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気持ち

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「ゆず...」

「僕、これからも2人の分、自分で背負うつもりだし、死んじゃうかもしれないから話すね」

「ゆずたん、今度は僕が引き受けるから!2人の分まで!」

「僕だって!2人の分まで引き受ける!!!!気合と根性で乗り切ってみせるよ!」

「ふふっ、ありがと。実はさ、2人が初めての友達なんだ。僕さ、田舎で育ったからさ、すぐオメガってのが広まっちゃって、友達が出来なかったの...友達できるどころか虐められて、辛いことたくさん経験した。あ、でも!そこでプリンが好きになるんだ」

「お母さんがさ、虐められて帰ってきたら、必ず泣くな、元気出せって言ってスーパーとかに売ってる安いプリンを出してくれるの...その時、すごく嬉しくてさ、プリンの甘さで、どんな痛みも耐えてこられた、プリンがあったからどんなことも頑張れた」

「ゆずたん...そうだったんだ...初めて知ったよ」

「僕も...」

「それでね、一条様に、会うのは想定外だったけど、初めて友達が出来て嬉しかったんだ。想像以上に...沢山の経験をさせてもらった。いっぱい笑ったし、楽しかった!2人が居たから頑張ってこれた。2人は甘いプリンみたいな存在だね!だから、僕の幸せをくれた2人に手を出して欲しくないの」と言ったところで、スーッと涙がこぼれ落ちているのがわかった

振り返ると思った以上に、心が傷ついていることがわかった

「ゆず...」

「ゆずたん...」

「ゆずたん!やっぱり、ダメだよ!僕だってそんなにひ弱じゃないもん!ほんとに死んじゃう!」と翼くんが止める

それにつられてかおりくんも「そうだぞ!ゆず!」と言ってくれた

だけど、僕の気持ちは変わらない。僕のせいで2人を巻き込んでしまった。

「僕が一条様の運命の番のせいで2人を巻き込んじゃったわけでしょ?死んだら死んだで運命の番解除されるし、一条様だって、こんなオメガと番にならなくてせいせいすると思うんだ。僕のせいで2人に迷惑かけたくないの!」とつい熱くなってしまった

「迷惑かけるのが、友達なの!ゆずたんばっかり耐えるなんて許さない!!!」

「翼くん...ありがと...だけど、これは最後のわがままだと思って聞いて...」

本当に2人に迷惑をかけたくない。自分が一条様の番だったから...

これから、僕には凄い仕打ちが来るはずだ。あんなパンチ何発か食らってたら絶対に死ぬだろう...

今まで幸せだったツケが回ってきたんだ
    
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