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* 死神生活三年目&more *
第337話 死神ちゃんとお肉屋さん④
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死神ちゃんが降り立ったのは、五階の水辺地区だった。〈担当のパーティー〉と思しき冒険者を探して辺りを見回してみると、河原にうずくまっている柔道着姿のドワーフを見つけた。背後にそっと近づいていくと、彼は突如立ち上がり、そして気合いの篭った雄叫びを上げて拳を振り下ろした。
砕け散る石塊に驚いた死神ちゃんは、思わず呻き声を上げた。その声に気がついたドワーフは、振り返り笑顔を浮かべた。
「おお、いつぞやの死神の嬢ちゃんじゃあないか。久しぶりだなあ」
「ん? お前、もしかして、肉屋か? その格好、どうしたんだよ」
「前に、肉にこだわりがあるから山に自ら獲りに行くことがあると言っただろう。先日もそれで狩りに行ったんだがな。熊に出くわして。こいつが意外と強くてだなあ。倒し損ねたんだよ。それで、鍛え直そうと思って来たんだ」
ドワーフは快活に笑うと、手ぬぐいで手を綺麗にし、ポーチの中から自家製ピザやささみ燻を取り出した。それを死神ちゃんに差し出しながら、彼は首を傾げてぼんやりと呟いた。
「それにしても、あの赤茶の毛玉。ありゃあ、熊で間違いないんだよな? 俺のしとめたイノシシを掻っ攫おうとしていたんだが……」
死神ちゃんは、引きつる頬を一生懸命持ち上げて笑顔を繕った。そして「イノシシが無事でよかったですね」と返しながら、ありがたく食べ物を頂戴した。
彼はこの街で肉屋を営んでいる。度々ダンジョンにやって来ては、調理器具を探し歩いていた。本日の目的は修行だけなのかと尋ねてみると、彼は「アイテム探しも兼ねて」と答えた。
以前彼はダンジョン産の刃物を研ぐために、ダンジョン産の砥石を手に入れようとしていた。そのときは火炎区域で鉱物探しを行い、砥石ではなく火の魔法石を入手して、せっかくだから愛妻へのプレゼントにすると言っていた。あれからも定期的に火炎地区に通っていたそうなのだが、あるとき、街の食堂を営むマンマから「水辺地区のほうが拾いやすい」と教わったのだとか。
「何でも、よく食べに来る釣り人さんが教えてくれたらしくてな。そんなわけで、石割りエクササイズがてら探しているってわけなのさ」
「割って探すなら、火炎地区のほうが向いている気がするんだが……。河原で探すなら、もっと小さいものなんじゃあないのか?」
「いや、それが意外と大きなサイズが手に入るらしくて。……お、ちょうど今割ったやつがそれっぽいな。どれ、ちょっと研いでみるか」
「そんな簡単に手に入るものなのかよ」
ささみ燻にかぶりつきながら、死神ちゃんは首を捻った。肉屋は「まあ見てろ」と言いながら、包丁を取り出し、さっそく研ぎ始めた。
包丁を研ぎながら、彼は心なしか顔をしかめた。
「そういえばなんだが。今、街でちょっとした騒ぎが起きていて。うちの家内とマンマが忙しくしているんだよ」
「はあ……。何でまた」
「街のパン屋が突然、〈宿敵を打ち倒すまで休業とさせて頂きます〉とか言い出してな。店を開けなくなっちまったんだよ。おかげで、パンが気軽に手に入らなくなったってんで、店で自家製パンを提供し始めたマンマと、以前からピザを焼いていたうちの家内のところにパンを買い求めに来る人が増えてなあ」
死神ちゃんが〈パン屋が休業〉というワードに思わずむせ返ると、肉屋が包丁研ぎの手を休めて水筒を差し出してきた。死神ちゃんはそれをおずおずと受け取りながら、気まずそうに謝罪の言葉を述べた。肉屋は不思議そうに首をひねると、包丁研ぎに戻り話を再開させた。
「何で嬢ちゃんが謝るんだ? ――しかもな、暗い面持ちでバタールを抱えて、街を徘徊するようになって。街のみんなで〈どうしたんだろう〉と様子を窺っていたら、冒険者の腕輪もなしにダンジョンに入っていくし。几帳面で忘れ物なんかしないような人だったのに、腕輪を忘れてダンジョンに潜るだなんて。一体どうしたんだろうなあ……」
「何ていうか、本当に、すみません……」
「だから、何で嬢ちゃんが謝るんだよ」
