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第2章【鳥と話す少年】
【閻魔の息子】27
しおりを挟む「お前ら…その洗車代俺が払ってやる。この拳でな!」
“ドスッ”
みぞおちに一撃、間髪入れずに回し蹴り。あっという間に地べたに沈む3人。
「ううう…」
「どうした、さっきまでの威勢は、かかってこい」
「やっべぇ、こ、こいつ…強ええ」
暴走族の前に仁王立ちする輪廻。
「くぅっ…そのユニフォーム…ピザ屋風情がこの鬼怨連合に楯突いてただで済むと思うな、覚えてろ!」
格の違いを見せ付けられ、すごすごとバイクに乗り立ち去る。
“ブォン!ブゥオン!”
「覚えねーよ、嫌なこったー」
裕子が慶太に駆け寄る。
「大丈夫?…お兄ちゃん!」
「大丈夫か?取りあえず手当てしないと」
「わかった、私薬局から包帯と薬買ってくる」
「頼む」
裕子が薬局へ向かっている間沙羅が。
「リン様、私の輝力で…」
「ああ、裕子が戻って来るまで頼むよ」
沙羅の白いオーラが慶太を包みこむ。まだ恐怖心があるのか震えが止まらない。
「霊波動で直接話してみる。ふんっ」
今度は輪廻の青い霊波動が慶太の頭へ。
“いいか慶太、今俺はお前の頭に直接話しかけている。俺達はお前の味方だ。もう大丈夫。”
「!?」
驚いた顔をして輪廻達を見つめる慶太。
“うう…怖かった…”
“安心しろ…”
“慎二って呼んでくれ、こっちの犬は沙羅。”
“慎二…に、いちゃん…”
霊波通信でお互いの気持ちが繋がり合う。
「安心して気が抜けたか…」
「お兄ちゃん!薬買って来たよ。大丈夫?」
「ああ、気を失っただけた」
傷の手当てを済ませ、慶太を背負い屋敷へと向かう。祖父に事情を話し慶太を部屋に休ませた。
「あなたは…昼間の、ありがとうございました。いつもなら私が付き添っているのですが、最近持病の神経痛が出て足が言うことを利きませんでな。あまり遅くならぬ様言っておいたのですが」
「たまたま通りかかっただけですから」
「お食事まだでしょう?礼と言っては何ですがご一緒にいかがですか?私も一人よりは嬉しいですし、手伝いに用意させましょう」
「すみません。それじゃお言葉に甘えて」
「セイさん!お客様に食事を用意して!」
「はいはい、言われなくても坊っちゃんの命の恩人をそのまま帰したらバチが当たります。ご主人様」
用意周到にご馳走がテーブルに列べられる。
続く
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