上 下
32 / 92
第一章 小笠原事変

第一八話 会談へ

しおりを挟む
    「それにしても、貴国の宰相は途中から随分と、歯切れが悪かった様ですな。
たしかに、異常事態ではありますが、そこまで伝え難い事なのですか?」

    政府声明を、生中継で視た伯爵が、そう言った。
万屋は、長台詞を訳したばかりで、喉が乾いたのだろう。
手元にあったコップの水を飲み干してから、伯爵の問いに答えようとする。

    「伯爵、控えてください。
些か無礼ではありませんか?」

    しかし、その前にベアトリクスが、伯爵を諫める。

    「ふむ。
いや、姫様の仰る通りですな。
失礼、致しました」

    伯爵は、素直に謝った。
珍しく、隙を見せた伯爵であるが、おそらくはテレビの物珍しさに、気を取られたのであろう。
その証拠に、何処と無く上の空だった顔が、今は引き締まっている。

    「いえいえ、事実ですからね。
お気になさらず。
沢村首相は胃痛持ちですから。
頼り無く見えるのも、当然でしょう。
最後が雑になってしまったのも、そのせいだと思いますよ。
まあ、ああ見えて決断力のある方です」

    万屋個人としては、直接的に関係が無いので、どうでもよかったのであるが、それでも内閣総理大臣という、雲の上の人物なので、念の為にフォローをしておく。
政府首脳から見れば、万屋こそが今現在、最も注目すべき人材なのだ。
人体実験の材料と言う、万屋の妄想は流石に有り得ないが、それでも一挙一動に気を配らねば、何かと危うい立場である。
万屋は、冗談半分の妄想とは別に、その事実をそれなりに理解していた。

    「では、政府の都合もありますので、皆さんには申し訳ありませんが、首相と会食していただきます。
逃走船の捜索は、海自さん任せになりますね。
それで、よろしいでしょうか?」

    山田が、この後の予定を確認する。
僅か一日で、未知の言語をここまで覚えられるのは、有能を通り越して、異様に近いレベルであった。

    「ええ、それで構いません」

    山田の態度は、日本側の予定を一方的に優先する姿勢に見えるが、エルフ達は約一名を除いて、気分を害した様子を見せない。
その一名も、何かを言い出す前に、身内からの一睨みで沈黙している。
リアルタイムのテレビ中継には、それだけのインパクトがあったのだ。

    「では、ヘリの準備が整うまで、お待ちください」

    山田はそう言ってから、様子を訊ねに艦内電話へと、向かった。
貴賓室なだけあって、他の部屋のものとは違い、クラシカルなデザインの電話だ。
山田は、おそらく特注品であろう、それの受話器を取って、艦橋に確認を取る。

    「あれで、遠くの相手と会話が出来るのでしたか。
何とも、年寄りには難しい代物ですな」

    伯爵は、付いて行けない事を自覚しつつも、その有用性は察している様だ。
興味深そうに、山田の様子を観ている。

    (どうしても油断出来ないな……
もう、諦めたいぐらいだ)

    万屋は、一瞬諦めかけたものの、気を取り直した。
防諜の概念は、嫌と言う程分かっているのだろう。

    第二次世界大戦を観て、日本人には向いていない、という説も存在するが、暗号が破られた上に、情報漏洩が酷かったのは、主に海軍の話である。
それは、暗号が破られた後に、それを察した人物が居ても、上層部がそれを認めずに、そのままマニュアル通りのスパンで、暗号を更新し続けた点を見れば、明白であろう。
陸軍の暗号が、終戦まで破られなかった点を考えると、国民性として、向いていない訳でも無いのだ。
あくまでも海軍と言う、組織の体質だったのであろう。
暗号に限って言えば、防諜意識そのものよりも、硬直化した官僚組織の問題だったと言える。

    そうは言っても、やはり情報漏洩の問題は重要であり、万屋達の様な自衛官の場合は、防大で防諜の大切さを、叩き込まれる。
今回の事態の様に、圧倒的技術格差があろうとも、それは変わらない。
現時点で、相手が理解出来ないからと言って、請われるがままに、情報を伝える訳にはいかないのだ。
少なくとも、それなりの対価と引き換えなければ、叱責されてしまうだろう。
今回の場合は、世界情勢がその対価であるが、それにしても嘘偽りが無いか、客観的な情報かどうかは、まだ分からない。

    (まあ、雑談に応じない訳にもいかないから、ある程度は仕方がないよなぁ。
宮仕えは辛いよ)

    万屋は、常日頃からそんな事を思っていたが、口に出した事は無かった。
安定した収入と引き換えたと思って、当然の様に受け止めるべき、と言うのが万屋のスタンスである。

    「隊長、離陸準備は間もなく整う、との事です」

    「少し早過ぎないか?
予定では、もう少し先だろう」

    山田の報告に、万屋は質問で返した。

    「もう、ヒトマルヒトマルですよ。
こんなものでしょう」

    山田にそう言われて、時計を確認した万屋は、政府声明を観ていた時間に、気付いた。

    「テレビを観ていたからか、早い気がしたけど、そんなもんなのか。
えっと、では申し訳ありませんが、そろそろ時間との事ですので、出発の準備をお願い致します」

    万屋はそう言って、エルフ達を促す。
準備と言っても、大したものは無い。
彼女等は、捕虜から救出されたばかりなのだ。
逃げ出す際に取り返した弓を除けば、文字通り身一つであった。
侍女達には、それさえ無い。

    (そう言えば、服はどうするんだろう?)

