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* 死神生活一年目 *
第91話 死神ちゃんとモップお化け③
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死神ちゃんが〈担当のパーティー〉を探してダンジョン内を彷徨いていると、何かに恐れおののく冒険者に出くわした。部屋に入ろうと扉をくぐろうとしていた彼は何かを見つめたまま仰天して、声もなく尻もちをついた。
地図を確認してみると、死神ちゃんのターゲットはこの冒険者の視線の先に居るようだった。死神ちゃんは顔をしかめると、横合いから部屋の中を覗き見た。そして一層、眉間にしわを寄せた。
部屋の中ではファンシーな見た目のライオンのぬいぐるみが二体、ぴったり重なり合うようにして立っていた。そして、ライオン達はその場から動くことなく、タイミングをずらしてぐるぐると円を描くように身体を動かしていた。
少しして、ライオン達はぐるぐるダンスをしながらじりじりと前に進みだした。尻もちをついたまま硬直していた冒険者は悲鳴を上げると、必死に地面を這いながら逃げていった。――残念なことに、この珍妙なぬいぐるみ達が今回の死神ちゃんのターゲットのようだった。
赤と白の二体のライオンぬいぐるみは冒険者が逃げてしまったことに呆然としていたようだが、死神ちゃんの存在に気がつくと、死神ちゃんに迫り寄った。そして、先頭の白いライオンが死神ちゃんの目と鼻の先まで近づいたところで動きを止めると、ぬいぐるみ達は抑揚のない声を張り上げた。
「こいつは春から、縁起がいいわえ!」
「違う! 俺の知ってる連獅子はこんなんじゃない!」
死神ちゃんは怒りを含んだ驚愕の叫びを上げると、白いライオンに張り手を食らわせた。すると、ライオン達はすっと背筋を正して棒立ちとなり、無言で互いを見つめ合った。
しばらく、ライオン達は無言で見つめ合ったままだった。放置を食らった死神ちゃんは顔をしかめると、ライオンのたてがみ部分をもふもふと触りながら彼らに声をかけた。
「なあ、お前ら、一体何者?」
(あなたは何故、会うたびに破廉恥なところをまさぐるのですか?)
心地悪そうに身体をくねらせるライオンがテレパシーで話しかけてきたことに、死神ちゃんは表情を失った。死神ちゃんは勢い良くライオンを見上げると、低い調子でボソリと言った。
「お前、ムークなのか」
「はい、そうです」
「ていうか、俺が触るのは毎回違うところだろう。お前の破廉恥ポイントは一体いくつ存在するんだよ」
死神ちゃんがゆっくりとムークから離れると、ムークもまたスッと身を引いて死神ちゃんとほんの少しだけ距離をとった。死神ちゃんはそのままの調子でムークに尋ねた。
「ていうかさ、さっきの〈はい、そうです〉っていうの、声がハモッて聞こえた気がするんだが」
「ええ、そうでしょうね」
「またハモッた! え、何!? もしかして、赤い方もムークなのか!?」
死神ちゃんが驚くと、赤と白のライオンはゆっくりと頷いた。白いライオンは赤い方を手で指し示すと「義兄です」と言い、それを受けて赤いライオンが白い方をやはり手で指し示して「彼の姉の、夫です」と言った。そして二人は声を揃えると、無機質な調子で〈母さん(赤い方は、嫁さん)が夜なべしてぬいぐるみを編んでくれた〉と歌い出した。
死神ちゃんが呆然としていると、彼らはそんなことなど気にも留めずに淡々と話しだした。
「折角の新年ですから縁起物をということで、ぬいぐるみを新調したのです。これを着て幸せの舞を舞えば、仲間が増えると聞いたのですが……。おかしいですね」
「まあ、まだ策はあります。めげずに行きましょう、義弟よ」
「――で、お前ら一体、何しに来たわけ?」
