15 / 87
第一章 一節。
第15話 王家と辺境伯家。
しおりを挟む
◇◇◇
「国王ノルベール三世、御出座ぁぁぁ!!!」
両陛下と二人の王女、それと王子も玉座の横に座った。
第二王女エステルが、リコリーに向け小さく手を振っていたりする。
(ダメですわよ!エステル!)
と、口パクで、リコリーが注意すると、舌を「ベェ」と出すものだから、無視することにしたリコリーであった。
(本当に親しくしているのだな。)
と、辺境伯…リコリーの養父は思うのだった。
「かたっ苦しいのは、抜きで、リコリー、久しいな?何日ぶりか?」
「三日ぶりでございます。陛下。」
「…そう、であったか?で、明日は来られるか?」
「学園がございますので、夕方であれば。」
「ふむ、ではその時にもう一度、説明を頼む。関係する者も集めるのでな。
――――さて、ベルジュ辺境伯、多分訊いておると言う前提で話しをさせて貰う。リコリーよ伝えておるであろうな?」
「どのお話しでございましょう?」
「婚約その他、だ!」
「…不本意ながら、伝えております。」
「なんだそれはっ!ルーセルが泣きそうではないかっ!……まあ良い、と言う訳だ辺境伯。何とかしてはくれぬか?もうこんな調子なのだ。養父であろうどうにかいたせっ!」
「…どうにか、って………。リコリー、何故そんなに嫌なのだ?」
「……だって、弱っちいんですもの!」
「だっ…もう、リコリーより強いヤツなどいないであろうがあ!こうなのですよ辺境伯ぅ。いたら連れて来て下さいよぉ!!!」
「魔法無しなら、隊長に負けたなぁ。」
「いいえお義父様、剣だけでも、槍でも隊長様には勝っております。」
「あーーー。殿下、勝てる男がいなくなって仕舞いました。申し訳ございません。」
「ね、父上。やはりいないのです。ジャンを瞬殺した時から、そうじゃないかなぁって思ってましたとも。」
第一王子ルーセルは、そう言うと項垂れた。
「まあ、この件は保留で、って何時も保留ではないか?リコリー。
それとは、別件であるのだが、実は二ヶ月程前になるのだが、第二王女エステルが、拐かされたのだ。犯人であったコルベル伯爵は、既に処分した。おそらく辺境伯の耳にも入っておるであろう?『天使の卵』が使われたのだ。」
「そのことは訊き及んでおります。」
「そのな、エステルがその麻薬を射てれて、聖女たるリコリー嬢に助けて貰ったのだ。感謝しても、しきれぬ。それで、『月光章』を賜せた。」
「げ、月光章ぉぉぉ!?」
「お父様、何ですの?その月光章ぉって?」
「き、騎士の証だ。つまり、お前のお義姉様は、騎士の称号を賜ったのだっ!そうすると『リコリー・ブランシュ・シュヴァリエ・ド・ベルジュ』。そう言う名乗りになったのだ!!」
「まあそう言うことだ。まだ、大々的に御披露目はしてはおらぬが、来月の夜会。デビュタントに出るであろう?その時にな。
――――と、もう一点。」
「ま、まだあるのですか?なんかもう、付いて行けない。。。」
「旦那様、頑張って!わたくしは、もう……」
「お、お母様っ!」
「誰か、椅子を持て。私の配慮が足りぬようであったな。」
「めめめ、滅相もございません。」
「良い良い、この場で口喧嘩をおっ始めた強者もおったしな。あの時は、私も怒鳴られたなぁ。」
「お、お戯れを、、、、」
「お義姉様、でしたの?」
リコリーは、滝のように冷や汗を流していた。ドレスの肩甲骨の部分まで、汗で色が変わっているのが、如実に物語っているのであった。
そして、国王陛下は、蒸気船の件を話し、謁見は、無事……かは分からないが、終わった。
久し振りの家族の再会と言うこともあり、家族で寛ぐよう、陛下の配慮で現在、王宮の客間で過ごす辺境伯家であった。
◇◇◇
「それで、リコリー…。ミセリコルディアか。」
「いいえ、お義父様今まで通り『リコリー』でよろしいのですわ。」
「リコリー、お前は今後、どうしたい。お前の好きにして良いのだ。」
「わたしは、今のまま成人の16まで、つまり学園を卒業するまで、辺境伯家の娘でいたいのです。本音を言いますと、わたしのような傷物、何処の殿方も欲しては下さらない。と思っておりますので、出来ればずうっと辺境伯領に居たいのです。
ですが、『聖女』であることが明るみになって仕舞い、このまま帝国が放っておいて下さる、とは思えません。流されるのは癪に触るのですが、彼の国の出方次第。と考えております。」
「そうか。それまでは、娘であるのだな。」
「はい。」
と、リコリーが言ったところで、「トントントン」とドアがノックされた。
「はあぁーーい。」
元気な義妹エリィがドアを開ける。
「お義姉様お義姉様あー!王子様と王女様がいらっしゃった!!!本物ぉぉぉっ!」
「家族の団らんのところ、失礼する。第一王子のルーセルだ。」
「第二王女のエステルですわ。以後お見知りおきをー!」
「何で、あんたまで来るのよう!」
「う、煩い!このお漏らし令嬢ぉ!」
「なな、なんだとう!!!」
――――ポカッ!
