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味見

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一条様は呆れたように「そんなに怒るな」と苦言を呈した

「誰だって寝てる時に襲われたら怒りますよ」

「そうか?俺はゆずが襲ってきても怒らないけどな」とドヤ顔で言ってきた

一条様のドヤ顔は何故か腹が立つ

「とにかく!僕は死ぬほど嫌なんです!」

「じゃあ、今ここで死ぬか?」

この人、悪魔だ…。性格悪いのを忘れていた。人の命なんてミジンコとかアリとしか見てない人だ

「じゃあ!聞きますけど!僕が死ぬの悲しくないんですか?」

「悲しいさ、すごく。けどαってものはどうしても抑えられない欲ってものがある。それを理解してくれとは言わないが運命の番にそんなこと言われたら制御できるものもできないだろ」

まぁ、確かに…?

「ってことで、ゆず体重何キロだ」 

「へ?それはΩのひ・み・つですよ」と言うと急に立ち止まってこっちを向いて急接近してきたのでびっくりして「ど、どうかしました?」と聞くと「いや…」と言いながら急に持ち上げられた

「ちょっと!何するんですか!」

「とりあえずの重さを測ろうと思ってな…」と言い器用にお嬢様抱っこをして歩き始めた

「ええっと、この状況は…なんですか?」

「抱っこすれば、体重が分かるかなと思ってな…だいたい40kgくらいか…」

体重測られるの恥ずかしっ

「いや!人の許可無く測るのはどうかと思います!」と言うと少し申し訳なさそうな顔をして
「すまない。計算したかったんだ…。説明しない限りわかってくれないだろ?」

「ま、まぁ…」

説明されても味見するのは絶対だめだけど

「じゃあ、説明する。現在、ゆずが40kgだとして、普通の料理だいたい400gだと仮定しよう。そうなると味見するのは10gだとするとゆずの味見するのは1kgってことになるわけだ。1kgは俺が味見してもいいって計算になるわけだ」

いや、ならない!ならない!

「計算は分かりましたが!どう考えてもそれが理由にならないというか…」

「じゃあ、試しに1g」と言って立ち止まった

試しに何をするんだろうと思って顔を見あげるといきなりキスされた

「!?」

「これが1g」と一条様はニヤっとした顔を僕に向けた

「はぁ!許可もなしにキス!?急に味見は酷いです!」

「じゃあ、許可ありならいいのか?」と真剣な眼差しで訴えてきた

そんな真剣な顔したってダメなものはダメだし

「もちろんダメですよ!!」ともちろん断った

「もししてしまったら?」

そうだなぁ…甘いものかな…?

「お菓子の詰め合わせください」と言うと一条様はわかったと言いその顔が心做しか悪い顔だった

    
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