死神ちゃんがぶっきらぼうに尋ねると、白いほうが「私はいつもの通り、自分探しです」と答えた。赤いほうは純然たる〈力試し〉目的だそうで、冒険者として力をつけ、より一層強くなることができれば私生活にもそれが活かせると思ったのだという。
その話を聞いて死神ちゃんが不思議そうに眉根を寄せると、赤いのがこぶしを振り上げるかのようにグッと腕を持ち上げた。
「私は力が欲しい。――そう、あの農家の男に勝てるくらいの。そして私は〈お夕飯の食材〉を手に入れるのです」
「お前かよ! ライバル農家の畑を荒らすムークは! 搾取してないできちんと金払ってやれよ!」
死神ちゃんが怒鳴ると、赤いのは不思議そうに首を捻った。死神ちゃんは呆れて目を細めると、深く溜め息をついた。
ムーク達はダンジョン内の探索を再開させたが、冒険者とすれ違うたびにぐるぐるダンスをしながら冒険者ににじり寄っていた。もちろん、そのたびに冒険者は悲鳴を上げて逃げていった。
不思議そうに首を傾げさせたムーク達は「次の策を試そう」と言い合い頷くと、今度はすれ違った冒険者に明るく声をかけた。フレンドリーに話しかけてくるぬいぐるみを不審に思いつつも、冒険者は足を止めた。ムークは腕をバタバタと上下させて喜びを表現すると、冒険者に向かって言った。
「お兄さん、知っておいでですか? 遠い国では、紅白の獅子に頭から噛みつかれると、その年一年間を幸福に過ごせるのだそうです」
そう言って、ムークはふるふると小刻みに震えだした。すると突然、ぬいぐるみの口の部分がガパッと開いた。開閉できそうな作りにはなっていないのに、だ。それを見た冒険者は息を飲むと、そのまま目をチカチカとさせてばったりと倒れた。
「おや、どうやら夢の世界に旅立ってしまったようですね。なんと幸福な……」
「いやいやいや、お前、それ、すごく怖いよ! それに、一体何を見せたんだよ!」
死神ちゃんが顔を歪めると、ムークはライオンの首から上の部分を不自然に揺らしながら言った。
「あなたも確認しますか?」
「嫌だよ! この前、意識が飛んで散々な目に遭ったんだからな!」
死神ちゃんが怒鳴りつけると、ムークは心なしか残念そうに揺れるのをやめた。そしてしょんぼりと背中を丸めると、白いのと赤いのは膝を突き合わせてボソボソと泣き言を垂れた。
「私達の、一体何がいけないのでしょうか……。どうして皆さん、怖がって仲間になってくれないのでしょうか……」
「全くです。どうして、野菜のひとつやふたつ、快く見逃してくれないのでしょうか……」
「おい、赤いの、それは話をすり替えてるから。ていうか、お前ら二人とも、人里に降りてくるならそれなりに周りの習慣に合わせろよ。郷に入りては郷に従えって言うだろうが」
死神ちゃんはツッコミを入れたが、彼らは不思議そうに首を捻るだけだった。死神ちゃんが面倒くさそうに頭をガシガシと掻くと、その後ろを何かが通りかかった。ムーク達はそれを見るなり嬉しそうに立ち上がり、それに喜び勇んで近づいていった。
「もしや、あなたも同族ですか? いやあ、それにしても、よくできている!」
「同じ悩みを抱えし者同士、仲良くダンジョン探索を行いませんか?」
彼らは嬉しそうにそれの周りをぐるぐると回り、腕をバタつかせながらそれに話しかけた。しかし、それは問答無用で彼らに攻撃を仕掛けた。
ムーク達は「何故だ」と言いながら、地に崩れ落ちた。死神ちゃんは悠々と去っていく〈獅子のワービースト〉をぼんやりと眺めながら、ポツリと呟いた。
「人かモンスターかの見分けができるくらいには、人に慣れようぜ……」
そして小さく溜め息をつくと、死神ちゃんは壁の中へと消えていったのだった。
――――自分探しの前に、世間慣れが必要だと発覚したムーク達。新年早々、目標がきちんと定まったようで良いスタートがきれそうDEATH?