「ああー!お義姉様が王子様殴ったあああ!」
「ベルジュ辺境伯様、お気になさらず。兄とリコリーちゃんはいっつもああなのですの。辺境伯様の御家族には、お礼と謝罪をいしたく、無理に会いに来ましたの。
リコリーちゃんや陛下、父にもう既にお訊きでありましょうが、私の不注意で、拐かされました。経緯は割愛……と言いますか、直ぐ薬を射たれて、記憶にございませんが、ご自分もわざと薬を射たれ、それでも私を助けて下さったのです。ですが………」
と続けたエステルであった。自分の侍女を助ける為『聖女』の力を衆人環視の中で行使し、おそらく帝国に目を付けられたであろうことなど。
エステルは、辺境伯家の三人にお礼と共に謝罪の言葉を言うのであった。
で、王子である。
ルーセル王子は開口一番、『お漏らし』の話しをしたものだから、リコリーの右手の餌食となった。
「ホント、こいつ何しに来たの?」
「多分、兄上は辺境伯様に婚約の許しを乞いに来たのだと思うのだけれど……。でも、そうしたら私とリコリーちゃん姉妹関係になれるのだわ!素敵じゃない?」
「エステルとそうなれたら嬉しいのだけれど……結婚とか、どうかしら?」
「リコリーちゃん、貴女何時も言うじゃない。『わたしみたいな傷物なんて』って。ちゃーんと王子様が貴女を貰いたいって言っているのよ?」
「…でも、お義母様。そう、なのかしら?」
「お義姉様って、どうして自己評価低いのかしら?王女様ぁ、義姉は、昔っから、『白髪で、傷物で』って言うの。こんなに綺麗でこんなに美しい義姉なのに!頭だっていいし、魔法だって剣だって一番強いのっ!私、悔しい。こんなに素敵なのに。それに『聖女様』だなんて!何処の完璧超人だって言うのかしら!?
あ、ごめんなさい。私、義妹のエレオノールと言います。義姉が何時もお世話になっております。お初にお目文字致しまして恐悦至極に存じます。」
「エリィちゃん、今更ですわよ?」
「国王ノルベール三世、御出座ぁぁぁ!!!」
両陛下と二人の王女、それと王子も玉座の横に座った。
第二王女エステルが、リコリーに向け小さく手を振っていたりする。
(ダメですわよ!エステル!)
と、口パクで、リコリーが注意すると、舌を「ベェ」と出すものだから、無視することにしたリコリーであった。
(本当に親しくしているのだな。)
と、辺境伯…リコリーの養父は思うのだった。
「かたっ苦しいのは、抜きで、リコリー、久しいな?何日ぶりか?」
「三日ぶりでございます。陛下。」
「…そう、であったか?で、明日は来られるか?」
「学園がございますので、夕方であれば。」
「ふむ、ではその時にもう一度、説明を頼む。関係する者も集めるのでな。
――――さて、ベルジュ辺境伯、多分訊いておると言う前提で話しをさせて貰う。リコリーよ伝えておるであろうな?」
「どのお話しでございましょう?」
「婚約その他、だ!」
「…不本意ながら、伝えております。」
「なんだそれはっ!ルーセルが泣きそうではないかっ!……まあ良い、と言う訳だ辺境伯。何とかしてはくれぬか?もうこんな調子なのだ。養父であろうどうにかいたせっ!」
「…どうにか、って………。リコリー、何故そんなに嫌なのだ?」
「……だって、弱っちいんですもの!」
「だっ…もう、リコリーより強いヤツなどいないであろうがあ!こうなのですよ辺境伯ぅ。いたら連れて来て下さいよぉ!!!」
「魔法無しなら、隊長に負けたなぁ。」
「いいえお義父様、剣だけでも、槍でも隊長様には勝っております。」
「あーーー。殿下、勝てる男がいなくなって仕舞いました。申し訳ございません。」
「ね、父上。やはりいないのです。ジャンを瞬殺した時から、そうじゃないかなぁって思ってましたとも。」
第一王子ルーセルは、そう言うと項垂れた。
「まあ、この件は保留で、って何時も保留ではないか?リコリー。
それとは、別件であるのだが、実は二ヶ月程前になるのだが、第二王女エステルが、拐かされたのだ。犯人であったコルベル伯爵は、既に処分した。おそらく辺境伯の耳にも入っておるであろう?『天使の卵』が使われたのだ。」
「そのことは訊き及んでおります。」
「そのな、エステルがその麻薬を射てれて、聖女たるリコリー嬢に助けて貰ったのだ。感謝しても、しきれぬ。それで、『月光章』を賜せた。」
「げ、月光章ぉぉぉ!?」
「お父様、何ですの?その月光章ぉって?」
「き、騎士の証だ。つまり、お前のお義姉様は、騎士の称号を賜ったのだっ!そうすると『リコリー・ブランシュ・シュヴァリエ・ド・ベルジュ』。そう言う名乗りになったのだ!!」
「まあそう言うことだ。まだ、大々的に御披露目はしてはおらぬが、来月の夜会。デビュタントに出るであろう?その時にな。
――――と、もう一点。」
「ま、まだあるのですか?なんかもう、付いて行けない。。。」