下を向いてプルプルと震える死神ちゃんの頭を、肉屋はポンポンと撫でた。そしてまるで落ち込んだのを慰めるかのように「ささみ、もっと食うか?」と言って、ポーチからお代わりを出してくれた。
「よし、こんなもんでいいだろう。――うん、刃の部分が綺麗に光っているな。こりゃあ良い砥石を手に入れたもんだ」
包丁が研ぎ終わると、肉屋はそれを陽の光にかざしながら満足気にうなずいた。そしてニヤリと笑うと、彼は砥石だけをポーチにしまい込んだ。
「包丁は仕しまわないのか?」
不思議そうに目を瞬かせた死神ちゃんに、肉屋は当然とばかりに胸を張った。
「そりゃあ嬢ちゃん、お前、試しに使うに決まってるだろうよ」
「……それ、ちゃんと〈戦闘用〉だよな?」
「安心しろ、ちゃんと〈戦闘用〉だ! じゃないと、うちのにまたこっぴどく怒られちまうからな!」
表情もなく尋ねてきた死神ちゃんに、肉屋は豪快に笑った。死神ちゃんがヘッと鼻を鳴らして笑い返すと、肉屋は眉を吊り上げた。しかし、その瞳は死神ちゃんではなくその後ろのものを捉えていた。
肉屋は転げるように走り出すと、死神ちゃんを突き飛ばした。押しのけられて尻もちを突いた死神ちゃんが次に見たのは、ケルベロスなサメに食いつかれた肉屋だった。死神ちゃんは驚愕すると、思いっきり叫んだ。
「ええええええええ!? 何でお前、食いちぎられないんだよ! どうなってるんだよ、お前の首は!」
「おう。鋭い歯が通らずに、ガジガジされ続けてるな。俺もびっくりだよ」
「いやいやいや、何普通に返事してるんだよ! 食われて死んで、灰になれよ!」
さすが死神、などと言いながら、肉屋は頭をすっぽりとサメ(真ん中)の口内に収めたままゲラゲラと笑いだした。よくよく見てみると、サメの歯は彼の着ている柔道着の襟元に弾き返されているようだった。
「何だ、その道着……。本当に道着……?」
「おう。先日、ダンジョン内で拾ったんだよ。鋼の強さを手に入れるには、やっぱり道着だろうと思っていたからちょうどよかったよ。〈剛よく柔を断つ〉っつーやつ……よッ!」
肉屋はサメの手をかけると、勢い良く投げ飛ばした。ズウンと音を立てて地に伏し、ビチビチと暴れまわるサメを見下ろすと、彼はゴキゴキと肩を鳴らした。
「人の首刎ねようたあ、大した魚様だなあ」
「ていうか、もしかして、俺を助けてくれようとしたのか? 俺、このダンジョンの罠なんだし、そもそも物理攻撃無効だから、放っておいてくれてよかったんだが」
「あっ、そうか。嬢ちゃんはただの幼女じゃあなかったんだもんな。その見た目に、うっかりさせられていたよ。――まあ、でも」
呆れ顔の死神ちゃんに茶目っ気たっぷりに返した肉屋は、一転してニヤニヤと悪い笑みを浮かべた。彼は、水の中に戻ろうともがいているサメを見下ろして鼻を鳴らした。
「こいつが俺に牙を向けたことには違いないよな。俺ぁ肉屋だから本来はお前さんの相手はしないんだが……。いいだろう。包丁の研ぎ具合を試すついでに、いっちょ相手してやろうじゃあないか」
肉屋は道着の上衣を格好良く脱ぎ捨てると、包丁を握り直してサメに踊りかかった。左右の頭を手早く削ぎ落とし、あっという間にケルベロスなサメを〈ただのサメ〉に仕立てた。彼は包丁の切れ味に納得の表情でうなずくと、とどめを刺すべくサメに向き直った。そして余裕の表情を見せていた彼の顔から、サアと血の気が引いた。
「切り落とした頭から、身体が生えて三体になった、だと……!?」
サメはビチビチと身じろぐと、ビタンと跳ねて肉屋に食らいついた。残念なことに、彼は道着の上衣を脱ぎ捨ててしまっていたため、そのまま美味しく頂かれてしまった。死神ちゃんは何事もなかったかのように水の中へと戻っていく三匹のサメをぼんやりと見つめながら「やっぱり、チェンソーか爆破以外には倒せないものなのか」と戸惑ったのだった。
**********
待機室に戻ってきた死神ちゃんは、不思議そうに首を傾げた。どうしたのかとケイティーに声をかけられて、死神ちゃんはあの道着のことを尋ねた。ケイティーはあっけらかんとした表情で、さも当然のように答えた。
「そりゃあ、お前、柔道は首をとられたらまずいだろう?」
「首っていうか、襟元な」
「まあ、とにかく、そういうわけだよ」
「どういうわけだよ!」
