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* 死神生活一年目 *
第118話 死神ちゃんとキックボクサー②
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死神ちゃんは〈担当のパーティー〉と思しき冒険者の背中をぼんやりと見つめて首を傾げた。というのも、闘士らしき格好の彼は瓦礫の陰からこそこそと徘徊するモンスターの様子を伺い、自分の近くに一匹通りかがった時だけ攻撃しに行っていたからだ。しかも、その相手は彼とは相性の悪そうな魔法攻撃の得意なモンスターばかりだった。
仲間とはぐれて一匹だけとなったところを辻斬りよろしく背後から襲いかかり、攻撃の隙を与えないよう畳み掛けるようにして倒し、そしてビクビクと怯えながら慌てて瓦礫の裏へと引っ込んでいくというのを繰り返す彼の背後に死神ちゃんはこっそりと近寄った。
「おい」
「うわあ!?」
彼は驚いて悲鳴を上げると、うっかり瓦礫の陰から広間へと転び出た。そして広間を彷徨くモンスター達に感知され、一斉攻撃を受けて消し炭となった。
程なくして、彼の死体は光に包まれて消えた。しかし、死神ちゃんは最寄りの祝福の像に向かうことなくその場で待機していた。すると、生き返った彼が死神ちゃんの元へと一目散に駆け戻ってきた。彼は死神ちゃんの両肩をがっしりと掴むと困り顔をクシャクシャにして声を潜めた。
「頼むよ、お嬢ちゃん。いきなり脅かすのはやめてくれよ!」
「いやでも、これが俺の仕事なんで。――ていうか、お前、馬鹿か? 自らとり憑かれに戻ってくるだなんてさ」
「それは、アレだ。〈筋肉神〉のご意思には逆らえないっていうか、何て言うか……」
真剣な面持ちでそのような阿呆なことを宣う彼――ケイティーのレプリカにぞっこんのキックボクサーを、死神ちゃんは呆れ眼で見つめた。死神ちゃんは小さく溜め息をつくと、気を取り直して彼に尋ねた。
「ところで、お前、一体何してたんだ? 闘士の女のケツを追っかけ回すことはもう諦めたのかよ?」
「いや、それはまた追々……。あの有袋類に勝てないようじゃあ、彼女の足元にはまだまだ及ばねえって思ってさ」
「でも、今お前が襲いかかってたのは有袋類じゃあなくて魔法系のモンスターだっただろ。何でだよ?」
死神ちゃんが不思議そうに眉根を寄せると、彼は「探しているものがある」と言いながら、何故か困惑の表情を浮かべた。
何でも、より強くなるために技を磨くだけでなく、武器や防具も新調しようと思い至ったのだそうだ。どうせなら、現状手に入る闘士の装備の中で最強クラスのものを手に入れたい。――そう思い、彼は情報収集に明け暮れた。そしてその結果をもとに、彼は今必死になってアイテム掘りをしている最中なのだそうだが、彼はその〈情報〉がどうにも納得いかないらしい。
彼は一旦言葉を切り、溜め息をつきながらガシガシと頭を掻いた。そして死神ちゃんを見つめると、眉間のしわを一層深めて情けない声で言った。
「なあ。何で、闘士の現状最強の装備が〈本〉なんだ?」
「はあ……? それ、ガセネタ掴まされたんじゃあないのか?」
「いや、どうやら本当らしいんだよ。だから必死になって、魔法系のモンスターを狩ってたんじゃねえか。――ダンジョンで本と言ったら、魔導書とかだろ? で、魔導書って言ったら、魔法を使うモンスター。……これで間違いなしだろ。でも、何で本なんだろうなあ」
そう言って、彼は心なしか顔を青ざめさせた。そして小刻みに震えながら、手に装着した自前のパンチンググローブをぼんやりと見つめた。
「ていうか、本なんて高級品を武器にするなんて、マジであり得ねえ。一冊だけでも俺の相棒なんて目じゃない額だってのに、片手に一冊ずつなんて揃えた日にゃあ、罰当たりもいいところだよ……」
この世界では、印刷技術がまだそこまで高くはないようだ。彼によると、装丁のしっかりとした厚みのある本はかなり高額らしく、新品の本などという貴重品は金持ちが道楽で買うような代物なのだそうだ。一般人が本に触れたくば図書館内で閲覧をするか、もしくは図書館などから引き下げられたボロボロの中古品を買い求めるというのが関の山だという。
そんなものを武器にするだなんて、と声を震わせながら、彼は広間に視線を投げた。魔法系モンスターが湧いているのを確認すると、彼はいそいそと襲撃の準備を整え襲いかかった。
淡々と〈背後から襲いかかる〉というのを彼が繰り返すのを眺めながら、死神ちゃんは首を傾げさせた。そして顔をしかめさせると、ぼんやりと言った。
「ていうかさ、魔法攻撃が得意なモンスターを狙うっていうのは良い着眼点だとは思うが、本が欲しいなら本を持ってる人型のヤツを狙わないと意味ないんじゃないか? しかも、そんな小さな相手から、大きな本がドロップするようには思えないんだが。――まあ、ピクシーは小さくてすばしっこいから、素早さを上げるための訓練にはなりそうではあるけれど」