地図を確認してみると、死神ちゃんのターゲットはこの冒険者の視線の先に居るようだった。死神ちゃんは顔をしかめると、横合いから部屋の中を覗き見た。そして一層、眉間にしわを寄せた。
部屋の中ではファンシーな見た目のライオンのぬいぐるみが二体、ぴったり重なり合うようにして立っていた。そして、ライオン達はその場から動くことなく、タイミングをずらしてぐるぐると円を描くように身体を動かしていた。
少しして、ライオン達はぐるぐるダンスをしながらじりじりと前に進みだした。尻もちをついたまま硬直していた冒険者は悲鳴を上げると、必死に地面を這いながら逃げていった。――残念なことに、この珍妙なぬいぐるみ達が今回の死神ちゃんのターゲットのようだった。
赤と白の二体のライオンぬいぐるみは冒険者が逃げてしまったことに呆然としていたようだが、死神ちゃんの存在に気がつくと、死神ちゃんに迫り寄った。そして、先頭の白いライオンが死神ちゃんの目と鼻の先まで近づいたところで動きを止めると、ぬいぐるみ達は抑揚のない声を張り上げた。
「こいつは春から、縁起がいいわえ!」
「違う! 俺の知ってる連獅子はこんなんじゃない!」
死神ちゃんは怒りを含んだ驚愕の叫びを上げると、白いライオンに張り手を食らわせた。すると、ライオン達はすっと背筋を正して棒立ちとなり、無言で互いを見つめ合った。
しばらく、ライオン達は無言で見つめ合ったままだった。放置を食らった死神ちゃんは顔をしかめると、ライオンのたてがみ部分をもふもふと触りながら彼らに声をかけた。
「なあ、お前ら、一体何者?」
(あなたは何故、会うたびに破廉恥なところをまさぐるのですか?)
心地悪そうに身体をくねらせるライオンがテレパシーで話しかけてきたことに、死神ちゃんは表情を失った。死神ちゃんは勢い良くライオンを見上げると、低い調子でボソリと言った。
「お前、ムークなのか」
「はい、そうです」
「ていうか、俺が触るのは毎回違うところだろう。お前の破廉恥ポイントは一体いくつ存在するんだよ」
死神ちゃんがゆっくりとムークから離れると、ムークもまたスッと身を引いて死神ちゃんとほんの少しだけ距離をとった。死神ちゃんはそのままの調子でムークに尋ねた。
「ていうかさ、さっきの〈はい、そうです〉っていうの、声がハモッて聞こえた気がするんだが」
「ええ、そうでしょうね」
「またハモッた! え、何!? もしかして、赤い方もムークなのか!?」
死神ちゃんが驚くと、赤と白のライオンはゆっくりと頷いた。白いライオンは赤い方を手で指し示すと「義兄です」と言い、それを受けて赤いライオンが白い方をやはり手で指し示して「彼の姉の、夫です」と言った。そして二人は声を揃えると、無機質な調子で〈母さん(赤い方は、嫁さん)が夜なべしてぬいぐるみを編んでくれた〉と歌い出した。
死神ちゃんが呆然としていると、彼らはそんなことなど気にも留めずに淡々と話しだした。
「折角の新年ですから縁起物をということで、ぬいぐるみを新調したのです。これを着て幸せの舞を舞えば、仲間が増えると聞いたのですが……。おかしいですね」
「まあ、まだ策はあります。めげずに行きましょう、義弟よ」
「――で、お前ら一体、何しに来たわけ?」
死神ちゃんがぶっきらぼうに尋ねると、白いほうが「私はいつもの通り、自分探しです」と答えた。赤いほうは純然たる〈力試し〉目的だそうで、冒険者として力をつけ、より一層強くなることができれば私生活にもそれが活かせると思ったのだという。