死神ちゃんが素っ頓狂な声を上げたが、ケイティーはおかしそうにケラケラと笑うばかりだった。後日、死神ちゃんは元の姿に戻ったときにケイティーと柔道の組手を行った。体術が誰よりも得意な彼女は格闘技にも精通していて、死神ちゃんは彼女の〈首〉をとるのに苦労した。むしろ体格差がかなりあるというのにスパスパと投げ飛ばされて、悔しい思いをしたという。そして改めて「〈首〉は大事だ」と思ったのだった。
――――なお、サメの討伐方法については「〈お約束〉なら、それも致し方ない」で決着がついたのDEATH。
砕け散る石塊に驚いた死神ちゃんは、思わず呻き声を上げた。その声に気がついたドワーフは、振り返り笑顔を浮かべた。
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「ん? お前、もしかして、肉屋か? その格好、どうしたんだよ」
「前に、肉にこだわりがあるから山に自ら獲りに行くことがあると言っただろう。先日もそれで狩りに行ったんだがな。熊に出くわして。こいつが意外と強くてだなあ。倒し損ねたんだよ。それで、鍛え直そうと思って来たんだ」
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彼はこの街で肉屋を営んでいる。度々ダンジョンにやって来ては、調理器具を探し歩いていた。本日の目的は修行だけなのかと尋ねてみると、彼は「アイテム探しも兼ねて」と答えた。
以前彼はダンジョン産の刃物を研ぐために、ダンジョン産の砥石を手に入れようとしていた。そのときは火炎区域で鉱物探しを行い、砥石ではなく火の魔法石を入手して、せっかくだから愛妻へのプレゼントにすると言っていた。あれからも定期的に火炎地区に通っていたそうなのだが、あるとき、街の食堂を営むマンマから「水辺地区のほうが拾いやすい」と教わったのだとか。
「何でも、よく食べに来る釣り人さんが教えてくれたらしくてな。そんなわけで、石割りエクササイズがてら探しているってわけなのさ」
「割って探すなら、火炎地区のほうが向いている気がするんだが……。河原で探すなら、もっと小さいものなんじゃあないのか?」
「いや、それが意外と大きなサイズが手に入るらしくて。……お、ちょうど今割ったやつがそれっぽいな。どれ、ちょっと研いでみるか」
「そんな簡単に手に入るものなのかよ」
ささみ燻にかぶりつきながら、死神ちゃんは首を捻った。肉屋は「まあ見てろ」と言いながら、包丁を取り出し、さっそく研ぎ始めた。
包丁を研ぎながら、彼は心なしか顔をしかめた。
「そういえばなんだが。今、街でちょっとした騒ぎが起きていて。うちの家内とマンマが忙しくしているんだよ」
「はあ……。何でまた」
「街のパン屋が突然、〈宿敵を打ち倒すまで休業とさせて頂きます〉とか言い出してな。店を開けなくなっちまったんだよ。おかげで、パンが気軽に手に入らなくなったってんで、店で自家製パンを提供し始めたマンマと、以前からピザを焼いていたうちの家内のところにパンを買い求めに来る人が増えてなあ」
死神ちゃんが〈パン屋が休業〉というワードに思わずむせ返ると、肉屋が包丁研ぎの手を休めて水筒を差し出してきた。死神ちゃんはそれをおずおずと受け取りながら、気まずそうに謝罪の言葉を述べた。肉屋は不思議そうに首をひねると、包丁研ぎに戻り話を再開させた。
「何で嬢ちゃんが謝るんだ? ――しかもな、暗い面持ちでバタールを抱えて、街を徘徊するようになって。街のみんなで〈どうしたんだろう〉と様子を窺っていたら、冒険者の腕輪もなしにダンジョンに入っていくし。几帳面で忘れ物なんかしないような人だったのに、腕輪を忘れてダンジョンに潜るだなんて。一体どうしたんだろうなあ……」
「何ていうか、本当に、すみません……」
「だから、何で嬢ちゃんが謝るんだよ」
下を向いてプルプルと震える死神ちゃんの頭を、肉屋はポンポンと撫でた。そしてまるで落ち込んだのを慰めるかのように「ささみ、もっと食うか?」と言って、ポーチからお代わりを出してくれた。
「よし、こんなもんでいいだろう。――うん、刃の部分が綺麗に光っているな。こりゃあ良い砥石を手に入れたもんだ」
包丁が研ぎ終わると、肉屋はそれを陽の光にかざしながら満足気にうなずいた。そしてニヤリと笑うと、彼は砥石だけをポーチにしまい込んだ。
