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* 死神生活三年目&more *
第299話 死神ちゃんとモップお化け⑥
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死神ちゃんは〈担当のパーティー〉を探してダンジョン内を彷徨っていた。しかし、地図上に表示されている場所を何度通り過ぎてみても、それらしい人影すら見ることはできなかった。
死神ちゃんはふと、通路の脇に汚らしい赤茶の毛布が打ち捨てられていたのを思い出した。もしやと思いそれに近寄ってみると、突然毛布が襲い掛かってきた。
「ぎゃああああああああッ!」
「よこしなさい……。よこすのです……」
「ちょっ……そこは破廉恥ですよね!? 駄目ですよね!? ――あっ……。ぎゃあああああああッ!!」
死神ちゃんはズルズルと毛布に飲み込まれていった。少しして、死神ちゃんは何事もなかったかのようにペイッと排出された。両手で顔を覆いスンスンと泣きながら、死神ちゃんは小さく声を震わせた。
「俺の……俺の、クイニーアマン……」
「とても美味しかったですよ。ありがとうございます」
毛布は満足げに伸び上がると、空っぽになった保存容器を差し出してきた。死神ちゃんは愕然とした表情で固まったのもつかの間、幼女スイッチが入り烈火の如く泣き出した。
「まだ一個しか食べてなかったのにいぃぃいぃぃぃぃ!」
「すでにひとつ食べているなら、いいではないですか」
「言いわけあるかーッ! すっごく楽しみにしてたんだからな! なのに全部食いやがって!」
「ほうほう、できたてをひとつずつ、仲良く食べたんですか。ならばもう満足でしょうに」
「だから、んなわけあるかっつってるだろうが! 人の頭の中を勝手に覗くな、このモップお化け!」
死神ちゃんはグズグズと鼻を鳴らしながら、ギョロリと目を見開く毛布に保存容器を投げつけた。毛布は攻撃をまともに食らいながら、淡々とした口調で「毛布でもモップでもありません。ムークです」と返した。
ムークは、毛むくじゃらの謎多き生命体である。一応冒険者登録はしているようで、冒険者用の緑の腕輪は所持している。ひとつの山に一家族だけが住むという習性があるそうで、彼の実家のある山とはまた別の山――マンドラゴラ品評会金賞のほうの農家の持ち山だそうだ――には姉夫妻が住んでいるらしいのだが、それ以外にもムークがいるかは彼にも分からないそうだ。彼は〈自分は一体何者なのか〉を知るために〈暗闇の図書館〉を目指して冒険の日々を送っていた。
そんな探求のためにやって来ているはずの彼が、どうして死神ちゃんに襲いかかってきたのか。尋ねてみると、彼は悲しそうにぐにゃりと身を折った。
「あれです。〈助けろよ、アンポンタン。お腹が減って力が出ないんだからさ〉というやつです」
「そう言えば、お前、マンマの店からミートパイを強奪しようとしたっていう前科があったよな。ちょくちょくダンジョンを徘徊しているなら、ある程度金はあるはずだろう? 普通にお代を払って買えばいいだろうに」
「あなたは前にも〈金を払え〉と言っていましたが。それは一体何なのですか」
「そこから説明が必要なのかよ! 人里に降りてくるなら、そういうことはきちんと学べって言っただろう!?」
死神ちゃんは苛立たしげに頭を掻くと〈お金とはなんぞや〉ということについて話しだした。すると、ムークはうなずきながら伸び縮みした。
「なるほど。しかしですね、先日、私はそのお金とやらを大量に失ったばかりなのです」
「何でまた」
