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第108話 僕の誕生日3
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え~~~~!!!!!
いったいこれってどうとればいいんだろう???
先輩にとってこれって何か意味が……
ううん、いや、これは先輩にとって意味があるんだ……
僕はどうリアクションして良いか分からなかった。
頭は真っ白になって、訳の分からない感情で、
グルグルとしてしまった。
ここが今、真っ暗で良かったと、
僕は心から思った。
そうでないと、きっと先輩に僕が起きていたことや、
動揺していること、多分、顔も真っ赤になっている事がバレてしまう。
ここが真っ暗なのをいいことに、
僕はこのまま寝たふりをしていようと思った。
第一に、どういう顔で
先輩を見ればいいか分からなかったし、
どうリアクションすればいいかも分からなかった。
そうグルグルと考えているうちに、
僕の先輩に対して図太くなった神経は、
こんなことがあったにもかかわらず、
再度眠りに落ちてしまった。
「要君?…… 要君!」
先輩に呼び起されて、
僕はハッとしたように飛び起きた。
「よだれ垂らして眠ってたよ。
いびきもかいてたし!」
先輩の普通と変わらない態度に、
あれ? 僕、夢見ていた?
あれが現実だったのか、
夢だったのか少しこんがらがってしまった。
僕は真っ赤になって、
袖で口を拭った。
先輩はハハハと大笑いして、
「冗談だよ!
もう終わったよ。
よく眠っていたね~」
と冗談の様に言った。
「へへへ、すみません~
昨夜、今日の事が楽しみで、楽しみで、
よく眠れなかったので……
でも気持ちよかったですよ!」
僕がそう言うと、
先輩も冗談なのか本気なのか
分からないような口調で、
「じゃあ、僕の部屋にもこんなクッション置こうかな?
要君、僕がこんなクッション僕の部屋に買ったら、
とまりにおいでよ!」
と言ったので、僕は
「是非、是非!」
と先輩に乗ってそう答えた。
でもそれ以上どう答えていいのか分からなかった。
「じゃあ、プラネタリウムも終わったし、
もうソロソロお開きとしようか?」
先輩はとことん、いつもの様な感じで、
トントンと事を進めていった。
時計を見ると、もう6時半を回っていた。
「そうですね。
もう6時半なんですね。
一日が経つのは早いですね!
じゃあ、行きましょう」
そう言って僕達は、プラネタリウムを後にして、
帰路へと付いた。
先輩は、僕をマンションまで送ってくれたけど、
帰り道はいったて普通で、
何の他愛もない会話で済んだ。
先輩は別に不審な態度は示さなかったし、
先輩の言動にも、何らきょどったところも無ければ、
変わったところも無かった。
僕は次第に、あれは夢だったんだと思うようになった。
「じゃあ、要君、
これ、誕生日のお祝いに」
先輩がそう言ってバックを探り出した。
「先輩、僕はもう先輩の一日をもらいました」
そう言うと、先輩は
『いいから!』
とでも言うように、
小さな封筒をバッグの中から取り出して、
僕の手の中に収めた。
「ここで開けても良いですか?」
僕がそう尋ねると、
「家に行ってから開けて。
ここだとちょっと恥ずかしいから」
先輩がそう言ったので、
僕は家に入ってから開ける事にして、
先輩にはお礼を言って、
僕達はマンションの前で別れた。
中に入って、ドアが見えなくなる間際外を見ると、
先輩はまだドアの前に立って、
僕が見えなくなるのを待っていた。
エレベーターは僕の家がある48階まで一気に上り、
僕は玄関のドアを開けた。
まだ両親は仕事から帰っていなくて、
リビングに行ってライトをつけ、
ソファーに座ると、
先輩からもらった封筒を開けた。
中にはメッセージカードと一緒に、
温泉宿の招待券が2枚入っていた。
そしてもう一つ、封筒の中に入っていたのは、
四葉のクローバーを差し葉にした栞だった。
メッセージの中には、
“誕生日おめでとう。
本当は僕が一緒に行きたかったけど、
今度裕也と一緒に行っておいで”
そう書かれていた。
先輩は僕と佐々木先輩の事を、
ちゃんと応援してくれる。
僕がプラネタリウムで経験したことは
やっぱり夢だったのだろうか?
でも、その割には、はっきりした感覚が残っていた。
先輩とのキス願望なんて、
好きだったころならまだしも、今はもうない。
それなのに、なぜあんな夢を見たのだろう?
そんなことを考えていたら、
家のインターホンが鳴った。
出てみると、フロントデスクで、
お花屋さんの配達が来ていると言う事だった。
送り人を聞いてみると矢野先輩からだったので、
上まで通して、花束を受け取った。
それはヒマワリの花束だった。
そこにもメッセージがあった。
“お日様のような君へ
ヒマワリの様に
元気で、明るくて、可愛くて、
僕を何時も元気にしてくれてありがとう。
要君と出会えて良かった”
そしてメッセージカードの後ろには、
“ヒマワリの秘密と
クローバーの欲望
僕の願いは黙秘”
僕は暫くそのメッセージを思いめぐらしていた。
ヒマワリの秘密?
何だろう?
クローバーの欲望って……
先輩の願い……
僕はそのひまわりの花束と栞、
先輩からの秘められたメッセージを見て、
何だかむしょうに切なくなり、
胸が苦しくなった。
いったいこれってどうとればいいんだろう???