「包丁は仕しまわないのか?」
不思議そうに目を瞬かせた死神ちゃんに、肉屋は当然とばかりに胸を張った。
「そりゃあ嬢ちゃん、お前、試しに使うに決まってるだろうよ」
「……それ、ちゃんと〈戦闘用〉だよな?」
「安心しろ、ちゃんと〈戦闘用〉だ! じゃないと、うちのにまたこっぴどく怒られちまうからな!」
表情もなく尋ねてきた死神ちゃんに、肉屋は豪快に笑った。死神ちゃんがヘッと鼻を鳴らして笑い返すと、肉屋は眉を吊り上げた。しかし、その瞳は死神ちゃんではなくその後ろのものを捉えていた。
肉屋は転げるように走り出すと、死神ちゃんを突き飛ばした。押しのけられて尻もちを突いた死神ちゃんが次に見たのは、ケルベロスなサメに食いつかれた肉屋だった。死神ちゃんは驚愕すると、思いっきり叫んだ。
「ええええええええ!? 何でお前、食いちぎられないんだよ! どうなってるんだよ、お前の首は!」
「おう。鋭い歯が通らずに、ガジガジされ続けてるな。俺もびっくりだよ」
「いやいやいや、何普通に返事してるんだよ! 食われて死んで、灰になれよ!」
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「おう。先日、ダンジョン内で拾ったんだよ。鋼の強さを手に入れるには、やっぱり道着だろうと思っていたからちょうどよかったよ。〈剛よく柔を断つ〉っつーやつ……よッ!」
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「ていうか、もしかして、俺を助けてくれようとしたのか? 俺、このダンジョンの罠なんだし、そもそも物理攻撃無効だから、放っておいてくれてよかったんだが」
「あっ、そうか。嬢ちゃんはただの幼女じゃあなかったんだもんな。その見た目に、うっかりさせられていたよ。――まあ、でも」
呆れ顔の死神ちゃんに茶目っ気たっぷりに返した肉屋は、一転してニヤニヤと悪い笑みを浮かべた。彼は、水の中に戻ろうともがいているサメを見下ろして鼻を鳴らした。
「こいつが俺に牙を向けたことには違いないよな。俺ぁ肉屋だから本来はお前さんの相手はしないんだが……。いいだろう。包丁の研ぎ具合を試すついでに、いっちょ相手してやろうじゃあないか」
肉屋は道着の上衣を格好良く脱ぎ捨てると、包丁を握り直してサメに踊りかかった。左右の頭を手早く削ぎ落とし、あっという間にケルベロスなサメを〈ただのサメ〉に仕立てた。彼は包丁の切れ味に納得の表情でうなずくと、とどめを刺すべくサメに向き直った。そして余裕の表情を見せていた彼の顔から、サアと血の気が引いた。
「切り落とした頭から、身体が生えて三体になった、だと……!?」
サメはビチビチと身じろぐと、ビタンと跳ねて肉屋に食らいついた。残念なことに、彼は道着の上衣を脱ぎ捨ててしまっていたため、そのまま美味しく頂かれてしまった。死神ちゃんは何事もなかったかのように水の中へと戻っていく三匹のサメをぼんやりと見つめながら「やっぱり、チェンソーか爆破以外には倒せないものなのか」と戸惑ったのだった。
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待機室に戻ってきた死神ちゃんは、不思議そうに首を傾げた。どうしたのかとケイティーに声をかけられて、死神ちゃんはあの道着のことを尋ねた。ケイティーはあっけらかんとした表情で、さも当然のように答えた。
「そりゃあ、お前、柔道は首をとられたらまずいだろう?」
「首っていうか、襟元な」
「まあ、とにかく、そういうわけだよ」
「どういうわけだよ!」
死神ちゃんが素っ頓狂な声を上げたが、ケイティーはおかしそうにケラケラと笑うばかりだった。後日、死神ちゃんは元の姿に戻ったときにケイティーと柔道の組手を行った。体術が誰よりも得意な彼女は格闘技にも精通していて、死神ちゃんは彼女の〈首〉をとるのに苦労した。むしろ体格差がかなりあるというのにスパスパと投げ飛ばされて、悔しい思いをしたという。そして改めて「〈首〉は大事だ」と思ったのだった。
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