「義兄がお世話になっている農夫に、私もお世話になっているのです。来月にある〈秋の収穫祭〉とやらの関係で、南瓜作りがピークだそうで。とても美味しそうな南瓜が、ここそこにゴロゴロと転がっているんですよ。それをですね、三分の一ほど頂こうとしたんですよ。むしろ、頂いていたのですけれど。とにかく、まだ食べ終えてはいなかったのです。しかし、凄まじく怒られたのです。こちらは労働力を差し出しているというのに、どうして食べてはいけないのですか! 全く、理解しかねますね」
「いや、それ、食べていい用のものではなくて、商品なんだろう? だったら駄目だろうよ」
「はい、まさに同じようなことを言われました。それで、頂ける予定だった野菜は差し押さえられ、それと一緒にいつも頂いていた〈お金〉とやらも回収されてしまったのです。全く、横暴ですよね」
「いやいや、それ、普通にお代っていうか、損害賠償金を払わされたってことだろう」
「あなたは先ほどから難しい言葉を並べ立てていますね。理解しかねます。幼女のくせに生意気ですよ」
「お前も小汚い毛布のくせに、生意気ですよ」
抑揚なく淡々と毒を吐くムークを、死神ちゃんは睨みつけた。すると、ムークがお決まりの台詞を返してきた。死神ちゃんは面倒くさそうに鼻を鳴らしたが、ムークは気にすることなく〈本日の目的〉について話し出した。彼はダンジョン内で様々な食材が手に入るだけでなく、最近は調理済みの食べ物も産出されると聞き、堂々と無銭飲食するためにやって来たのだそうだ。
「ダンジョンの中なら、農夫や食堂のおばちゃんを洗脳できなかったり倒せなかったりしても、美味しいものが食べられると聞きました。しかし、中々上手くいかないのです。きのこを毟ろうとするなら涙ながらに文句を言われますし、ネギは光り輝いていて眩しいですし、モンスターを倒せど倒せどおにぎりとやらは入手できないですし」
「まあ、きのこ狩りはコツがいるらしいし、マッスルおにぎりは一応レア品らしいからな」
「それに、先日見つけた〈しゃべる野菜〉なんかは、食べようとしたら『こいつはいけねえ!』とか何とか言いながら悲鳴を上げたんですよ。うるさいと思った次の瞬間には、何故か霊界に降り立っていて驚きましたね」
「踊り食いしようとするなよ! えぐいなあ!」
思わず、死神ちゃんはひどく顔を歪めて不快感を露わにした。ムークは不思議そうに一拍ほど沈黙したが、すぐさま「ですから」と話を続けた。
「食べ物にありつけずに、あそこで動けなくなっていたのです。そしたら、あなたが甘い香りを撒き散らしながらふよふよとやってきたのです」
「容器の蓋もしっかりと閉めてあったし、香りなんて外に漏れてはいなかったはずなんだが。どんな嗅覚しているんだよ、お前」
「私についてのことは、私が一番知らないですよ。是非とも教えていただきたいものですね。ところで、まだあのクイニーアマンとやらはないのですか? 持っているなら、さあ、早く出すのです」
死神ちゃんは「ねえよ!」と声を荒げると、ムークは残念そうに萎んだ。
気を取り直すと、ムークは食べ物探索を再開させた。彼は美味しそうだと判断したものは、手当たり次第口に入れようとした。馬肉はヘルシーなのに高栄養で美容にもいいと言いながら、ばっくりと大口を開けてケンタウロスを丸ごと飲み込もうとしたり、素晴らしい肉まんを見つけたと言って女性冒険者ににじり寄り、たゆんたゆんと揺れる豊満な肉まんに一点集中という感じで飛びかかっていって焼き払われそうになったりした。死神ちゃんには〈まるでホラー映画のように形態を変えて食材に襲いかかっていく毛玉〉の様子を呆然と見つめながら、カタカタと震えることしかできなかった。
しばらくして、ムークは前方に回転しながら飛行する食べ物を発見した。寿司が通過していくのを眺めて小刻みに震えながら、彼は珍しく興奮気味な声を出した。
「おお! あれには、極上の美味さを感じます! 何としてでも食べたいです!」
