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* 死神生活三年目&more *
第246話 死神ちゃんと指揮官様④
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死神ちゃんは〈担当のパーティー〉と思しき集団を見つけるなり、苦い顔を浮かべた。そしてその集団に急速接近すると、死神ちゃんはリーダーと思しき男の顔面に向かって膝蹴りを入れた。男は顔を押さえてしゃがみ込み、悶絶した。その様子を見ていた小人族五人はステータス妖精さんとともに、男に対して一瞬落胆の表情を見せた。しかし、死神ちゃんに視線を移すと、彼らはキラキラと目を輝かせて頬を上気させた。
「おい、お前、また何か悪だくみをして――」
「指揮官様! もしかしてこの子は、追加戦士ですか!?」
死神ちゃんは、なおも顔を押さえて悶えている男に啖呵を切ろうとした。しかし、死神ちゃんの言葉を遮るように小人族たちが発した言葉を聞いて、死神ちゃんは「はい……?」と言いながら顔をしかめた。指揮官様と呼ばれた男は顔を擦りながら情けない表情で言いあぐねて呻くと、ぞんざいにうなずきながら「そうです」と投げやりに言った。
「やったー! 念願の、追加戦士だー! 黒い服を着ているから、ブラックだね! ちょうど、僕らの中にはいない色だね!」
「ええ、そうです。そうです。彼女は『今すぐ死んで』が決め台詞。ニヒルな毒舌、死神ブラックさんですよ」
「わあああ! 凄く強そうだー! すごい! すごい!! ブラックさん、どうぞよろしくねー!」
「……どういうことなんだ、これは」
死神ちゃんは五色のジャージを身に纏った小人族に揉みくちゃにされながら、呆れ顔を浮かべてボソボソとそう呟いた。指揮官様は面倒くさそうに顔を歪めると、一言「私が聞きたいです」とだけ返してきた。
指揮官様は超能力者の技である〈洗脳〉を使い、ことあるごとに冒険者をたぶらかしてきた。彼は今回も〈自分の言いなりになる良い手駒〉を得るべく、手ごろな冒険者を陥れようとしたようだ。しかしながら、どうやら今回は思ったように事が運んでいないらしい。
「純真無垢な〈おこさま〉なら、簡単に騙されてくれると思ったんですよ」
「やっぱり、騙す気満々だったんだな。ていうか、今までのも騙しているという認識は、ちゃんとあったんだな」
「まあ、今となってはそんなこたぁどうだっていいんです。――こう、配下に引き入れようと思って、色違いの〈お古のジャージ〉をプレゼントしたんですよ。希少品ですからね、これで信用が得られると思ったんです。そしたら、信用を得すぎてしまって。何か、〈悪の魔道士を倒すべく立ち上がったヒーロー・ジャージメンファイブ〉とか名乗りだしまして。気がついたら、変なごっこ遊びに付き合わされておりましたね」
「何だそりゃ。しかも、悪いのは王族なのに、何で魔道士が悪なんだよ」
「気分を盛り上げるための設定だそうですよ」
「はあ、そう……」
拓けた場所の瓦礫に腰を掛けた指揮官様は、頭を抱えて俯いた。死神ちゃんはお裾分けして頂いたお菓子をもしゃもしゃと頬張りながら、面倒くさそうに相槌を打った。目の前では、小人族たちが決めポーズや登場時の名乗りの練習に明け暮れていた。
死神ちゃんがお茶をすすっていると、彼らは「ブラックも、休憩していないで。さあ!」と誘ってきた。死神ちゃんは嫌そうに苦い顔をすると、ぶっきらぼうにお誘いを断った。しかし、ジャージメンファイブはめげることなく死神ちゃんに駆け寄ると、死神ちゃんの手をとって広場の中心まで引っ張っていった。気がつけば、死神ちゃんもノセられてキレッキレの動きでポーズをキメていた。
「――はっ! つい、うっかり! これ、お前の洗脳よりも、強い洗脳力があるんじゃあないか!?」
死神ちゃんは、ポーズをキメたまま愕然とした表情で指揮官様を見やった。彼は頬を引きつらせて薄っすらと笑うと「お似合いですよ」と皮肉っぽく笑った。
死神ちゃんが悔しそうに地団駄を踏む横で、ジャージメンファイブはハッと表情を強張らせた。
「敵の気配がするぞ! 世界に平和を取り戻すべく、今こそ出動! ジャージメンファイブ!!」
「真の勇者、ここにあり! お待たせしました、ジャージメンファイブ!」
「泣いて詫ても許さない! 流血蹂躙! ジャージメンファイブ!!」