その話を聞いて死神ちゃんが不思議そうに眉根を寄せると、赤いのがこぶしを振り上げるかのようにグッと腕を持ち上げた。
「私は力が欲しい。――そう、あの農家の男に勝てるくらいの。そして私は〈お夕飯の食材〉を手に入れるのです」
「お前かよ! ライバル農家の畑を荒らすムークは! 搾取してないできちんと金払ってやれよ!」
死神ちゃんが怒鳴ると、赤いのは不思議そうに首を捻った。死神ちゃんは呆れて目を細めると、深く溜め息をついた。
ムーク達はダンジョン内の探索を再開させたが、冒険者とすれ違うたびにぐるぐるダンスをしながら冒険者ににじり寄っていた。もちろん、そのたびに冒険者は悲鳴を上げて逃げていった。
不思議そうに首を傾げさせたムーク達は「次の策を試そう」と言い合い頷くと、今度はすれ違った冒険者に明るく声をかけた。フレンドリーに話しかけてくるぬいぐるみを不審に思いつつも、冒険者は足を止めた。ムークは腕をバタバタと上下させて喜びを表現すると、冒険者に向かって言った。
「お兄さん、知っておいでですか? 遠い国では、紅白の獅子に頭から噛みつかれると、その年一年間を幸福に過ごせるのだそうです」
そう言って、ムークはふるふると小刻みに震えだした。すると突然、ぬいぐるみの口の部分がガパッと開いた。開閉できそうな作りにはなっていないのに、だ。それを見た冒険者は息を飲むと、そのまま目をチカチカとさせてばったりと倒れた。
「おや、どうやら夢の世界に旅立ってしまったようですね。なんと幸福な……」
「いやいやいや、お前、それ、すごく怖いよ! それに、一体何を見せたんだよ!」
死神ちゃんが顔を歪めると、ムークはライオンの首から上の部分を不自然に揺らしながら言った。
「あなたも確認しますか?」
「嫌だよ! この前、意識が飛んで散々な目に遭ったんだからな!」
死神ちゃんが怒鳴りつけると、ムークは心なしか残念そうに揺れるのをやめた。そしてしょんぼりと背中を丸めると、白いのと赤いのは膝を突き合わせてボソボソと泣き言を垂れた。
「私達の、一体何がいけないのでしょうか……。どうして皆さん、怖がって仲間になってくれないのでしょうか……」
「全くです。どうして、野菜のひとつやふたつ、快く見逃してくれないのでしょうか……」
「おい、赤いの、それは話をすり替えてるから。ていうか、お前ら二人とも、人里に降りてくるならそれなりに周りの習慣に合わせろよ。郷に入りては郷に従えって言うだろうが」
死神ちゃんはツッコミを入れたが、彼らは不思議そうに首を捻るだけだった。死神ちゃんが面倒くさそうに頭をガシガシと掻くと、その後ろを何かが通りかかった。ムーク達はそれを見るなり嬉しそうに立ち上がり、それに喜び勇んで近づいていった。
「もしや、あなたも同族ですか? いやあ、それにしても、よくできている!」
「同じ悩みを抱えし者同士、仲良くダンジョン探索を行いませんか?」
彼らは嬉しそうにそれの周りをぐるぐると回り、腕をバタつかせながらそれに話しかけた。しかし、それは問答無用で彼らに攻撃を仕掛けた。
ムーク達は「何故だ」と言いながら、地に崩れ落ちた。死神ちゃんは悠々と去っていく〈獅子のワービースト〉をぼんやりと眺めながら、ポツリと呟いた。
「人かモンスターかの見分けができるくらいには、人に慣れようぜ……」
そして小さく溜め息をつくと、死神ちゃんは壁の中へと消えていったのだった。
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