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逃げた

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「ていうか、一条様厨二病ぽいですね」

「厨二病ってなんだ?」 

てっきり、一条様の脳内にはたくさんの言葉が埋め込まれているものだと思っていたから厨二病って言葉を知らないなんて!なんか、ちょっと驚き

「俺の事特別に思っている感じですかね。厨二病ぽい男は嫌われますよ!ぷぷぷ!」と嘲笑ってやった

「・・・ふむ…言い訳してもいいか?」

「どうぞ」

あぁ、どんな言い訳が聞けるか楽しみですよ!クックック

「俺の両親は忙しくて、なかなか家に帰らなかったんだ。だからずっと1人だったし、家政婦は居たけど、そいつらも口を開けば勉強勉強ばかりで、楽しいことなんて一つもなかったんだよ。この学校に入ってからもあの3人だけ話しかけてきただけだし、あんまり楽しい思い出は無いな」

・・・そうなんだ…。てっきり、親の愛情とかたっぷりで育てられてなんでも手に入っているイメージだった。なんだか申し訳ないな…。

思い返せば、意外と寂しがり屋だったりするし、感情の起伏が見えないというか…。このステーキも美味しいのに、当たり前のように食べている感じ腹立つけど!あんまり美味しいとか感じないのかな?

「まぁ、一条様の言い分は分かりましたよ、まだ厨二病ぽいですけど!」と言うと「そうなのか…残念だ」と少し悲しそうな顔を見せた

僕が悲しそうって思っているだけかもしれないけど…

・・・「あ!」いいこと思いついた!我ながら頭がいいかもしれない!

「一条様!」

「なんだ?プリンのおねだりか?」

「おねだりしたいですけど!違います!その…お泊まり会楽しみですか?」と言うと即答で「楽しみだ。あんなことやこんなことをするのが楽しみだよ」

「あ、あんなことやこんなこと?」まぁ、だいたい予想はついているけど…

「それは、ゆずだってわかっているはずだろ?」とニヤニヤしながら言ってきた

ちょっと気持ち悪い。

「もう一度言いますけど!変なことをしないって約束ちゃんと守ってくださいね!ってそうじゃなくて、これじゃあ、楽しみって感情あるじゃないですか!なんだ~嘘つきなんだ~騙したんだ~」

「ゆずのことに関しては感情的なものが湧くよ。他人は知らん」

「ま、そういうことにしてやりますか~」

「そういうことにしてやってくれ。じゃあ、俺は食べたから、生徒会の仕事に行ってくる。ゆっくり食べててくれ。もう少し食べたかったら、シェフに言ってくれ、金は俺が持つ」と言い席を立って食堂から出ていった

「絶対あれは逃げたでしょ!」

というか、いつお泊まり会するんだろう…?まいっか!



    
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