    万屋はふと、面倒な事に気付いた。
今のエルフ達が着ているのは、サイズの合いそうな自衛官から借りた、制服の予備である。
一応礼装を借りてはいるが、このまま会談する訳にもいかないだろう。
絵的に不味過ぎる。

    (山さん、彼等の格好はどうしようか?)

    万屋は一人で悩まずに、山田に近付いてこっそりと、相談する。

    (貸し出している制服の、持ち主と同じサイズの背広を、急遽用意しているそうです。
会談直前に着替えれば、問題ありませんよ)

    どうやら、万屋が心配するまでも無く、上の人間が対処している様だった。
考えてみれば当然である。

    「では、問題も無い様ですので、行きましょう!」

    万屋は、恥ずかしさを隠す様に、大きな声でエルフ達の先導を始めた。
何処と無く、顔に赤みが差している。

    「また、あれに乗るのですね」

    「姫様、大丈夫ですか?」

    ベアトリクスが、憂鬱そうに言うと、すかさずアンジェリカが、声を掛ける。
難しい話が出来ないので、侍女達と同レベルの空気っぷりであったが、ちゃんとベアトリクスの傍に居たのだ。

    (側近と言うよりは、護衛専門なんだろうなぁ。
でもこれだけ酷いと、コネだの贔屓だの言われそうだ」

    「今コネって言ったのは、誰だ!?」

    万屋は呆れて口が弛んだのか、思っていた事を途中から、口に出してしまった。
当然、アンジェリカは怒りの声を上げる。

    「気のせいですよ」

    慌て、ベアトリクスが誤魔化す。

    「む。
気のせいでしたか。
失礼致しました姫様」

    アンジェリカは納得した様だ。
ベアトリクスは、アンジェリカの様子を確認してから、万屋の直ぐ傍へ近付く。

     (万屋さん。
ベアトリクスは、我が国随一の剣士です。
武具では、弓が主流の我が国ですが、それでも大陸有数の、優れた実力を持っています。
決して、コネや贔屓ではありません)

    アンジェリカが馬鹿にされた様に、思ったのであろう。
ベアトリクスの声には、小声ながらも怒気が含まれていた。

    (まあ、頭の方はあれですけど、人並みに気は利きますし、優秀な側近です)

    しかし、途中から徐々に、自信を無くした様な声色となる。
アンジェリカのオツムの出来は、ベアトリクスも理解しているのだ。

    (気が利くのですか?
それは凄いですね)

    万屋には、到底信じられない話であったが、素直に感心して見せる。
どこか馬鹿にした様にも聴こえるが、それは仕方の無い事であろう。

    「姫様、何を仰っておられるのですか?」

    アンジェリカが、ストレートに訊ねる。
主君に対しては、疑う事を知らないのだろう。
小首を傾げる姿は、少しばかり可愛いらしく見える。

    (ベアトリクスにだけは、盲信してるみたいだな。
まあ、猜疑心でギスギスしてるよりは、よっぽど良いけど)

    万屋は、そんな事を思いつつ、ふと、アンジェリカがそうなった理由に、興味を持った。
他者への警戒心は、人並み以上に強いのに、ベアトリクスにだけは、盲信しているのだ。
おそらくアンジェリカが、ベアトリクスを盲信する様になるまでには、様々な出来事があるのだろう。

    (そのうち、訊ねてみよう)

    万屋は歩きながら、そう心に決めた。

    そんなやり取りをしながら、複雑な艦内通路を五分程歩き、万屋達は飛行甲板へと、たどり着く。

    「複雑な造りですね。
私一人では、迷ってしまいそうです」

    ベアトリクスが、そんな感想を漏らした。
万屋にさりげなく、尊敬の眼差しを送っている様だ。

    「居住性は二の次ですからね。
仕方の無い事ですよ」

    万屋は、ベアトリクスの視線に辟易しつつ、そう答えた。
迷わない様、事前に道筋を確認していたのは、内緒にしている。
予定を守る為だけでなく、見栄もあるのだろう。

    「そう言えば、先程お渡しした酔い止め薬は、飲んでいますよね?
自分の私物ですから、乗り込んでから飲んでも、効果は薄いと思いますので、もし飲んでらっしゃらない様なら、今のうちに飲んでください」

    「大丈夫ですよ。
アンジェリカは渋りましたけど、全員飲んでいます」

    流石に、昨日の経験から、ヘリの酔い易さは理解したのだろう。
アンジェリカは随分と煩かったが、他のエルフ達はどうなるか分からない。
彼女自身も、体調に左右される可能性は、充分にある。
渋ったとは言えアンジェリカが、渡された薬を飲んだ事に、万屋は内心驚いた。
酷い話ではあるが、万屋の中でアンジェリカの存在は、アホの娘キャラとして定着しつつあるのだ。

    「なら、問題ありませんね」

    万屋はそう言うと、ヘリに乗り込みベアトリクスに、手を差し伸ばす。

    「へぁ!?
……あ、ありがとうございます」

    ベアトリクスは素直に手を取るが、顔が赤く染まっている。

    (可愛いけど、演技なんだよなぁ)

    万屋の心は冷めていた。
ここまで分かっているにも拘わらず、不快感が無いのは、ベアトリクスの美貌が原因であろう。

    (美人は得だよなぁ)

    万屋はそんな事を思いながら、ベアトリクスの手を引いた。

    「姫様ぁ……」

    アンジェリカが嫌そうな顔をしている。
しかし、いつの間にか誰かに諭されたらしく、具体的に何かを言う事は無かった。
万屋の方を、チラチラと断続的に、睨んでいるだけだ。
万屋は、それを不気味に感じたが、指摘する様な真似はしない。
アンジェリカが静かにしているのは、余程の事であろう。

    (知らない方が良さそうだ)

    万屋は不用意に、無意味な好奇心を発動させる程、若くはなかった。
それを気にする程度に、若いのだ。

    「隊長、気が散る様でしたら、自分が訊きますよ?」

    山田が、そう言って気を利かせようとしたが、万屋は首を横に振る。

    「いや、大丈夫だ。
それに、出番はまだ先だろう」

    「何のお話ですか?」

    ベアトリクスは、理解しているのか、していないのか、再び首を傾げている。

    (二番煎じだと寒いな……)

    万屋はそう思った。

    「何でもありませんよ。
それより殿下、直ぐに離艦しますので、シートベルトを巻いてください」

    そう言って誤魔化す万屋であった。
ベアトリクスは素直に従い、他のエルフ達もそれに倣う。

    「では、離艦します」

    ヘリの機長が一声掛けてから、直ぐにヘリは浮かび上がった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

四本剣の最強剣士~魔王再討伐につき異世界転生~

右助
ファンタジー
ある世界で、一つの死闘に決着がつこうとしていた。 四本の剣を扱う剣士アルム・ルーベンが世界を燃やし尽くさんとする魔王ガルガディア・ニーヴァを下したのだ。 復活を予言し、死んでいった魔王。それを見届け、力尽きる間際のアルム。 完全に意識を手放す刹那、アルムは世界を守護する女神から懇願された。 「こことは違う世界で、微弱ですが魔王の力を感じ取りました。異世界に転生し、今度こそ魔王を完全に倒していただけないでしょうか?」 ――返事なんて、死ぬ時から決まっていた。 ※この作品は「右助」名義で「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも投稿しております。

【未完】ファミレス転生 〜デザートはケモノ成分大盛りで〜

紅柄ねこ(Bengara Neko)
ファンタジー
 強力なスキルを貰って、異世界に召喚されたクロウの第二の人生がここに始まる。 「んっ……また抱きついて……ったく」  小さな小動物みたいな獣人エゾリス族のヤエは、まだ子供である少年の眠る布団に潜り込んでいた。  先日はハーフビーストのサクアが下着姿で寝ていたし、一体何が目的だよ……  長いエゾリス族の耳がピコピコ動いている。  すでに起きているのに、まだ寝たフリか…… 「いい加減にしろよ、ヤエっ!」 「ピエッ⁈」  全くもう……大人しくしていれば可愛らしいのに……  まぁ……それでも可愛いけどさ…… 〜獣人たちに出会う15年前〜  就活生『三波 烏(クロウ)』は25歳であった。  名前のせいか、面接官の印象もあまり良くないようだ。  今日も就活後には近所のファミレスで、何か資格を取ろうかとパンフレットを読んでいた。  これまでも何かの役に立つかと思って、勉強はしてきた。  実際には働いてからでないと取得できないものもあって、時間を無駄にしてきたかもしれない。  だが、そんな無駄よりも、もっともっと俺の人生が無駄になる事件が起きてしまったのだ。  転生先は剣と魔法の世界だった。  しかし、三波クロウのもらったスキルは『ドリンクバー(スープ・サラダ付き)』だった。  これは……さすがに。  異世界から来たものだから、クロウには魔法は使えなかったのだ。  このスキルだけで、魔物の蔓延る異世界を生き抜くことができるのか???

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

食うために軍人になりました。

KBT
ファンタジー
 ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。  しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。  このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。  そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。  父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。    それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。  両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。  軍と言っても、のどかな田舎の軍。  リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。  おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。  その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。  生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。    剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...