ムークは死神ちゃんを背中に乗せたまま、ぶわりと浮き上がった。そして酢飯の香りを頼りに、すでに見えなくなっていた寿司のあとを追った。どんどんとスピードを増していき、とうとう彼は寿司に追いついた。飛行しながらバックリと口を開けると、ムークはそのまま寿司を丸呑みにした。
「おお! とても美味しい! しかも、体の中心から何かが湧き上がってくるようです!」
ふよふよと浮いたまま、ムークは神々しく光りだした。すると、その光を頼りに冒険者が集まってきた。よく分からないがご利益がありそうだと拝み始めた冒険者達の側にはモンスターも集まってきたのだが、モンスターたちも何故か冒険者と同じようにムークを崇め始めた。
光のせいか何なのか、ムークを拝んでいた者はみな、恍惚の表情を浮かべたまま意識を失い倒れていった。死神ちゃんも例に漏れず、意識がグラグラとし始めていた。
「ああ、とても気分がいいです。素晴らしい気分だ。――おや、あれは先ほどの〈素晴らしい肉まん〉!」
ムークが女性冒険者のほうへと飛んで行くと、先ほどの恐怖を思い出したのか、彼女は口早に難解な呪文を紡ぎ始めた。その直後、死神ちゃんは完全に意識を手放した。
**********
目を覚ますと、そこは医務室のベッドの上だった。死神ちゃんが目を瞬かせていると、グレゴリーがひょいと覗き込んできた。
「お、気づいたな」
「あの、一体どうなったんですか?」
どうやらあの光はムークの中身を見ようとしたときと同じ類の光だそうで、危ないと思ったグレゴリーはすぐさまモニターをオフにしたという。そのため、待機室にいた死神たちは全員無事だったそうだ。
「ちなみに、あの女、禁呪とされている大魔法をぶっ放したもんだからよ。今、修復課のメンバー総出で対応に追われているよ。焼肉中に呼び出されたっつって、ミノタウロスの美濃がブチブチ言ってたわ」
死神ちゃんは笑顔を浮かべたものの、どうしても頬が引きつった。そして心の底から、「安全確保のためにも、早くムークの謎を誰か解き明かしてくれ」と思ったのだった。
――――しかしながら、残念ながら、何事にも〈触れてはいけないこと〉というものは存在するのDEATH。
死神ちゃんはふと、通路の脇に汚らしい赤茶の毛布が打ち捨てられていたのを思い出した。もしやと思いそれに近寄ってみると、突然毛布が襲い掛かってきた。
「ぎゃああああああああッ!」
「よこしなさい……。よこすのです……」
「ちょっ……そこは破廉恥ですよね!? 駄目ですよね!? ――あっ……。ぎゃあああああああッ!!」
死神ちゃんはズルズルと毛布に飲み込まれていった。少しして、死神ちゃんは何事もなかったかのようにペイッと排出された。両手で顔を覆いスンスンと泣きながら、死神ちゃんは小さく声を震わせた。
「俺の……俺の、クイニーアマン……」
「とても美味しかったですよ。ありがとうございます」
毛布は満足げに伸び上がると、空っぽになった保存容器を差し出してきた。死神ちゃんは愕然とした表情で固まったのもつかの間、幼女スイッチが入り烈火の如く泣き出した。
「まだ一個しか食べてなかったのにいぃぃいぃぃぃぃ!」
「すでにひとつ食べているなら、いいではないですか」
「言いわけあるかーッ! すっごく楽しみにしてたんだからな! なのに全部食いやがって!」
「ほうほう、できたてをひとつずつ、仲良く食べたんですか。ならばもう満足でしょうに」
「だから、んなわけあるかっつってるだろうが! 人の頭の中を勝手に覗くな、このモップお化け!」
死神ちゃんはグズグズと鼻を鳴らしながら、ギョロリと目を見開く毛布に保存容器を投げつけた。毛布は攻撃をまともに食らいながら、淡々とした口調で「毛布でもモップでもありません。ムークです」と返した。
ムークは、毛むくじゃらの謎多き生命体である。一応冒険者登録はしているようで、冒険者用の緑の腕輪は所持している。ひとつの山に一家族だけが住むという習性があるそうで、彼の実家のある山とはまた別の山――マンドラゴラ品評会金賞のほうの農家の持ち山だそうだ――には姉夫妻が住んでいるらしいのだが、それ以外にもムークがいるかは彼にも分からないそうだ。彼は〈自分は一体何者なのか〉を知るために〈暗闇の図書館〉を目指して冒険の日々を送っていた。
そんな探求のためにやって来ているはずの彼が、どうして死神ちゃんに襲いかかってきたのか。尋ねてみると、彼は悲しそうにぐにゃりと身を折った。
「あれです。〈助けろよ、アンポンタン。お腹が減って力が出ないんだからさ〉というやつです」
「そう言えば、お前、マンマの店からミートパイを強奪しようとしたっていう前科があったよな。ちょくちょくダンジョンを徘徊しているなら、ある程度金はあるはずだろう? 普通にお代を払って買えばいいだろうに」
「あなたは前にも〈金を払え〉と言っていましたが。それは一体何なのですか」
「そこから説明が必要なのかよ! 人里に降りてくるなら、そういうことはきちんと学べって言っただろう!?」
死神ちゃんは苛立たしげに頭を掻くと〈お金とはなんぞや〉ということについて話しだした。すると、ムークはうなずきながら伸び縮みした。
「なるほど。しかしですね、先日、私はそのお金とやらを大量に失ったばかりなのです」
「何でまた」
「義兄がお世話になっている農夫に、私もお世話になっているのです。来月にある〈秋の収穫祭〉とやらの関係で、南瓜作りがピークだそうで。とても美味しそうな南瓜が、ここそこにゴロゴロと転がっているんですよ。それをですね、三分の一ほど頂こうとしたんですよ。むしろ、頂いていたのですけれど。とにかく、まだ食べ終えてはいなかったのです。しかし、凄まじく怒られたのです。こちらは労働力を差し出しているというのに、どうして食べてはいけないのですか! 全く、理解しかねますね」
「いや、それ、食べていい用のものではなくて、商品なんだろう? だったら駄目だろうよ」
「はい、まさに同じようなことを言われました。それで、頂ける予定だった野菜は差し押さえられ、それと一緒にいつも頂いていた〈お金〉とやらも回収されてしまったのです。全く、横暴ですよね」
「いやいや、それ、普通にお代っていうか、損害賠償金を払わされたってことだろう」
「あなたは先ほどから難しい言葉を並べ立てていますね。理解しかねます。幼女のくせに生意気ですよ」
「お前も小汚い毛布のくせに、生意気ですよ」
抑揚なく淡々と毒を吐くムークを、死神ちゃんは睨みつけた。すると、ムークがお決まりの台詞を返してきた。死神ちゃんは面倒くさそうに鼻を鳴らしたが、ムークは気にすることなく〈本日の目的〉について話し出した。彼はダンジョン内で様々な食材が手に入るだけでなく、最近は調理済みの食べ物も産出されると聞き、堂々と無銭飲食するためにやって来たのだそうだ。
「ダンジョンの中なら、農夫や食堂のおばちゃんを洗脳できなかったり倒せなかったりしても、美味しいものが食べられると聞きました。しかし、中々上手くいかないのです。きのこを毟ろうとするなら涙ながらに文句を言われますし、ネギは光り輝いていて眩しいですし、モンスターを倒せど倒せどおにぎりとやらは入手できないですし」
「まあ、きのこ狩りはコツがいるらしいし、マッスルおにぎりは一応レア品らしいからな」
「それに、先日見つけた〈しゃべる野菜〉なんかは、食べようとしたら『こいつはいけねえ!』とか何とか言いながら悲鳴を上げたんですよ。うるさいと思った次の瞬間には、何故か霊界に降り立っていて驚きましたね」
「踊り食いしようとするなよ! えぐいなあ!」
思わず、死神ちゃんはひどく顔を歪めて不快感を露わにした。ムークは不思議そうに一拍ほど沈黙したが、すぐさま「ですから」と話を続けた。
「食べ物にありつけずに、あそこで動けなくなっていたのです。そしたら、あなたが甘い香りを撒き散らしながらふよふよとやってきたのです」
「容器の蓋もしっかりと閉めてあったし、香りなんて外に漏れてはいなかったはずなんだが。どんな嗅覚しているんだよ、お前」
「私についてのことは、私が一番知らないですよ。是非とも教えていただきたいものですね。ところで、まだあのクイニーアマンとやらはないのですか? 持っているなら、さあ、早く出すのです」
死神ちゃんは「ねえよ!」と声を荒げると、ムークは残念そうに萎んだ。
気を取り直すと、ムークは食べ物探索を再開させた。彼は美味しそうだと判断したものは、手当たり次第口に入れようとした。馬肉はヘルシーなのに高栄養で美容にもいいと言いながら、ばっくりと大口を開けてケンタウロスを丸ごと飲み込もうとしたり、素晴らしい肉まんを見つけたと言って女性冒険者ににじり寄り、たゆんたゆんと揺れる豊満な肉まんに一点集中という感じで飛びかかっていって焼き払われそうになったりした。死神ちゃんには〈まるでホラー映画のように形態を変えて食材に襲いかかっていく毛玉〉の様子を呆然と見つめながら、カタカタと震えることしかできなかった。
しばらくして、ムークは前方に回転しながら飛行する食べ物を発見した。寿司が通過していくのを眺めて小刻みに震えながら、彼は珍しく興奮気味な声を出した。
「おお! あれには、極上の美味さを感じます! 何としてでも食べたいです!」
ムークは死神ちゃんを背中に乗せたまま、ぶわりと浮き上がった。そして酢飯の香りを頼りに、すでに見えなくなっていた寿司のあとを追った。どんどんとスピードを増していき、とうとう彼は寿司に追いついた。飛行しながらバックリと口を開けると、ムークはそのまま寿司を丸呑みにした。
「おお! とても美味しい! しかも、体の中心から何かが湧き上がってくるようです!」
ふよふよと浮いたまま、ムークは神々しく光りだした。すると、その光を頼りに冒険者が集まってきた。よく分からないがご利益がありそうだと拝み始めた冒険者達の側にはモンスターも集まってきたのだが、モンスターたちも何故か冒険者と同じようにムークを崇め始めた。
光のせいか何なのか、ムークを拝んでいた者はみな、恍惚の表情を浮かべたまま意識を失い倒れていった。死神ちゃんも例に漏れず、意識がグラグラとし始めていた。
「ああ、とても気分がいいです。素晴らしい気分だ。――おや、あれは先ほどの〈素晴らしい肉まん〉!」
ムークが女性冒険者のほうへと飛んで行くと、先ほどの恐怖を思い出したのか、彼女は口早に難解な呪文を紡ぎ始めた。その直後、死神ちゃんは完全に意識を手放した。
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目を覚ますと、そこは医務室のベッドの上だった。死神ちゃんが目を瞬かせていると、グレゴリーがひょいと覗き込んできた。
「お、気づいたな」
「あの、一体どうなったんですか?」
どうやらあの光はムークの中身を見ようとしたときと同じ類の光だそうで、危ないと思ったグレゴリーはすぐさまモニターをオフにしたという。そのため、待機室にいた死神たちは全員無事だったそうだ。
「ちなみに、あの女、禁呪とされている大魔法をぶっ放したもんだからよ。今、修復課のメンバー総出で対応に追われているよ。焼肉中に呼び出されたっつって、ミノタウロスの美濃がブチブチ言ってたわ」
死神ちゃんは笑顔を浮かべたものの、どうしても頬が引きつった。そして心の底から、「安全確保のためにも、早くムークの謎を誰か解き明かしてくれ」と思ったのだった。
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