先輩にとってこれって何か意味が……
ううん、いや、これは先輩にとって意味があるんだ……
僕はどうリアクションして良いか分からなかった。
頭は真っ白になって、訳の分からない感情で、
グルグルとしてしまった。
ここが今、真っ暗で良かったと、
僕は心から思った。
そうでないと、きっと先輩に僕が起きていたことや、
動揺していること、多分、顔も真っ赤になっている事がバレてしまう。
ここが真っ暗なのをいいことに、
僕はこのまま寝たふりをしていようと思った。
第一に、どういう顔で
先輩を見ればいいか分からなかったし、
どうリアクションすればいいかも分からなかった。
そうグルグルと考えているうちに、
僕の先輩に対して図太くなった神経は、
こんなことがあったにもかかわらず、
再度眠りに落ちてしまった。
「要君?…… 要君!」
先輩に呼び起されて、
僕はハッとしたように飛び起きた。
「よだれ垂らして眠ってたよ。
いびきもかいてたし!」
先輩の普通と変わらない態度に、
あれ? 僕、夢見ていた?
あれが現実だったのか、
夢だったのか少しこんがらがってしまった。
僕は真っ赤になって、
袖で口を拭った。
先輩はハハハと大笑いして、
「冗談だよ!
もう終わったよ。
よく眠っていたね~」
と冗談の様に言った。
「へへへ、すみません~
昨夜、今日の事が楽しみで、楽しみで、
よく眠れなかったので……
でも気持ちよかったですよ!」
僕がそう言うと、
先輩も冗談なのか本気なのか
分からないような口調で、
「じゃあ、僕の部屋にもこんなクッション置こうかな?
要君、僕がこんなクッション僕の部屋に買ったら、
とまりにおいでよ!」
と言ったので、僕は
「是非、是非!」
と先輩に乗ってそう答えた。
でもそれ以上どう答えていいのか分からなかった。
「じゃあ、プラネタリウムも終わったし、
もうソロソロお開きとしようか?」
先輩はとことん、いつもの様な感じで、
トントンと事を進めていった。
時計を見ると、もう6時半を回っていた。
「そうですね。
もう6時半なんですね。
一日が経つのは早いですね!
じゃあ、行きましょう」
そう言って僕達は、プラネタリウムを後にして、
帰路へと付いた。
先輩は、僕をマンションまで送ってくれたけど、
帰り道はいったて普通で、
何の他愛もない会話で済んだ。
先輩は別に不審な態度は示さなかったし、
先輩の言動にも、何らきょどったところも無ければ、
変わったところも無かった。
僕は次第に、あれは夢だったんだと思うようになった。
「じゃあ、要君、
これ、誕生日のお祝いに」
先輩がそう言ってバックを探り出した。
「先輩、僕はもう先輩の一日をもらいました」
そう言うと、先輩は
『いいから!』
とでも言うように、
小さな封筒をバッグの中から取り出して、
僕の手の中に収めた。
「ここで開けても良いですか?」
僕がそう尋ねると、
「家に行ってから開けて。
ここだとちょっと恥ずかしいから」
先輩がそう言ったので、
僕は家に入ってから開ける事にして、
先輩にはお礼を言って、
僕達はマンションの前で別れた。
中に入って、ドアが見えなくなる間際外を見ると、
先輩はまだドアの前に立って、
僕が見えなくなるのを待っていた。
エレベーターは僕の家がある48階まで一気に上り、
僕は玄関のドアを開けた。
まだ両親は仕事から帰っていなくて、
リビングに行ってライトをつけ、
ソファーに座ると、
先輩からもらった封筒を開けた。
中にはメッセージカードと一緒に、
温泉宿の招待券が2枚入っていた。
そしてもう一つ、封筒の中に入っていたのは、
四葉のクローバーを差し葉にした栞だった。
メッセージの中には、
“誕生日おめでとう。
本当は僕が一緒に行きたかったけど、
今度裕也と一緒に行っておいで”
そう書かれていた。
先輩は僕と佐々木先輩の事を、
ちゃんと応援してくれる。
僕がプラネタリウムで経験したことは
やっぱり夢だったのだろうか?
でも、その割には、はっきりした感覚が残っていた。
先輩とのキス願望なんて、
好きだったころならまだしも、今はもうない。
それなのに、なぜあんな夢を見たのだろう?
そんなことを考えていたら、
家のインターホンが鳴った。
出てみると、フロントデスクで、
お花屋さんの配達が来ていると言う事だった。
送り人を聞いてみると矢野先輩からだったので、
上まで通して、花束を受け取った。
それはヒマワリの花束だった。
そこにもメッセージがあった。
“お日様のような君へ
ヒマワリの様に
元気で、明るくて、可愛くて、
僕を何時も元気にしてくれてありがとう。
要君と出会えて良かった”
そしてメッセージカードの後ろには、
“ヒマワリの秘密と
クローバーの欲望
僕の願いは黙秘”
僕は暫くそのメッセージを思いめぐらしていた。
ヒマワリの秘密?
何だろう?
クローバーの欲望って……
先輩の願い……
僕はそのひまわりの花束と栞、
先輩からの秘められたメッセージを見て、
何だかむしょうに切なくなり、
胸が苦しくなった。
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