「えっ」
キックボクサーは間抜けな声を上げると、思わず身を硬直させた。その隙を突くかのように、可愛らしいピクシーがわらわらと彼の周りに集まってきて、愛らしい声で魔法を唱え始めた。
彼は魔法を食らった後も攻撃を受け続けた。しかしそれは攻撃というよりも、熱烈なおしくらまんじゅうのようだった。初のライブを終えた興奮気味のアイドル達にギュウギュウと詰め寄られる男性プロデューサーよろしく揉みくちゃにされながら、彼はその場にこんもりと降り積もった。
霊界に降り立った彼は、苦悩の表情を浮かべて「俺のアイドルは闘士のあの子だけなんだ。だがしかし……ッ」と言い、拳を握りつつも口元はヘラッと嬉しそうに崩れていた。死神ちゃんは溜め息をつくと、静かにその場を後にしたのだった。
**********
「……というわけでさ。本当に本が現状産出されるアイテムの中で闘士最強なのか?」
寮の共用リビングにて、死神ちゃんはソファーのクッションに埋もれながら隣で読書しているマッコイを見やった。彼は死神ちゃんを見ることなく「ええ」と返事をすると、淡々とした口調で続けた。
「たしか、物理法則を無視して、光よりも早い速度で相手に攻撃を仕掛ける術が記されている本でね。それを習得すれば、無敵になれるっていう触れ込みだったはずよ」
「ただのハウツー本かよ。それ、武器じゃあないだろうが」
死神ちゃんが顔をしかめると、マッコイは手元の本から視線を外すことなくあっけらかんと答えた。
「そもそも、人間には無理でしょう。そんな、物理法則を無視するだなんて」
「ますます意味が無いな」
「あれじゃないの? 読んだだけでできるようになった気になって、気持ちだけ強くなる的な。よくある〈ただの錯覚〉っていうやつ。もしくは〈こんなのできるか!〉って言って、物理的に投げつけるとか」
「どちらにせよ、本が最強の武器というのはガセな気がしてきたよ」
パラリとページを捲りながら、マッコイは苦笑いを浮かべた。死神ちゃんは不服げにフンと鼻を鳴らすと、抱えたクッションに顎を乗せて目を細めた。
「お前、またハーレ◯インでも読んでんの?」
「いいえ、推理小説よ」
心なしか機嫌の悪そうな死神ちゃんを、マッコイはきょとんとした顔で不思議そうに一瞥した。そして再び本に視線を戻すと、彼は苦々しげな表情を浮かべて吐き捨てるように言った。
「この本、凄まじい攻撃力を有していたわ。最っ悪。もう、アタシの精神的なライフはゼロよ。お夕飯、作れそうにもないわ」
どうしたのかと尋ねると、彼は無言で開いた状態の本を突き出してきた。――そのページのとある人物名のところにマーキングが施されており、余白のところに〈犯人はこいつ〉と書き記されていた。
「たまにあるのよね。図書館で借りてくると、こういうことが。全く、マナーとモラルはきちんと守って頂きたいわ」
フンと鼻を鳴らしてプリプリと怒るマッコイに、死神ちゃんは苦笑いを浮かべ同情の言葉をかけた。そして、奢るから食べに行こうと誘ったのだった。
――――本は本として、大切に扱わなければならない。もちろん、落書きは厳禁なのDEATH。
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「頼むよ、お嬢ちゃん。いきなり脅かすのはやめてくれよ!」
「いやでも、これが俺の仕事なんで。――ていうか、お前、馬鹿か? 自らとり憑かれに戻ってくるだなんてさ」
「それは、アレだ。〈筋肉神〉のご意思には逆らえないっていうか、何て言うか……」
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「ところで、お前、一体何してたんだ? 闘士の女のケツを追っかけ回すことはもう諦めたのかよ?」
「いや、それはまた追々……。あの有袋類に勝てないようじゃあ、彼女の足元にはまだまだ及ばねえって思ってさ」
「でも、今お前が襲いかかってたのは有袋類じゃあなくて魔法系のモンスターだっただろ。何でだよ?」
死神ちゃんが不思議そうに眉根を寄せると、彼は「探しているものがある」と言いながら、何故か困惑の表情を浮かべた。
何でも、より強くなるために技を磨くだけでなく、武器や防具も新調しようと思い至ったのだそうだ。どうせなら、現状手に入る闘士の装備の中で最強クラスのものを手に入れたい。――そう思い、彼は情報収集に明け暮れた。そしてその結果をもとに、彼は今必死になってアイテム掘りをしている最中なのだそうだが、彼はその〈情報〉がどうにも納得いかないらしい。
彼は一旦言葉を切り、溜め息をつきながらガシガシと頭を掻いた。そして死神ちゃんを見つめると、眉間のしわを一層深めて情けない声で言った。
「なあ。何で、闘士の現状最強の装備が〈本〉なんだ?」
「はあ……? それ、ガセネタ掴まされたんじゃあないのか?」
「いや、どうやら本当らしいんだよ。だから必死になって、魔法系のモンスターを狩ってたんじゃねえか。――ダンジョンで本と言ったら、魔導書とかだろ? で、魔導書って言ったら、魔法を使うモンスター。……これで間違いなしだろ。でも、何で本なんだろうなあ」
そう言って、彼は心なしか顔を青ざめさせた。そして小刻みに震えながら、手に装着した自前のパンチンググローブをぼんやりと見つめた。
「ていうか、本なんて高級品を武器にするなんて、マジであり得ねえ。一冊だけでも俺の相棒なんて目じゃない額だってのに、片手に一冊ずつなんて揃えた日にゃあ、罰当たりもいいところだよ……」
この世界では、印刷技術がまだそこまで高くはないようだ。彼によると、装丁のしっかりとした厚みのある本はかなり高額らしく、新品の本などという貴重品は金持ちが道楽で買うような代物なのだそうだ。一般人が本に触れたくば図書館内で閲覧をするか、もしくは図書館などから引き下げられたボロボロの中古品を買い求めるというのが関の山だという。
そんなものを武器にするだなんて、と声を震わせながら、彼は広間に視線を投げた。魔法系モンスターが湧いているのを確認すると、彼はいそいそと襲撃の準備を整え襲いかかった。
淡々と〈背後から襲いかかる〉というのを彼が繰り返すのを眺めながら、死神ちゃんは首を傾げさせた。そして顔をしかめさせると、ぼんやりと言った。
「ていうかさ、魔法攻撃が得意なモンスターを狙うっていうのは良い着眼点だとは思うが、本が欲しいなら本を持ってる人型のヤツを狙わないと意味ないんじゃないか? しかも、そんな小さな相手から、大きな本がドロップするようには思えないんだが。――まあ、ピクシーは小さくてすばしっこいから、素早さを上げるための訓練にはなりそうではあるけれど」
「えっ」
キックボクサーは間抜けな声を上げると、思わず身を硬直させた。その隙を突くかのように、可愛らしいピクシーがわらわらと彼の周りに集まってきて、愛らしい声で魔法を唱え始めた。
彼は魔法を食らった後も攻撃を受け続けた。しかしそれは攻撃というよりも、熱烈なおしくらまんじゅうのようだった。初のライブを終えた興奮気味のアイドル達にギュウギュウと詰め寄られる男性プロデューサーよろしく揉みくちゃにされながら、彼はその場にこんもりと降り積もった。
霊界に降り立った彼は、苦悩の表情を浮かべて「俺のアイドルは闘士のあの子だけなんだ。だがしかし……ッ」と言い、拳を握りつつも口元はヘラッと嬉しそうに崩れていた。死神ちゃんは溜め息をつくと、静かにその場を後にしたのだった。
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「……というわけでさ。本当に本が現状産出されるアイテムの中で闘士最強なのか?」
寮の共用リビングにて、死神ちゃんはソファーのクッションに埋もれながら隣で読書しているマッコイを見やった。彼は死神ちゃんを見ることなく「ええ」と返事をすると、淡々とした口調で続けた。
「たしか、物理法則を無視して、光よりも早い速度で相手に攻撃を仕掛ける術が記されている本でね。それを習得すれば、無敵になれるっていう触れ込みだったはずよ」
「ただのハウツー本かよ。それ、武器じゃあないだろうが」
死神ちゃんが顔をしかめると、マッコイは手元の本から視線を外すことなくあっけらかんと答えた。
「そもそも、人間には無理でしょう。そんな、物理法則を無視するだなんて」
「ますます意味が無いな」
「あれじゃないの? 読んだだけでできるようになった気になって、気持ちだけ強くなる的な。よくある〈ただの錯覚〉っていうやつ。もしくは〈こんなのできるか!〉って言って、物理的に投げつけるとか」
「どちらにせよ、本が最強の武器というのはガセな気がしてきたよ」
パラリとページを捲りながら、マッコイは苦笑いを浮かべた。死神ちゃんは不服げにフンと鼻を鳴らすと、抱えたクッションに顎を乗せて目を細めた。
「お前、またハーレ◯インでも読んでんの?」
「いいえ、推理小説よ」
心なしか機嫌の悪そうな死神ちゃんを、マッコイはきょとんとした顔で不思議そうに一瞥した。そして再び本に視線を戻すと、彼は苦々しげな表情を浮かべて吐き捨てるように言った。
「この本、凄まじい攻撃力を有していたわ。最っ悪。もう、アタシの精神的なライフはゼロよ。お夕飯、作れそうにもないわ」
どうしたのかと尋ねると、彼は無言で開いた状態の本を突き出してきた。――そのページのとある人物名のところにマーキングが施されており、余白のところに〈犯人はこいつ〉と書き記されていた。
「たまにあるのよね。図書館で借りてくると、こういうことが。全く、マナーとモラルはきちんと守って頂きたいわ」
フンと鼻を鳴らしてプリプリと怒るマッコイに、死神ちゃんは苦笑いを浮かべ同情の言葉をかけた。そして、奢るから食べに行こうと誘ったのだった。
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