上 下
47 / 126
家を出てから

家を出てから 第七話

しおりを挟む
「ふぁ~ゆき~僕となんか約束事してなかった?」と眠たそうに言う

僕は悠羽に言われ、思い出し、「あっ、うん」と答えた

「なんだったの?」と不思議そうに聞いてくる

僕は誰もいないか、辺りをキョロキョロ見渡し、悠羽に言った「じ、実はね、運命の番と出会っちゃったの」と悠羽にだけ聞こえるように、少し、小声で言った

「えぇっ!すごいじゃん!」と興奮したように講義室に響く大きな声で言った

僕は誰かに聞かれたらまずいと思い「シーーーー」と悠羽に言ったが、悠羽は興奮冷めやらぬって感じだった

「ゆき!僕、詳しく聞きたい!」と言い、席に座った

僕は、悠羽に腕を引っ張られていやいや席に着いた

あれやこれや、悠羽に玲央さんと出会った場所、1週間の出来事を全て吐かされた

話していたらなんか、急にどっと疲れが、、、

僕とは違い悠羽は目を光らせながら次の話を待っている

そんな、悠羽を見て僕は「もう、終わりだよ、僕は逃げたんだ」と言った

それを聞いた悠羽は悲しそうに「そうなんだ」と言った

少しの沈黙があった後、悠羽は疑問そうに「なんで逃げたの?」と聞いてきた

「ん~それは、、、、」と僕は言葉が出なかった

また、沈黙が続き悠羽が口を開いた「ゆきはそれでいいの?逃げちゃって」

僕はその言葉を聞いて戸惑った、自分は逃げたくなかった、一緒に居たかったでも、、、「うん、僕は逃げて正解だったと思う、だって、運命の番の幸せが僕の幸せだから」

「僕と、その運命の番が一緒にいてても、運命の番さんは幸せになれないと思うんだ」

「なんでそう思うの?」と聞いてきた

「そ、それは、、、、僕は、地味で、不細工だから、、、」

「ん~2人の関係はわからないけどさ、僕は容姿とか関係ないと思うよ、それにゆきに後悔して欲しくないな、運命の番と出会って」

それを聞いて僕は良い友達を持ったなと思ったと同時に、自分は今後悔してるかと考えた

悩んだ末、僕が導き出した答えは後悔してないだ

だって、僕が玲央さんの立場だったら、こんな不細工にまとわりつかれて嫌だと思う

僕は玲央さんの気持ちを優先させることしか出来ない

僕が駄々こねて、玲央さんと付き合いたい!とか番になりたい!とか思っちゃっダメなんだ

それは、名家でもない、普通の家だったらまだ良かったかもしれないが、貧乏だ

僕は2日間ずっと、釣り合う方法を考えていた

どうしたら、隣に歩けるようになる?どうしたら僕は、玲央さんに付き合ってもらえる?

そんなことが頭の中でぐるぐる回っている

こんな自信ないやつと居ても利益に繋がらない

結局、釣り合う方法は見つからなかった

僕は自然と下を向いていた

そして、握りしめていた手に涙が落ちた

僕の顔と、落ちた涙を見て心配そうに悠羽が「大丈夫?」と声をかけてくれるけど、僕は涙は止まらなかった




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。 全17話、約6万文字。

1人のαと2人のΩ

ミヒロ
BL
αの筈の結月は保健室で休んでいた所を多数に襲われ妊娠してしまう。結月はΩに変異していた。僅か12歳で妊娠してしまった結月だったが。 ※表紙イラスト as-AIart- 様(素敵なイラストありがとうございます!) ·.⟡┈┈┈┈┈︎ ✧┈┈┈┈┈⟡.· BLを書くに辺り、ハッシュタグでオメガバースを知り、人気なんだな、とネットで調べて初めて書いたオメガバースものです。 反省点、多々。 楽しみながら精進します☆

