名乗りながらその富と功績を惜しみなく彼に与えつつ、ある程度話が通じる魔族に対しては時折『ゼログ』の名を用いている。そんな彼の行動の動機が理解できない。
さらに、ゼログが自分の目的である『リズリーの身体から魔王の魂を分離する』という計画に協力してくれる理由も不明だ。
魔王の魂を自分が取り込み、もっと強くなりたいから?
いや、彼を見る限り、リズリーから分離させた『魔王の魂』を必要とするほど、力に飢えている様子もない。
寧ろ、下手に相手の能力を取り込むことは、デメリットにすらなりうる。
たとえば、ヴァンパイアを取り込んだアルラウネなどは、不死の能力だけでなく、日光に弱くなるという能力まで取り込んでしまう。そのような個体は、光合成が出来なくなり命を落としてしまう。
人類の歴史は魔族との戦いの歴史だ。シスク自身も『魔族特効』の魔法をいくつも覚えている。
そのため、現時点で天下無双の力を持つゼログには、魔王の力は足かせにすらなると言えるだろう。
「どうしたんだ、シスク殿?」
「あ、いや……ところでその果物の味はどうだ?」
「ああ、美味しいな。……海の上で食べると格別だ」
だがシスクは、彼のことは一人の人間としては嫌いではなかった。
そう考えていると、ゼログはぽつりとつぶやいた。
「今ごろ、ワンドとトーニャは、どうしているかな……」
「またその二人か? 本当にゼログは二人のこと、気に入ってるんだな」
「ああ。……最近、ヴァンパイアをあの二人が倒したと聞いてな。私も二人が元気そうで安心したところだよ」
「そういや、サイクロプスの街でそんな話があったな。……リズリーも元気そうでよかったよ」
二人はソニック・ドラゴンで海峡を渡る前に街に戻り、水と食料を補充していた。
その際に勇者ワンドとトーニャ、そしてリズリーの話を聴いていた。
ゼログはこの二人の話になると、饒舌になることが多い。
「話を聴くと、ワンドは愛するトーニャの渾身の魔法をその剣に宿し、ヴァンパイアの心臓を貫いたという話だったな。その時の言葉が『お願い、ワンド! 私の想いを……あなたの力に変えて!』だったらしい。他には……」
「それも凄いけどさ! リズリーが炎の力で奴を足止めしたとも言っていてさ! しかもその炎の姿は、太古の昔に封印された『破邪の紋章』と同じ形だったらしいな。あとは……」
……やはり噂は尾ひれがつくものなのだろう。
相当に誇張された会話になっていたが、二人はそれを分かったうえで、楽しくその話を互いにして笑いあった。
ゼログにとってはワンドとトーニャ、シスクにとってはリズリーが最大の関心ごとである。その為、彼らの話は二人の共通の話題だからだ。
そしてしばらくその話題について笑いあっていると、突然ゼログはピクリ、と耳を澄ませた。
「……おい、聞こえるか?」
「なにをだ?」
「人々の悲鳴が聞こえる……この下だ!」
「え? あ、おい、何やってんだ!」
そう言うなりゼログは突然ソニック・ドラゴンから飛び降りた。
雲海に飛び込みあっという間に見えなくなったゼログを見てシスクは、少し呆れながらもソニック・ドラゴンに高度を落とす命令を出した。
「この距離から平然と飛び降りれるあいつは、化け物だよな、ほんとに……」
当然だが、遥か上空から雲海の下にいる人々の声など聞こえるわけがない。
ゼログはおそらく、彼らが用いた救難用に使われる魔道具から発された乗客の声を感じ取ったのだ。
ある程度高度を落とした時、ようやくシスクにも、その魔力に乗って飛ばされた『声』を感じ取れた。
「……あそこか……。ゼログの奴、なんて感知能力だよ、ったく……。それに、急ぎの旅だと言ってるのに、困った奴がいるとわかると放っておけないんだな、あいつは……」
迷惑そうにソニック・ドラゴンを急降下させながらも、シスクはゼログを少し憎めなく思い苦笑した。
ゼログが飛び降りたそのはるか下には大海原が広がっていた。
その大海原でぽつんと頼りなく浮かぶ帆船。その帆船はいくつもの触手に捕まれていた。
「ひ、ひいい……!」
「なんでこんな時期に……くそ!」
「きゅ、救命ボートは?」
「ダメ、この嵐じゃ……」
雲の上を悠々と飛んでいたゼログ達と異なり、海の上では大嵐が巻き起こっていた。
そんな中で彼らの船は、魔物のクラーケンに捕まっていた。
全長にして少なくとも40mはある大イカの前で、彼らは無力に叫んでいた。
「な、なに、あれ……」
だが、そんな中一人の少年が、空から降りてきた一筋の光に気が付き、指さした。
その光をみて他の乗客たちも口々にその姿を見て驚きの声を上げる。
「え? ……嘘だろ、こっちに来る……!」
そう思った瞬間、どずうううううん……と凄まじい衝撃が船内に走る。
「な、なにがあったの……」
その答えはすぐに分かった。
「グウウウウウウ……」
そんな、海に響くようなうめき声と共に、船に巻き付いていた触手がほどかれていく。
そして、水面にわずかに顔を出していたクラーケンが、全身を露わにし、海面に横たわった。……ゼログがこの怪物を退治したのだ。
降下の最中に着替えたのだろう(ゼログはワンドの服を下に着こんでいる)。
当ゼログは、ワンドと同じ服装をして顔が分かりにくいように船から顔を少し背けている。
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