「指揮官様! 出動の掛け声を! ――え? どうぞご勝手に? 分かりました、頑張ってきます!」
「みんな、行くぞー! えいえい、おー!」
ジャージメンファイブはキリッとした面持ちで一人一言ずつしゃべると、元気にどこかへと走り去っていった。死神ちゃんはその背中をぼんやりと眺めながら「今、一人、怖いこと言っていなかったか?」と指揮官様に尋ねた。彼は特に返事をすることもなく重たい腰を上げると、ジャージメンファイブのあとをとぼとぼとついていった。
ジャージメンファイブは大勢のモンスターを相手に決めポーズをキメて名乗りを上げると、さっそく戦闘を開始した。しかしながら、戦況は芳しくなく、彼らは苦戦していた。助けを求められた死神ちゃんは本日ワンピースを着用しているにも関わらず無造作にあぐらをかくと、腕を組み壁にもたれかかるようにふんぞり返って面倒くさそうに答えた。
「あー、悪いな。追加戦士は、やたらめったら現れたら駄目なんだよ」
「はっ! そうだった! ピンチのときに、呼ばれなくても颯爽と現れてくれるのが追加戦士だった! ――よぉし、僕らだけで、もう少し頑張るぞ!」
ジャージメンファイブは元気よくラジャーと声を揃えると、一生懸命に立ち回り、丁寧にモンスターを倒そうと試みた。しかし、それもあまり上手くはいかず、彼らは少しずつ傷を負っていった。
死神ちゃんの横に陣取り、〈早く終わってくれないかな〉という面持ちで興味なさげにぼんやりとしていた指揮官様は、ジャージメンファイブの手際の悪さに段々とイライラしはじめた。とうとう、彼は身を乗り出して指示を出し始め、それでは飽き足らずに戦闘にも参加し始めた。
「ええい、じれったい! いいですか! 敵の倒し方はですね、こうですよ! こう!」
指揮官様は、力強いサイキック念波で敵を難なく撃破した。彼の周りではジャージメンファイブが喜びの舞を踊っていた。しかし勝利の喜びもつかの間、指揮官様は得意げに胸を張ったまま、新たに現れた巨大な敵に呆気なくプチッと潰されてしまった。ジャージメンファイブは目に一杯の涙を溜めると、それを一生懸命に拭いながら敵と相対した。
「偉大なる指揮官様の素晴らしい指導の結果を、今こそ見せてやる! ――いいか、みんな! 必殺の〈ばくれつけん〉だ!」
応と雄々しく鬨の声を上げた彼らだったが、いとも簡単に蹴散らされた。キャアと可愛らしい悲鳴をあげながら、まるでボールングのピンのように散り散りに散るヒーローたちを尻目に肩をすくめると、死神ちゃんは壁の中へと消えたのだった。
**********
「グレゴ! グレゴ! わらわも、アレをやりたいのじゃ!」
「だからよ、勝手にやってきて、勝手に人の頭に登るんじゃねえよ。仕事しづれえったら!」
「ぬうう、良いではないか! わらわも! アレを! やりたいのじゃ!」
死神ちゃんが待機室に戻ってくると、グレゴリーの頭の上で天狐が暴れていた。グレゴリーはため息をつくと、面倒くさそうながらも、ちょうどそこにいた人員の顔を眺めながら戦隊ヒーローの構想を話しだした。
「あー、じゃあ、お前はブルーな。〈びっくりプルプル、小心ブルー〉」
「ぬぬぬ! どうしてわらわはレッドではないのじゃ!」
「でー、にゃんこがグリーンな。〈木の上おさぼり、ぐっすりグリーン〉」
「ひどいのね! あたいほど素晴らしい狩人はいないのね!」
「それから、ピエロがピンクだろ? 〈自意識過剰、美マニアピンク〉」
「グレゴっち、それはないよー! もうちょい素敵なキャッチコピーはないの!? ひどいよね? ひどいよね!?」
「あー、あとは、小花。お前はイエローな」
「あれですよね、食いしん坊ポジションですよね」
「お、よく分かったな。――おっと、レッドが不在だなあ。まあ、仕方ねえか。お前らでメンバー組んだら、こうなるわな」
グレゴリーがヘッと鼻で笑うと、死神ちゃん以外の三人がギャアギャアと文句を捲し立てた。死神ちゃんがため息をつくのもお構いなしに、グレゴリーはさらに続けて言った。
「ちなみに、指揮官は鬼軍曹で、お前らのたむろ場は食堂。切り盛りしているのは〈みんなのお母さん〉、マッコイな。勝って帰ってきたら、マッコママが毎回美味しい食事で出迎えてくれるぞ。メシ代は、もちろんケイティー持ちだ。――悪の科学者ビット所長を打ち倒すべく、頑張って戦うんだぞ」
不満を大いに漏らしていた戦隊の隊員(仮)たちは、指揮官や食堂のお母さん、そして悪の組織が容易に想像できたのか、声を揃えて嗚呼と呻くように相槌を打った。