乙ゲーの世界に転生したら、メンヘラアイドルたちに死ぬほど溺愛されてる件について

夜井
BL
主人公総受け ゆっくり更新していきます

運命の番から逃げたいです 【αとΩの攻防戦】

円みやび
BL
【αとΩの攻防戦】 オメガバースもの ある過去から人が信じられず、とにかく目立ちたくないがないために本来の姿を隠している祐也(Ω)と外面完璧なとにかく目立つ生徒会長須藤(α)が出会い運命の番だということがわかる。 はじめは暇つぶしがてら遊ぼうと思っていた須藤だったが、だんたん遊びにできなくなっていく。 表紙は柾さんに書いていただきました! エブリスタで過去投稿していた物を少しだけ修正しつつ投稿しています。 初めての作品だった為、拙い部分が多いとおもいますがどうか暖かい目で見てください。 モッテモテの自信ありまくりの俺様が追いかけるというのが好きでできた作品です。

君は俺の光

もものみ
BL
【オメガバースの創作BL小説です】 ヤンデレです。 受けが不憫です。 虐待、いじめ等の描写を含むので苦手な方はお気をつけください。  もともと実家で虐待まがいの扱いを受けておりそれによって暗い性格になった優月(ゆづき)はさらに学校ではいじめにあっていた。  ある日、そんなΩの優月を優秀でお金もあってイケメンのαでモテていた陽仁(はると)が学生時代にいじめから救い出し、さらに告白をしてくる。そして陽仁と仲良くなってから優月はいじめられなくなり、最終的には付き合うことにまでなってしまう。  結局関係はずるずる続き二人は同棲まですることになるが、優月は陽仁が親切心から自分を助けてくれただけなので早く解放してあげなければならないと思い悩む。離れなければ、そう思いはするものの既に優月は陽仁のことを好きになっており、離れ難く思っている。離れなければ、だけれど離れたくない…そんな思いが続くある日、優月は美女と並んで歩く陽仁を見つけてしまう。さらにここで優月にとっては衝撃的なあることが発覚する。そして、ついに優月は決意する。陽仁のもとから、離れることを――――― 明るくて優しい光属性っぽいα×自分に自信のないいじめられっ子の闇属性っぽいΩの二人が、運命をかけて追いかけっこする、謎解き要素ありのお話です。

双子アルファの素敵な花嫁

白井由紀
BL
囲いたがる双子α×自己嫌悪しかないΩ 愛に飢えてる、佐々木 澪(ささき みお)はそこそこの名家に生まれた次男 家族から愛されたことも名前を呼ばれたことも無く、奴隷みたいに扱われてる なぜなら、自分がオメガだから…。普段、考えることはオメガである自分の嫌のことばかり しかし、ある日、世間知らずの澪でも、知っている名家のお見合いパーティーに行けと言われて… 双子から溺愛されるシンデレラストーリー♡ ★ハッピーエンド作品です ※オメガバース設定です。 ※現代物です(大正時代や、明治時代をテーマにした作品ではありませんのでご注意ください) ※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承ください🙇‍♂️

【R18】ギルドで受付をやっている俺は、イケメン剣士(×2)に貞操を狙われています!

夏琳トウ(明石唯加)
BL
「ほんと、可愛いな……」「どっちのお嫁さんになりますか?」 ――どっちのお嫁さんも、普通に嫌なんだけれど!? 多少なりとも顔が良いこと以外は普通の俺、フリントの仕事は冒険者ギルドの受付。 そして、この冒険者ギルドには老若男女問わず人気の高い二人組がいる。 無愛想剣士ジェムと天然剣士クォーツだ。 二人は女性に言い寄られ、男性に尊敬され、子供たちからは憧れられる始末。 けど、そんな二人には……とある秘密があった。 それこそ俺、フリントにめちゃくちゃ執着しているということで……。 だけど、俺からすれば迷惑でしかない。そう思って日々二人の猛アピールを躱していた。しかし、ひょんなことから二人との距離が急接近!? いや、普通に勘弁してください! ◇hotランキング 最高19位ありがとうございます♡ ◇全部で5部くらいある予定です(詳しいところは未定) ―― ▼掲載先→アルファポリス、エブリスタ、ムーンライトノベルズ、BLove ▼イラストはたちばなさまより。有償にて描いていただきました。保存転載等は一切禁止です。 ▼エロはファンタジー!を合言葉に執筆している作品です。複数プレイあり。 ▼BL小説大賞に応募中です。作品その③

僕のために、忘れていて

ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────

処理中です...