閻魔の息子

亜坊 ひろ

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第2章【鳥と話す少年】

【閻魔の息子】26

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 「そしたらお兄ちゃんのに似たバイクが見えたんで来てみたの。収まったみたいね火事」

 「ああ…」

 キョロキョロ周りを見渡している輪廻の行動に裕子が。

 「誰か…探してるの?」

 「ああ、ちょっとな」

 すると野次馬の中から二人を呼ぶ声が。

 「裕子ちゃん!あら、慎二君も一緒?仲がいいわね~」

 「おばさま今晩は」

 “アパートの隣に住むおばちゃん。杉田さん。ワイドショー並みの噂の宅配便。”

 「子供が亡くなったんですって」

 「そんな…可哀想に」

“おばちゃん知ってるかな”

 「杉田さんずっとここにいた?」

 「ええ、サイレン聞いて走ったわ」

 「子供見なかった?少し小柄で…肩に小鳥乗っけてる」

 杉田の顔が曇る。

 「ああ。黒木さんとこのお孫さんね。慶太君だったかしら…口が利けないのに鳥を呼ぶって、気味の悪い子よ~いいえ、見なかったわよ」

 「そうですか、ならいいんです」

 「そう言えば…ここの子供と同級生だったんじゃ…。でも、あの子いじめられてたのよね、ここの子に…。たしか他のクラスの子にも」

 「家、分かりますか?」

 「ええ、駅の裏通りで大きなお屋敷。有名よ」

 「分かりました、ありがとうございます」

“この放火やいままでのも、あのカラスの仕業?”

 輪廻と沙羅がうなづく。

 「お兄ちゃん、お兄ちゃんてば!」

 「ああ…悪い考え事してたんで、帰ろうか」

 裕子をバイクの後ろに乗せ、3人?もとい2人と1匹乗りで帰る途中。

 「ちょっと裏通りに寄っていいか?」

 「さっき言ってたとこ?」

 「悪い、確認だけな」

 駅を通り過ぎ裏通りに入る。近くにいた人に屋敷の場所を聞くとまだ奥らしい。

 「あの公園を右に曲がった突き当たりですよ」

 公園の近くまで来た輪廻達の目に入って来たのは。

“リン様…あれ。”

“ああ、あの子だ…”

 霊波動で会話する二人。公園では慶太が3人組の不良どもに絡まれていた。

 「俺バイク汚したのオメエの鳥だろ!え!このガキ!くっせぇクソまみれにしやがって!焼き鳥にして食ってやる!」

 「いいねぇ焼き鳥」

 「オラオラ!」

“ビシッ!ビシッ!

 小さな白い顔がビンタで見る見る赤く血まみれに変わる。

 「洗車代よこせ、オラ!」

 「いい加減にしろ…」

 振りかぶった拳を輪廻に掴まれギョッとする不良ども。

続く


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