奴隷少女は公爵夫婦に助けられました

ニチカ

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それからカルロスは何度も何度もソフィーの元を訪れていた。リリスは何度も追い出そうとしたが、そんなこと出来ず、ソフィーがいつも1人で対応していた。

今日は珍しくソフィーは1人で庭に居た。花の絵を描いていたのだ。そこに1人誰かやってきた。

「なんだお前か」

その声はノアであった。ソフィーはノアを見て少しだけホッとした。

「叔母様はどのにいるんだ?」
   
「具合を悪くして、寝込んでる」

「おおかたお前が何かしたんだろ」

ソフィーはノアにそう言われ、筆を持っていた手を止めた。それから悲しげに架空を見た。

「…そうかもしれない」

ノアはそんなソフィーを見て、ノアも嫌なモヤモヤした感じがした。

「ソフィー!ソフィーはどこだ!」

ノアはその声を聞き、とても嫌そうな顔をした。

「バカ王子がお前を呼んでるぞ」

ノアは親指でカルロスの声のした方を指した。

ソフィーは花をじっと見て、まったく椅子から立ち上がろうとしなかった。

「あの人、ママのことを悪く言ったから会いたくないの…」

ソフィーは持っていた筆の先を強く花の描いてあるキャンバスに押し付けた。ノアでもソフィーの状態がよく分かった。

「ソフィ…」

「ソフィー!」

ノアはソフィーに寄ろうとしたときカルロスの大声が聞こえ、そちらの方を向いた。

カルロスはノアを見た途端、険悪な顔にして、ノアを睨みつけた。

「皇太子殿下。なぜこのような小娘を気に入ってるんです?」

「俺の目の前に出てくるな。お前の顔を見る度吐き気がしてくる」

カルロスはノアを指さし、ノアはただ姿勢よくカルロスを見ていた。

「ソフィー、はやくこい」

ソフィーは椅子から立ち上がらず、俯いていた。

「ソフィー!」

カルロスはそう言い、さっさとどこかへ行ってしまった。

「ソフィー、お前はなんでこいつに付きまとわれてる」 

ノアは乱暴にそう聞き、ソフィーを見た。

「……私を側室にしたいだって」

「大人しく結婚すればいいだろ」

ソフィーは少し前の虚ろな目になっていた。ノアはそんな、ソフィーから目を離せなかった。

「奴隷に戻るのはもう嫌…」

ソフィーは初めてポツリと小さな涙を目から流した。

「側室になりたくないなら、婚約でもなんでもすればいいだろ」

「そんな人居ない…婚約とかしたくない」

ノアはソフィーのその態度にイライラしていた。結婚はしたくないけど王族とはしたくない、そんな理由と、鈍感なところが。

「居るだろここに!」

ソフィーは首を傾げた。それから「誰が?」と一言いった。ノアはソフィーの手を掴み、カルロスの前で立ち止まった。

「なんのつもりだ」

「こいつは僕の婚約者だ!」



 












    
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