「旦那様、頑張って!わたくしは、もう……」
「お、お母様っ!」
「誰か、椅子を持て。私の配慮が足りぬようであったな。」
「めめめ、滅相もございません。」
「良い良い、この場で口喧嘩をおっ始めた強者もおったしな。あの時は、私も怒鳴られたなぁ。」
「お、お戯れを、、、、」
「お義姉様、でしたの?」
リコリーは、滝のように冷や汗を流していた。ドレスの肩甲骨の部分まで、汗で色が変わっているのが、如実に物語っているのであった。
そして、国王陛下は、蒸気船の件を話し、謁見は、無事……かは分からないが、終わった。
久し振りの家族の再会と言うこともあり、家族で寛ぐよう、陛下の配慮で現在、王宮の客間で過ごす辺境伯家であった。
◇◇◇
「それで、リコリー…。ミセリコルディアか。」
「いいえ、お義父様今まで通り『リコリー』でよろしいのですわ。」
「リコリー、お前は今後、どうしたい。お前の好きにして良いのだ。」
「わたしは、今のまま成人の16まで、つまり学園を卒業するまで、辺境伯家の娘でいたいのです。本音を言いますと、わたしのような傷物、何処の殿方も欲しては下さらない。と思っておりますので、出来ればずうっと辺境伯領に居たいのです。
ですが、『聖女』であることが明るみになって仕舞い、このまま帝国が放っておいて下さる、とは思えません。流されるのは癪に触るのですが、彼の国の出方次第。と考えております。」
「そうか。それまでは、娘であるのだな。」
「はい。」
と、リコリーが言ったところで、「トントントン」とドアがノックされた。
「はあぁーーい。」
元気な義妹エリィがドアを開ける。
「お義姉様お義姉様あー!王子様と王女様がいらっしゃった!!!本物ぉぉぉっ!」
「家族の団らんのところ、失礼する。第一王子のルーセルだ。」
「第二王女のエステルですわ。以後お見知りおきをー!」
「何で、あんたまで来るのよう!」
「う、煩い!このお漏らし令嬢ぉ!」
「なな、なんだとう!!!」
――――ポカッ!
「ああー!お義姉様が王子様殴ったあああ!」
「ベルジュ辺境伯様、お気になさらず。兄とリコリーちゃんはいっつもああなのですの。辺境伯様の御家族には、お礼と謝罪をいしたく、無理に会いに来ましたの。
リコリーちゃんや陛下、父にもう既にお訊きでありましょうが、私の不注意で、拐かされました。経緯は割愛……と言いますか、直ぐ薬を射たれて、記憶にございませんが、ご自分もわざと薬を射たれ、それでも私を助けて下さったのです。ですが………」
と続けたエステルであった。自分の侍女を助ける為『聖女』の力を衆人環視の中で行使し、おそらく帝国に目を付けられたであろうことなど。
エステルは、辺境伯家の三人にお礼と共に謝罪の言葉を言うのであった。
で、王子である。
ルーセル王子は開口一番、『お漏らし』の話しをしたものだから、リコリーの右手の餌食となった。
「ホント、こいつ何しに来たの?」
「多分、兄上は辺境伯様に婚約の許しを乞いに来たのだと思うのだけれど……。でも、そうしたら私とリコリーちゃん姉妹関係になれるのだわ!素敵じゃない?」
「エステルとそうなれたら嬉しいのだけれど……結婚とか、どうかしら?」
「リコリーちゃん、貴女何時も言うじゃない。『わたしみたいな傷物なんて』って。ちゃーんと王子様が貴女を貰いたいって言っているのよ?」
「…でも、お義母様。そう、なのかしら?」
「お義姉様って、どうして自己評価低いのかしら?王女様ぁ、義姉は、昔っから、『白髪で、傷物で』って言うの。こんなに綺麗でこんなに美しい義姉なのに!頭だっていいし、魔法だって剣だって一番強いのっ!私、悔しい。こんなに素敵なのに。それに『聖女様』だなんて!何処の完璧超人だって言うのかしら!?
あ、ごめんなさい。私、義妹のエレオノールと言います。義姉が何時もお世話になっております。お初にお目文字致しまして恐悦至極に存じます。」
「エリィちゃん、今更ですわよ?」
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
聖女のわたしを隣国に売っておいて、いまさら「母国が滅んでもよいのか」と言われましても。
ふまさ
恋愛
「──わかった、これまでのことは謝罪しよう。とりあえず、国に帰ってきてくれ。次の聖女は急ぎ見つけることを約束する。それまでは我慢してくれないか。でないと国が滅びる。お前もそれは嫌だろ?」
出来るだけ優しく、テンサンド王国の第一王子であるショーンがアーリンに語りかける。ひきつった笑みを浮かべながら。
だがアーリンは考える間もなく、
「──お断りします」
と、きっぱりと告げたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる