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第一章 二節。
閑話 王子と護衛達。
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私の感心は、彼女にある。
私は、13歳の春、ここ帝国の帝都にある皇立ブレ学園に留学生としてベルナールと一緒に来た。
ベルナール・ド・ブレ……おんなじ『ブレ』だね。っと私が言うと、
「そのような下らないことばかり言っているからバカ王子なんですよ?少し改めて下さい。」
などと平気で不敬なことばかり言うようになった。
◇◇◇
冬期休暇も終わりが近付き、とてもでは無いが『ユグドラシル』なるエルフの聖地に行く時間の余裕が無い。最低一ヶ月も掛かる。と言うでは無いか。
無理だ。
では、どうすればリコリーに逢えるのか考えた。
そうだ、帝国だ!帝国の帝都に必ずリコリーは、現れれるのだ。帝国に居れば…………。
ここで、疑問。帝都への滞在の理由だ。一国の王子が滞在する理由………
「簡単です。留学ですよ。まぁ、精々一年間ですかね。」
「何故、一年、なのだ?」
「分かりませんか?現在、ルーセル王子と同級無いし一つ二つ歳上の王族……皇族の子女はおりません。交換留学と言うのが望ましいのですが……」
「体の良い『人質』ってことになるんでさー。」
横から口を割り込んだ男は戦斧使い。立ち寄った帝国国境の町にいた冒険者。なんとなく意気投合したので雇った。
王都に帰る駅馬車のある『サンレノ』迄の護衛として、である。
この三人は、三人共階位『青』と高ランカーだと言う。ギルド証にも青い色がついている。
「まぁ、あの嬢ちゃんには敵わなねーけどなー。」
とは言うが、少し手合わせしたら、我流ではあるが、中々手強いパーティーだった。
パーティー名を訊いたら、『男の心を食い倒れ』。と言った。
それはそれは悲しそうに言った。
「『男食い』って言われてる?」
などと余計なことを口走るベルナール。
「やっぱそう言われる。」って言う。
何でも、パーティー名申請した時は、『乙女の心を鷲掴み』だったそうなのだが、出来た申請書を確認しなかったのだと言う。後になって、とある仕事を受けた時に『男の心を食い倒れ』さんと呼ばれたそうな。
「なんだぁ同性愛かオカマかよ!『男食い』だってさー!!!ギャハハー」って、それが自分達のことだと知って、落ち込んだって。
「だからね。王子さん、書類仕事があるでしょ?キチンと書類に目を通して下さいよ。俺ら見たいになりますから!」
中々強烈なお勉強になった。頑張るよ手抜きしたり適当仕事しない。と誓いました。
王都に帰って直ぐ陛下にお願いした。
「見識を広げたいのと、麻薬『天使の卵』の出所を調べたい。」
「ん。まぁ、ベルナール君も一緒に行くと言うのなら………。」
「ええーーー!僕嫌だよ?」
とまたしても私をお座なりにする発言。
「そうね彼が着いていれば安心ね。」
と、王妃迄。
何なのだ、私は!声を大にして言いたい。
私は次期王太子!あれ?立太子ってまだなの?ひょっとして私、頼り無いのか?
父上が立太式って、11歳だったと訊いたが………。
「まぁ、そう言うことですよ?」
ベルナールてめー!!!
「最近、口が悪くなったと思う。」
「おう、大将ぉ!メシぃ出来ましたぜー。」
「おまえ達って、凄いな。料理旨いし、強いし、食材だって今日狩って来たんだろ?こんな柔らかい肉………。」
「今日討伐依頼のあった『フロッグマン』とか言うカエルの魔物ッスわ。毒抜きが結構大変でヤスが、上手いこと調理するとこの通り!旨いっしょ?」
「以後、食材訊くの止めよ。」
で、なんだ?
「今日、教会行ったんッスよー。やっぱ可愛いッスわー聖女さん。で、麻薬なんスが、教会の司教が売ってます。バックはベルナール坊っちゃんの言った通りソレイユ公爵絡みッスね。聖女の名を使ってお布施とセット価格です。」
「結構。蔓延してまして、貧民街は殆ど中毒患者で溢れてやした。」
「遮音解除したッスよぉー。」
「そっかーカエルは無いわー。」
「言葉遣い悪くなったのって、『男食い』の影響でしょうが?」
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