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プロポーズと影

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「僕はやっぱりそれがトラウマになっててあなたのことを見るのも恐怖だし…一生分かり合えない気がします」と

うん…僕もそうだと思う…。

一条様にそんなことやられたら足蹴りしてそういうところがダメなんですよ!だから、クソ集団って言われるんですよ!って言ってやるもん!

想像してきたらなんか腹が立ってきた!

イケメンだからって何をやってもいいって訳じゃないし、オメガだって好きな相手と番いたい

初めましての方と番たくは無い

唯くんの気持ちが凄くわかる!と共感していたら月城先輩が喋りだした

「そうか…」

「だが…いや、すまなかった」

「でもな、私は唯が欲しい…番いたいし、結婚だってしたい。まだ、会ったばかりなのに、何日も何時も唯のことを考えてしまうんだ」

「だから、人生をかけてプロポーズをするよ」

「傷つけてしまったのに…こんなことを言ってしまっておかしいとは思うが、私は本気だ」

「話がまとまらなかったが、とにかく好きだということを伝えたかった。邪魔したな」と言いクルっと振り返り去っていった

僕はその話を聞いて、唯くんのことを思ってるのはわかったけど、自分勝手だな~みたいなことしか思わなかったけど、唯くんはどう捉えているんだろうか…と思い唯くんの方を見た

横顔しか見れないけれど、不安と安心が交互に押し寄せて行っているような、複雑な感じだということぐらいしか読み取れなかった

多分、信じていいのか分からないんだと思う。

僕もそんなことされて、さっきのことを言われたら、混乱するしほんとに信じていいのか分からない

悲しそうな顔をする唯くんに僕はかける言葉も何もない…。

慰めるのもなんか違う気がするし…。

ずっと黙っている唯くんを見ていたらお腹が空いてきちゃって「グゥ~~~~」となってしまった

しまった!おにぎり食べておけば…。

あっ!ラーメンでもいいなぁ~ジュルリ…

いけないいけない!唯くんのことの方が大切だろ!?

なんて考えていると「クスクス」と唯くんが笑いだした

「ゆずくんの…クスクス…お腹は正直なんだね…クスクス」

これなら唯くんを笑顔にできるかも!と思い「はい!正直なんです!」

なんて言うともっと笑ってくれた

「ゆずくん!ありがと!おかげで笑えた!」と言った時に風がなびいて唯くんの前髪が少しみだれ、綺麗な瞳が僕の目に写った

唯くん…笑えたなら良かった

なんてほんわかしている2人に恐ろしい影が迫ってきているのを知らずに…。
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