全寮制の学園に行ったら運命の番に溺愛された話♡

白井由紀

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それから、一条様は喋りかけようとしてたみたいだけど、僕はフル無視して数十分が経った

「ゆず、もうすぐで着くぞ」

「あっ、はい…。というか、一条様、どこに向かってるんですか?」

「それはだな…着いてからのお楽しみだ」と教えてくれなかった

服装?的なことを学園で言ってた気がするのは確か…

お店屋さんか!って、田舎にいたからどんなのなんだろう!やっぱり、キラキラしてる感じなのかな!今度、どこか行った時に妹の服買ってあげようかな!

僕って、優しいお兄ちゃん!!とニヤニヤしていたら「ゆず、何考えてるんだ?」と聞かれた

「いつもなら、わかりやすい顔してるんだが、今の、表情は俺の脳内の中に入ってなかった表情だった。何考えてたんだ?」

ちょっと、気持ち悪い質問だな…。今の表情は俺の脳内の中に入ってなかったってことは、そのほかは入ってるということ!すなわち!プリンと対面した時のニマニマや、一条様と話してる時の表情全てが手に取るようにわかるということ!

僕の人生終わったかも…ガクッ…と肩が落ちた

いやでも!絶対にそんなことはない!!!!!と思っていたら「いや、そんなことあるぞ」と一条様が急に僕の脳内に入ってきた

これも、まさか!「あぁ、まさかだな」

え、僕ってそんなにわかりやすいの…?

確かに、家族に手に取るようにわかるねって言われたことがある!

もう、一条様の前では何も考えないようにしよ…。それがいいや…。と諦めた

「んで、何考えてたんだ?」

「ええっと、妹のために服を買ってあげようかな!と」

「妹にか…。俺には?」

予想外の質問に「え…」と戸惑ってしまった

「も、もちろん!なしです!なし!あげません!」

「そうか…残念だ…。俺も妹に買おうかな」

「え、一条様、妹いたんですか?」

「いや、いないぞ?」

ん?いないのに買うの?

「ゆずと婚約してるから、ゆずの妹は俺の妹みたいなもんだろ」

た、確かに?って「いつ婚約したんですか!!!」

「したじゃないか!忘れたのか!?」と言われ、今までの出来事を思い出してみるが、婚約した覚えもない

「忘れてないです!してないですから!」

「いや、ゆずが忘れてるだけで、ほんとに婚約してるんだ!」  

「いいえ!してません!」

「いや、してる!」

「してません!」と言い争っていたら、運転手さんから「もう、着きましたよ」と言われ2人とも我に返り、言い争いは無くなった

「じゃあ、降りるかゆず」

「は、はい」

先に一条様が出て、外から手を差し伸べられ、まぁ、レディーファースト並びにオメガファーストだから仕方なく握ってやった

車を出ると、目の前には大きなホテルがあった

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