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念押し

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ゆずside

「ゆずたーん!いち…じゃなかった、なんかさ!ドアノブにナスが置いてあったんだけど!」

な、なす!?なぜなす!?

びっくりして、翼くんの所へ見に行ったけど、立派なナスで傷ひとつ無い

こんな立派なナス誰が…って、思い返してみれば1人いる…

「これ多分、一条様のナス」

「一条様のナス!?なんでナス?」

「ええっと…たくさんナスの話したからかな…?」

「ふーん、愛妻弁当としてナス入れて持って言ってあげたら?きっと一条様喜ぶよ~」

「喜ぶわけないよ、まぁ、夕食に余ったらお弁当の中に入れるけど…」

「熱々ですな!だって、嫌いと言っておきながら夕食に入れちゃうあたり~」と鋭い目で翼くんが言う

「断じて、そ、そんなんじゃない!!余ったら、可哀想じゃん?」

「そうなのかなーそういうことにしとくよー」と小言を言われながらもナスを受け取った


「んー美味しそうな匂いがぷんぷんしますね!」と翼くんが階段をあがりながら僕の持っているナスの炒め物の匂いを嗅ぐ

「僕、こう見えても料理は得意な方なんだ!まぁ…実家が農家だしね!」

「そうなんだ!いいお嫁さんになるだろうな~…一条様の!これもさぞかしこれも美味しいだろうね!」

翼くん、一条様のは余計かな…

それから、ナスの炒め物を食べて結局余ってしまったので明日のお弁当の中に入れていくことになった

ナスの天ぷらとか食べたかったけど、さすがに油が高いので辞めた

食べたかったなぁ~とか思いつつ、就寝した

***

朝はいつも通りお弁当を作り、学校に着いた

「かおりくん、おはよぉー」

「ゆず!実は謝らないといけないことがある!」と言って立ち上がり、僕の肩を揺らした

???

謝らないといけないこと?

「そ、その…怒らないで聞いてね?僕が一条様の部屋に行ったって言うことをバラしちゃったの…」

「ん?」一瞬理解ができなかったけど、親衛隊隊長が僕に聞いてきたのを思い出した

「あのね、一条様親衛隊の会員は500万人ぐらいいるわけであってね!」

500万人!?

「500万人は嘘だよね?かおりくん」

「まぁ、それよりもちょっと少ないぐらいだけど…凄くいっぱいいるんだ。で、僕の友達が親衛隊に入ってること知らなくて、ゆずたんが一条様と一緒に‪α‬の寮に入っていくのを見かけた時にね、ゆずだ!って言っちゃったんだ」

な、なるほど…悪気があった訳ではないんだね

「わかったけど、僕のこと二度と言わないでね!」

「はい…ごめんね!ゆず!友達じゃないとか言わないでね!」

「それは、言わないよ!でも、お口チャックだからね!」と念押しておいた




    
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