後日、死神ちゃん達たち戦隊の隊員(仮)〉は広報課に呼び出された。にこやかに笑みを浮かべるエルダから手渡されたのは、日曜朝に放送予定の特撮ドラマの企画書だった。死神ちゃんは表紙を見てすぐに、企画書を床に叩きつけたのだった。
――――しかし、ビット所長がノリノリで〈ちょうぜつがっしん〉に乗り込めるよう手配してくれているという話を聞いて、死神ちゃんはオファーを受けようかと真剣に悩んでいるそうDEATH。
「おい、お前、また何か悪だくみをして――」
「指揮官様! もしかしてこの子は、追加戦士ですか!?」
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「やったー! 念願の、追加戦士だー! 黒い服を着ているから、ブラックだね! ちょうど、僕らの中にはいない色だね!」
「ええ、そうです。そうです。彼女は『今すぐ死んで』が決め台詞。ニヒルな毒舌、死神ブラックさんですよ」
「わあああ! 凄く強そうだー! すごい! すごい!! ブラックさん、どうぞよろしくねー!」
「……どういうことなんだ、これは」
死神ちゃんは五色のジャージを身に纏った小人族に揉みくちゃにされながら、呆れ顔を浮かべてボソボソとそう呟いた。指揮官様は面倒くさそうに顔を歪めると、一言「私が聞きたいです」とだけ返してきた。
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「純真無垢な〈おこさま〉なら、簡単に騙されてくれると思ったんですよ」
「やっぱり、騙す気満々だったんだな。ていうか、今までのも騙しているという認識は、ちゃんとあったんだな」
「まあ、今となってはそんなこたぁどうだっていいんです。――こう、配下に引き入れようと思って、色違いの〈お古のジャージ〉をプレゼントしたんですよ。希少品ですからね、これで信用が得られると思ったんです。そしたら、信用を得すぎてしまって。何か、〈悪の魔道士を倒すべく立ち上がったヒーロー・ジャージメンファイブ〉とか名乗りだしまして。気がついたら、変なごっこ遊びに付き合わされておりましたね」
「何だそりゃ。しかも、悪いのは王族なのに、何で魔道士が悪なんだよ」
「気分を盛り上げるための設定だそうですよ」
「はあ、そう……」
拓けた場所の瓦礫に腰を掛けた指揮官様は、頭を抱えて俯いた。死神ちゃんはお裾分けして頂いたお菓子をもしゃもしゃと頬張りながら、面倒くさそうに相槌を打った。目の前では、小人族たちが決めポーズや登場時の名乗りの練習に明け暮れていた。
死神ちゃんがお茶をすすっていると、彼らは「ブラックも、休憩していないで。さあ!」と誘ってきた。死神ちゃんは嫌そうに苦い顔をすると、ぶっきらぼうにお誘いを断った。しかし、ジャージメンファイブはめげることなく死神ちゃんに駆け寄ると、死神ちゃんの手をとって広場の中心まで引っ張っていった。気がつけば、死神ちゃんもノセられてキレッキレの動きでポーズをキメていた。
「――はっ! つい、うっかり! これ、お前の洗脳よりも、強い洗脳力があるんじゃあないか!?」
死神ちゃんは、ポーズをキメたまま愕然とした表情で指揮官様を見やった。彼は頬を引きつらせて薄っすらと笑うと「お似合いですよ」と皮肉っぽく笑った。
死神ちゃんが悔しそうに地団駄を踏む横で、ジャージメンファイブはハッと表情を強張らせた。
「敵の気配がするぞ! 世界に平和を取り戻すべく、今こそ出動! ジャージメンファイブ!!」
「真の勇者、ここにあり! お待たせしました、ジャージメンファイブ!」
「泣いて詫ても許さない! 流血蹂躙! ジャージメンファイブ!!」
「指揮官様! 出動の掛け声を! ――え? どうぞご勝手に? 分かりました、頑張ってきます!」
「みんな、行くぞー! えいえい、おー!」
ジャージメンファイブはキリッとした面持ちで一人一言ずつしゃべると、元気にどこかへと走り去っていった。死神ちゃんはその背中をぼんやりと眺めながら「今、一人、怖いこと言っていなかったか?」と指揮官様に尋ねた。彼は特に返事をすることもなく重たい腰を上げると、ジャージメンファイブのあとをとぼとぼとついていった。
ジャージメンファイブは大勢のモンスターを相手に決めポーズをキメて名乗りを上げると、さっそく戦闘を開始した。しかしながら、戦況は芳しくなく、彼らは苦戦していた。助けを求められた死神ちゃんは本日ワンピースを着用しているにも関わらず無造作にあぐらをかくと、腕を組み壁にもたれかかるようにふんぞり返って面倒くさそうに答えた。
「あー、悪いな。追加戦士は、やたらめったら現れたら駄目なんだよ」
「はっ! そうだった! ピンチのときに、呼ばれなくても颯爽と現れてくれるのが追加戦士だった! ――よぉし、僕らだけで、もう少し頑張るぞ!」
ジャージメンファイブは元気よくラジャーと声を揃えると、一生懸命に立ち回り、丁寧にモンスターを倒そうと試みた。しかし、それもあまり上手くはいかず、彼らは少しずつ傷を負っていった。
死神ちゃんの横に陣取り、〈早く終わってくれないかな〉という面持ちで興味なさげにぼんやりとしていた指揮官様は、ジャージメンファイブの手際の悪さに段々とイライラしはじめた。とうとう、彼は身を乗り出して指示を出し始め、それでは飽き足らずに戦闘にも参加し始めた。
「ええい、じれったい! いいですか! 敵の倒し方はですね、こうですよ! こう!」
指揮官様は、力強いサイキック念波で敵を難なく撃破した。彼の周りではジャージメンファイブが喜びの舞を踊っていた。しかし勝利の喜びもつかの間、指揮官様は得意げに胸を張ったまま、新たに現れた巨大な敵に呆気なくプチッと潰されてしまった。ジャージメンファイブは目に一杯の涙を溜めると、それを一生懸命に拭いながら敵と相対した。
「偉大なる指揮官様の素晴らしい指導の結果を、今こそ見せてやる! ――いいか、みんな! 必殺の〈ばくれつけん〉だ!」
応と雄々しく鬨の声を上げた彼らだったが、いとも簡単に蹴散らされた。キャアと可愛らしい悲鳴をあげながら、まるでボールングのピンのように散り散りに散るヒーローたちを尻目に肩をすくめると、死神ちゃんは壁の中へと消えたのだった。
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「グレゴ! グレゴ! わらわも、アレをやりたいのじゃ!」
「だからよ、勝手にやってきて、勝手に人の頭に登るんじゃねえよ。仕事しづれえったら!」
「ぬうう、良いではないか! わらわも! アレを! やりたいのじゃ!」
死神ちゃんが待機室に戻ってくると、グレゴリーの頭の上で天狐が暴れていた。グレゴリーはため息をつくと、面倒くさそうながらも、ちょうどそこにいた人員の顔を眺めながら戦隊ヒーローの構想を話しだした。
「あー、じゃあ、お前はブルーな。〈びっくりプルプル、小心ブルー〉」
「ぬぬぬ! どうしてわらわはレッドではないのじゃ!」
「でー、にゃんこがグリーンな。〈木の上おさぼり、ぐっすりグリーン〉」
「ひどいのね! あたいほど素晴らしい狩人はいないのね!」
「それから、ピエロがピンクだろ? 〈自意識過剰、美マニアピンク〉」
「グレゴっち、それはないよー! もうちょい素敵なキャッチコピーはないの!? ひどいよね? ひどいよね!?」
「あー、あとは、小花。お前はイエローな」
「あれですよね、食いしん坊ポジションですよね」
「お、よく分かったな。――おっと、レッドが不在だなあ。まあ、仕方ねえか。お前らでメンバー組んだら、こうなるわな」
グレゴリーがヘッと鼻で笑うと、死神ちゃん以外の三人がギャアギャアと文句を捲し立てた。死神ちゃんがため息をつくのもお構いなしに、グレゴリーはさらに続けて言った。
「ちなみに、指揮官は鬼軍曹で、お前らのたむろ場は食堂。切り盛りしているのは〈みんなのお母さん〉、マッコイな。勝って帰ってきたら、マッコママが毎回美味しい食事で出迎えてくれるぞ。メシ代は、もちろんケイティー持ちだ。――悪の科学者ビット所長を打ち倒すべく、頑張って戦うんだぞ」
不満を大いに漏らしていた戦隊の隊員(仮)たちは、指揮官や食堂のお母さん、そして悪の組織が容易に想像できたのか、声を揃えて嗚呼と呻くように相槌を打った。
後日、死神ちゃん達たち戦隊の隊員(仮)〉は広報課に呼び出された。にこやかに笑みを浮かべるエルダから手渡されたのは、日曜朝に放送予定の特撮ドラマの企画書だった。死神ちゃんは表紙を見てすぐに、企画書を床に叩きつけたのだった。
――――しかし、ビット所長がノリノリで〈ちょうぜつがっしん〉に乗り込めるよう手配してくれているという話を聞いて、死神ちゃんはオファーを受けようかと真剣に悩んでいるそうDEATH。
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